バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

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『日本ボクシング激闘列伝』素晴らしい!!

2012-02-02 | ボクシング

Photo_2 先月末に発売されたこのボクシング本『世界チャンピオンが語る!日本ボクシング激闘列伝』(宝島社/1260円)。素晴らしいです!ハッキリ言って良書です。
平成に入ってからの新旧世界チャンピオンのインタヴュー集なのですが、これが細部にまでボクシングへの愛情がいきわたった絶品の内容となっています。

時代を平成に絞っているのも新鮮なら、取材対象の人選も絶妙!(もちろんあの人の話も聞きたかった、もありますが…)。そのうえなによりそのインタヴューの内容がどれも深くて読み応え十分。読みやすく簡潔にまとめられていながら、これまで知り得なかったこと、思わず「おお」と唸るような内容が満載です。よくこれだけの濃密なインタヴューができたものだと感心しきりです。
この内容で1260円は決して高くありません。抜群のコストパフォーマンス!B5判という手頃な判型もGOOD!

ボクシングファンは絶対に買い!です。テレビでボクシングの世界戦をやっていれば観るという「ボクシング、好きだよ」の方も買って損はありません。
そんなボクシング愛好家絶賛の内容ゆえ…本書に登場するボクサーたちを全く知らないという方には確かに若干ハードルが高いかと思います。そんな皆さんは、立ち読みしてから購入をご検討下さい。お薦めします。

本書の魅力はボクシングへのリスペクトと愛に満ち、筋の通った方向性にあります。これだけの深い内容を読みやすく仕上げた編集手腕には脱帽です。
本書を構成編集し記事も書いたライターの友清哲さんに心より拍手を贈りたいと思います。

ちなみに本書はボクシングモドキに貴重なページを割くような愚は冒しておりません。ご心配なく。清水選手の休養王者問題で「無視するにはあまりに危険なヤツラだった…」と気づいたばかりではありましたが、こういう内容の本の中で触れないのは当然のことながら英断であったと思います。

~世界チャンピオンが語る、と銘打ちながら世界王座に届かなかった葛西裕一&松本好二両者の対談が掲載されているところにはただただ感心。葛西選手が小泉選手、阿部真一選手(強い印象を残すボクサーでした。今どうしているのでしょう?)と連破したころの凄みを高く評価している自分としては、それぞれ3度挑んでタイトルに届かなかった同じ高校の同級生ふたりによる対談は世界王者のそれ以上に興味深いものでした。
個人的にはこのセンスで星野敬太郎選手や、元暫定王者ながら今やボクシングファンの多大な興味と声援を集める石田順裕選手の話が読みたかったと思うのですが~それは是非続編で!と期待したいです。

そう続編を期待するほどの良書なのです。