AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

パリンドロームとアンビグラム⑴

2018-01-19 15:56:33 | 言の葉の輪転機

 

資生堂CM - ベネフィークグレイシィアイシャドウ - 1978

 パリンドロームとは回文の事である。

回文(かいぶん)とは、始めから(通常通り)読んだ場合と終わりから(通常と逆に)読んだ場合とで文字ないし音節の出現する順番が変わらず、なおかつ、言語としてある程度意味が通る文字列のことで、言葉遊びの一種である。英語では palindrome ([ˈpælɨndroʊm]パリンドローム)という。編集西暦79年にヴェスヴィオ火山の噴火によって滅亡したヘルクラネウムの街の遺跡に「Sator Arepo Tenet Opera Rotas」という回文が刻まれている事から、回文の起源は少なくとも西暦79年またはそれ以前まで遡る事ができる。英語では「Madam, I'm Adam」(マダム、私はアダムです)のような例が知られている。日本でも「磨かぬ鏡」「竹藪焼けた」など、言葉遊びとして古くからいくつもの例があり、小瀬渺美は安政期に新潟の俳人が刊行した回文俳諧集を挙げて、当時から日本で回文の文化が普及していた可能性を指摘している日本語の著名な古典的回文として以下のものがある。いずれも五七五七七の短歌律形式をとっている。

▪長き夜の遠の睡りの皆目醒め波乗り船の音の良きかな

▪むら草にくさの名はもし具はらはなそしも花の咲くに咲くらむ[2]

▪惜しめともついにいつもと行春は悔ゆともついにいつもとめしを[2]

回文は前から読んでも後ろから読んでも意味が同じものだが、これに対し「gateman」(後ろから読むと「nametag」)のように前から読んだ場合と後ろから読んだ場合で意味が変わるものをsemordnilap(シモードニラップ)と呼ぶ。これはpalindromes(=回文)を後ろから読んで作られた造語で、「semordnilap」という単語自身がsemordnilapの例になっている。この言葉は論理学者Dmitri A. Borgmannによって作られたとされている。これは倒語の変種といえなくもない。(Wikipedia 回文より一部引用させて戴きました。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/回文)

 結婚し新嫁宵に新香漬け(ケッコンシニイヨメヨイニシンコツケ)」

「お買い得安いと椅子屋くどい顔(オカイドクヤスイトイスヤクドイカオ)」

 

「品川にいま棲む住い庭がなし(シナガワニイマスムスマイニワガナシ)」

 

「ママが私にした我儘(ママガワタシニシタワガママ)」

この素晴らしい回文を作ったのは、巨匠亡き土屋耕一。土屋さんだ。

「君のひとみは10000ボルト」「おれ、ゴリラ。おれ、景品。」など、有名なキャッチコピーを残した。東京コピーライターズクラブの会長もなさっていた。そんな土屋さんのお葬式でのエピソードが書籍『土屋耕一のことばの遊び場。』のなかで紹介されていた。土屋さんが亡くなったのは2009年3月。お寺の住職さんと土屋さんの奥さんが、生前、土屋さんがどのような仕事をしていたかと話していました。コピーライターであり、回文も作っていたと奥さんが伝えると、ついた戒名は「至光院耕菫坤柚居士」。「大地を耕し、蓮の花や柚子の木を育み、努力してこられた、この上ない尊い光に包まれた人」という意味だ。

 

 そして、驚くべきことに「しこういんこうとうこんいうこし」と、最初から読み上げても、最後から読み上げても同じ。粋なお坊さんが、戒名を回文にしてしまったらしい。言葉で遊び尽くした土屋さんらしい戒名だが、思うに土屋さんが既に付けていたとも思われる。

 

海外も広告ではメルセデスベンツがやっていた。これも中々面白い。

 


車の後ろにもカメラを搭載した時の表現だったと思う。実に粋である。


1月18日(木)のつぶやき

2018-01-19 03:59:09 | 百済ない話