AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

NPOのSPEC WORKの実態⑵

2018-07-20 12:44:59 | NPOの問題点

 

 

在職中政府広報の競合プレゼンを何度か担当した。負けた事はないが、その後に憂鬱な作業が待っている。

役所は公平を期すためとか言うが、まず新年度広告代理店制作会社に課題を与える。そのオリエンテーションにもとずき、1社一案をプレゼンする。どのくらいの業者にプレゼンさせていたかわわからないが、凡そ100社くらいであろう。そして広告表現でランクずけをするのである。その内上位40社と今年は入札ならぬ、提案権限を持つのである。もちろんこのプレゼン費は一切払わない。大手は問題ないが、競合指名された中小はマイナスであろう。やればやるほど赤字となる。時間を限られているから必死であろう。そんなドタバタ入札もみている。哀れなものだし、政府広報はやればやるほど赤となる。これもくだらん Spec Workと言えよう。こういう事は、アイディア創造性の枯渇を呼び、業界が疲弊していくのが彼等には解らない。と言うよりも、解ろうともしないのだ。今回私に降りかかってきたものは更に悪意もある。それはゆっくりと暴いていくが、まず業界の現状を知ってもらいたい。

 (https://amix-design.com/blog/saynotospec-1012.htmlから引用させて頂きました。)

 

Zulu Alpha Kiloのストーリーを辿ってみよう。

 

 

(Thank you Zak !!)




クライアント:こんにちは。こちらが提案依頼書です。

額縁店オーナー:提案依頼書?なんだそれは。

 

 



クライアント:提案依頼書です。戦略的なプロセスで、私に合うパーソナルトレーナーを選びたいと思います。

 



クライアント:まずスペックワークとしてデザインをいただき、それから最終作品を気に入るか検討して、それから費用を払うかもという感じですね。


建築家:(苦笑)

クライアント:どうですかね?

建築家:言ってる事がめちゃくちゃよ。

 



クライアント:今回は1ドル75セントの予算がないんです。一杯コーヒーをいただいてそれを気に入るかどうかまず検討したいので、スペックワークで一つください。

カフェ店員:・・・いやよ。

 

 

 

クライアント:スペックワークで朝食を作ってほしいんだ。もし私が気に入ったら、レストラン集に掲載して・・・

飲食店店員:は?あんた一体何を・・・

 

クライアント:そう!それからお金を・・・

飲食店店員:時間の無駄だ。ほら!帰ってくれよ!忙しいんだ。

 

 

クライアント:スペックワークで額を作ってくれないんですか?

額縁店オーナー:絶対に作らないよ。

クライアント:そうですか・・・。では、クライアントはどうやって増やしていくんですか?

 

 

額縁店オーナー:クライアントは私を信用しているし、私の仕事のクオリティを気に入っているんだ。

 

 

パーソナルトレーナー:君をクライアントとして欲しいけど、僕は始めからサービスを提供しているんだから、君も始めから払ってくれないと。それがビジネスのルールだよ。

 

 

カフェ店員:あなたがすでに私のクライアントだったら、今コーヒーにお金を払っているんじゃないかしら?

クライアント:私がそのコーヒーを気に入るかどうかなんてわからないだろう?

カフェ店員:信頼するのよ。

 

 

飲食店店員:世の中どこでも通じるルールを教えてやる。まずお金を払って、それから食べるんだ。

 

 

クライアント:もし額が気に入ったら、それから1年間君の額を買いましょう。その代わり割引してくださいね。そのあとの1年はさらに20%割引という形で。私と継続してビジネスができるんですから。

額縁店オーナー呆れ顔

 

 

建築家:だめ。私はプロフェッショナルの建築家で、時間を使ったら費用を払ってもらっているの。

 

 

クライアント:スペックワークで得たあなたのトレーニングメソッドの権利は全て私にあるということでいいですか?

パーソナルトレーナー:君にトレーニングを教えると言う事は、僕の”知的財産”を与えるということだよ?

クライアント:分かってますよ。

 

パーソナルトレーナー:いや、だめだね。そんなこと絶対にしないよ。誰がそんなこと引き受けるんだい?

 

 

クライアント:ええと、私たちはあまり相性がよくないみたいですね。

建築家:そうみたいね。よくないわ。

 

 

飲食店店員:あんたは政府の手先か何かか?あんたおかしいよ。

クライアント:他のレストランはタダでやってくれるよ!

 

 

飲食店店員:出てってくれ!早く!なんでここに来たんだ?さっさと出てけよ!

 

 

パーソナルトレーナー:君は、タダで仕事をするのかい?

クライアント:えーと・・・しませんけど?

 

パーソナルトレーナー:じゃあ、なんで僕にそうしろって言ってるんだい?

 この動画を見て、クライアントがとても無礼で非常識で横柄な人物に見えたのではないでしょうか?こんなやつ、一体どこにいるんだと。

しかし広告デザイン業界においては、こういった要求や要望が実際に存在しています。こういった「スペックワーク」にいい加減NOと言いませんか?


日本ではNOでと言えない関係が出来てしまっている。大手代理店は未だしも中小はそれでもへつらう。そして発注者は如何にクリエーティビティを搾取しているかも麻痺してくる。
 
 
ボランティアをただだ!と主張するNPOは更に達が悪いのだ。