先日のこと。ふと思い立ち、夏に高知で購入して置きっぱなしになっていた鯨缶を食べました。土佐鶴熱燗と共に。
「焼肉」ってのがなんともいいですね。近年、刺身やオバケ(さらし鯨)も食べましたが鯨缶は格別です。
「焼肉」の缶詰といえばクジラです。とても焼いているとは思えないけど、なんとも懐かしい味。
小学生の頃(4年生だったかね?)幡多の方へ夏休みの家族旅行に行ったのですが、2泊目に足摺の桜浜という海岸でテントを張ってキャンプをしました。これが子ども心にかなりエキサイティングな出来事だったようで記憶は今も鮮明です。
テントも張り終わりさぁ食事!と近所に買い出しに行ったのですがスーパー等の食料品店がどこにもありません。当時はコンビニなんかもない時代。父の計画性のなさゆえ(笑)窮地に陥ったのですが(大げさか、でもたき火でカレーとか子どもなりにアウトドアライフに夢があったはず…思うにまだまだレジャーに計画性が問われる時代ではなかった)唯一開いている酒屋兼よろずやを発見(こういうお店も少なくなりました)。そこでなんとか見つけた食材が鯨の焼肉缶でした!
その後、飯ごうでごはんを炊いて鯨缶をオカズに夕食となったのですが…いやぁ美味しかったなぁ。かなりわびしかったし、両親のテンションは下がっていたのかもしれませんが~あの時のクジラさんの味は忘れられません。確かお盆を過ぎていて、海に入ったもののクラゲがいてすぐにやめたりと盛り上がりには欠けたのですが何度かあったはずの夏休み旅行の中では今も一番に思い出します。…あれは5、6年前でしょうか?妹の運転でこの海岸に連れて行ってもらったのですが懐かしかったもんです。そうそう、あの頃の鯨缶には必ずぶっとくてブリブリした筋が入っていましたが、今回食べたものにはありませんでした。昔のはナガスクジラじゃなかったのかな?今回の缶詰は記憶より上品な味でした。
子どもの頃漁師町に育って(子供部屋の窓から海が見えました!)鯨の解体を見たりした(もちろん食べた)身としましては「世代的な給食の味」にとどまらず鯨食は馴染み深いものなのです。
ホエールウォッチング…もちろん雄大に泳ぐ姿には感動しますが、美味しさにも感動するワケです。「知能が高いから食べたらかわいそう」って言われても、僕にとっては牛も馬も豚も鶏も羊さんも魚さんも命だ、と思っていただいているのでなんとも…という感じです。
アメリカ、いや欧米の音楽や文化に大きな影響を受けて育ってきましたが「鯨を食べるなんて野蛮」や「酷い!」という感性の欧米人とは仲良くなるのは難しいなあ…。自分たちの価値観からしか物事が見られない。なんというか想像力が足りんよ。
我々も気をつけるのだ。