AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。⑴

2018-07-10 13:20:07 | 言の葉の輪転機

 

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ホットモットのタグラインが炊飯器の湯気の暖かさを醸し出している。

故岩崎俊一さんの著書「幸福を見つめるコピー完全版」の中の一節だ。

 

The Power of a Meal

 

Donate A Meal - Düsseldorfer Kindertafel

 

 

 

子供食堂が全国で2200箇所あるそうだ。全国子供食堂ネットワークの釜池さんから、いろいろとお話をお聞きできた。子供食堂と言う全国各地の地域的な動きに発展する前、テレビ局でやった実験分析がある。小学校2校を選び、朝と夕食を写真に撮って1ヶ月の献立を分析した。

東京大学大学院情報学環 渡邊教授のデジタルマッピング 可視化を思い起こさせる。



その子供達の食卓の写真を見て驚いた。朝からケーキ、コンビニのおにぎりやサンドイッチであれば未だマシである。まずは、夕食でも味噌汁と魚が食卓から消えている。

親が食事を作らないから、年頃の女の子は「鯵のたたき」で鯵をまるごとまな板の上で叩いている。既に笑える話ではない。

ドメスティック バイオレンス同様に、貧困も連鎖する。学校の給食だけが唯一の食事と言う子も多いのだ。中には遠足のおにぎりを自分で作ってくる子供もいる。

西岸良平の「三丁目の夕日」に描かれる様に、隣近所 皆貧乏家族でも、友達が家で食べたり、逆に友達の家でご馳走になったこともあった。バブルが弾け、隣近所のコミュニケーションが希薄となり、引き篭もりが多くなり、学校も荒れる。教育と同じ様に大切なのは食育である。

いくつかの子供達や親 ご老人が集う地域食堂にお邪魔したが、そこには「これでは駄目だ!」と地域食堂をはじめた方々の気概を感じる。岩崎さんのタグライン 「幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。」がちゃんと子供達に寄り添っていた。この湯気のある空気感が大切なのだろう。「幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。」