そうタイトルの通りです。バイユーゲイトにチューブ(真空管)の嵐が吹き荒れております。バイユーのオーディオセットに真空管アンプがやってきたのです。
~真空管アンプって???という方は、うーん。お手数ですが御自分でPCもしくは携帯で検索してみて下さいませ♪~
それは火曜日のこと、年末に高知で久しぶりに会ったH県F山在住の友人の元から文字通りやって来た!真空管アンプ。それがこれだ!
なんという佇まい。素敵!
かつて一緒にバンドをやっていたWベKノスケは、高校時代から機械いじりが好きだった。ギターを直してもらったり作ってもらったこともあった。仕事もその興味を生かしたラインで続けているようだ。一緒にやっていたバンドを解散した後はジャズギターにハマリ(ビバップやビッグバンドモノが趣味なハズ)ハコギターを弾き倒しつつ2輪車の世界に没入。レーサーに転身。以後アブナイ橋を渡り続ける。大怪我をして危うく命を落としかけたこともあった。
…でも起き上がれるようになってからは両手がギブスで塞がった状態ながら先っぽに少しだけ開いた割り箸を差し込んでタバコを挟んで吸っていたなぁ。。一見するとかなり細いのだけれどなかなかにタフなヤツだった。
そんな彼の東京Mサカイにあったアパートを訪れた10数年前のある日。非常識に部屋の中に鎮座する複数台のバイクとパーツの山と共にお手製の真空管アンプがあったのだった。機械が好きで音楽が好きな男は当然のようにオーディオの根幹といえるアンプ制作に手を染めていた。その時の自分は「へぇこれがぁ」というくらいのものだったと思う。
その時彼が無造作に「これ聴いてみ」と針を降ろしたレコードが Oscar Petersonの『Hello,Herbie』。いや凄かった!昼間とはいえ木造アパートの6畳間という近距離で会話が困難な程の非常識な爆音。チューブならではの音の塊感や奥行き、そして爆低音。そんなイカレた状況で奏でられたこのアルバムにガツン!とヤラレてしまった僕は帰りにわざわざKジョウジのDユニオンに寄って同じ盤を見つけ出し即購入したのでした。
で、帰宅して自分のステレオで聴いてみると…なんだか全然違う。全然違う。
やっぱ、真空管なのか…。と寂しい気持ちを味わったのでありました。
でもそのまま真空管の道に行かなかったのだから、つくづく自分はハードよりソフトに興味のある人間なんだなと思う。というか機械に近づいて行かない人間か。
とまぁ過去にこんなことがあったのでした。
そして昨年末。高知の喫茶店で近況を報告しあっていると、当然話はギターやレコード、そしてアンプの話に。あれから作り続けているというアンプ。進境著しいであろうことは疎い自分にもなんとなくわかった。それに自分も今ではバイユーの音響にも気をつかう身(笑)いろいろと興味深く聞いていたところ…「何台もあるから1台使ってみる?あげるよ。店にプレゼントするよ」と驚きの申し出が!一瞬喜んだものの、果たして今のバイユーの(自分の)状況で管理しきれるか?と考え込んでしまい元気よく即答とはいかなかったのですが「まあ使ってみ」とのありがたいお言葉。
そして年が明けてバイユーに到着となったのでした。まず最初の問題、セッティングはオーディオの専門化であるAヤマさんに全面的に相談にのっていただきなんとか解決。感謝の後にバイユーに真空管時代が訪れたのでした。
そしてその音は…
素敵な音がします!!お客様一同、大~いに盛り上がりました。
彼の部屋では何より迫力に圧倒されたのですが
改めて聴いて音の暖かさ、柔らかさ存在感や奥行きにコーフンしました。
なんといっても昨年リリースのアーマ・トーマスのCDがアナログ盤のような音で再生されたのにはみんな驚いてました。
そしてなによりあったまっていって途中からどんどん音が出来上がっていくのに感激しました。音が生きている感じ。店の鳴り、も生かされているように思います。
まだまだセッテイングに検討の余地はありそうですが、この暖かさと柔らかい音圧。とにかくイマドキとはほど遠い音を出す店になってしまいました。これからワカモノを呼ぼうかという店がこれでいいのか?という意見もありましたが(笑)
とにかくHシマの空に向けて感謝です。彼からはカウンターの中の『ゲイトマウス日本公演86』のポスターに続きバイユーに存在感ある贈り物をいただきました。ありがとう。音作りを楽しんでみます。