バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

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引退発表。記憶に残る八重樫東。

2020-09-02 | ボクシング


八重樫東選手引退発表。予想していたけれど改めていろんなことを思い出す。

当時のパウンドフォーパウンドキング、ロマゴンことローマンゴンザレス戦、そして井岡一翔との統一戦について語られることが多いけれど。僕にとってはやっぱりあのポンサワン戦だ。彼が初めて世界タイトルを奪取したこの試合は今思い出してもスリリングでソウルフルな名勝負でした(アメリカのスポーツ放送局ESPNの年間試行試合にも選ばれた!)。
テレビの画面越しにも後楽園ホールが沸騰しているのが熱を持って感じられる。選手の背後で時折目につくお客さんたちの表情から、ちょっとやそっとじゃ出会えない「一生忘れられないようなボクシング体験」をしているのが強力に伝わってきて、現場にいられなかったことが残念でたまらなく感じたものでした。
賭けてもいいな。あの試合を生で見たことによりボクシングの深淵にハマってしまった人がいるのは間違いない。

そしてもう一つ思い浮かぶのが惨敗した世界初挑戦。デーン "イーグル京和 "ジュンラバンに顎を割られながらの12R。まさに完敗。その後、彼がこれほどの記憶に残るボクサー になるとは全く思わなかった。イーグルファンだった僕は、技術もハートもタイからの輸入ボクサーとは格が違うように感じたものでした。見る目がない、としか言いようがないですね。

顔を腫らしての激しい打撃戦が多いことから「激闘王」と呼ばれた八重樫選手だけど、多くの試合の序盤で見せたように本来はスピードとテクニックに優れ、出入りの速いボクシングが売りのボクサーだったように思う。
そのレベルでは対処できない場面に直面すると躊躇なく肉を切らせて骨を断つ的なボクシングに踏み込むところが見る者を熱くさせていた。
それだけに大怪我をすることなくキャリアを終えられてよかったと安堵しています。

バイユーを始めてからなかなかボクシング会場に行けなくなっているのですが、2016年年末には大船渡黒船の岩瀬さんの岩手コネクション?によりIBF王座の防衛戦(見事防衛!)を生観戦できたことは良い思い出です。

そして今日、「やえがしあきら」で「東」が出てくることに小さく感激した私でした。
すっかり八重樫ファンなんですね。