AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

クラウドソーシングの善意(3)

2016-12-09 19:42:13 | メディアの一向一揆





この映画はテアトル70周年記念作品でもあります。「この世界の片隅に」の原作は、広島出身の漫画家、こうの史代さんの同名のコミック(上中下・双葉社刊)です。片渕須直監督が日芸映画出身とは知りませんでした。魔女の宅急便他多くの作品を世に出し、数々の国内外の賞も受賞なさっています。広島映画祭で受賞したこの作品は既に文部省選定になっておりました。
公開から1ヶ月も経たずに日増しにネットでの口コミが広がり、上映館も日増しに増えてはおりますが、通常日でも立ち見が出るほどの盛況ぶりです。
「日常の世界を描く中に戦争があった。」という視点です。 「黒い雨」も「火垂るの墓」も従来の映画は戦争の状況下に視点を置いていたと思います。そこに庶民が主人公になっても「戦がテーマで原爆がテーマ」なのです。この作品は日本人の日々の暮らし、家族を描いています。それは今の我々の暮らしと同じです。強いて言え名作「東京物語が戦時下だったら、、、。小津監督はどう描いたんだろう?」日清日露戦争の勝利と先の戦では国民の意識は全く違っていたのでしょう。だから、1905年のポースマス条約で露西亜から賠償金を貰えなかった民は怒り日比谷焼打事件となりました。しかし先の戦は国民は知らないままに戦になっていったのです。
シリア難民も日々の暮らしから突然 家族がなくなり、家を爆撃されております。庶民達はこうやって戦争に引きずりこまれるのです。広島市にオバマ大統領が訪れ被爆者達と抱き合う姿に広島長崎の被爆者を家族に持つ人々はやっと71年の区切りになったのかもしれません。





「歴史とは、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります。」英国の歴史学者 EHカーの言葉です。
パールハーバー真珠湾攻撃 アリゾナ記念館には精密に再現された赤城の模型が展示されております。この記念館には「日米ともに戦争回避に努力をしたけれども石油の道を米国が閉ざしたことで戦争になった。」そしてこの精巧な赤城の模型が、日本の技術力を示しているのです。





http://1941.mapping.jp

長崎原爆アーカイブ、そして広島原爆アーカイブ、沖縄アーカイブそしてえ 12月8日にオープンしたPearl Harbor デジタルアーカイブ 首都大学東京渡邊先生の研究室のプロジェクトです。
可視化する事でいろいろな事が今の世界に繋がっていきます。
そこには「Don’t forget Pearl Harbor!」と刻まれてはいないのです。戦争を美化しても何も生まれません。当時の日常を細部に渡って描くことで、時代はつながっていくのです。
この世界の片隅にいても、、、。