半熟オヤジの基地

完熟できないオヤジの「狭く浅い&自己満足」の部屋

『別離』を観ました。

2013-06-29 03:00:00 | えいがかんしょうの部屋
 テヘランで暮らす妻シミンは、11歳になる娘テルメーの将来のことを考えて、夫ナデルとともにイランを出る準備をしていた。
しかしナデルは、アルツハイマー病を抱えることとなった父を置き去りにはできないと国を出ることに反対。夫婦の意見は平行線をたどり、シミンが裁判所に離婚申請をするが、協議は物別れに終わる。
シミンはしばらく家を出ることとなり、ナデルは父の世話のためにラジエーという女性を雇うことにした。
しかし、ある日、ナデルが帰宅すると、父は意識不明でベッドから落ち床に伏せていた。
ナデルは怒りをあらわにして、ラジエーを問い詰め、彼女を手荒く追い出してしまう。
その夜、ナデルは、ラジエーが入院したとの知らせを受ける。しかも、彼女は流産したというのだった……。
公式サイトより)

 イラン作品って、初めてかなぁ
最初の5分、裁判官の前での、夫婦の激しい言葉の応酬で始まります。これで、この夫婦がどんな状況になっているのかが、良く分かります
ナデルは、人のよさそうなラジエーを雇いますが、ラジエーの事情があって、ギリギリの状況・・・
アルツハイマーであるナデル父が倒れてしまっていた「事件」。ちょっとした亀裂であったはずのこの「事件」が、結果的に、この作品、最後まで尾を引く、争いに発展してしまいます
サスペンスない、ミステリーでもない、パッと見、その辺にあった民事裁判(事件)でしかないはずのこの話なのに、なんでこんなに引き込まれるのでしょうか
その理由の一つに、出てくる人、一人一人の感情とか、心理が見ている俺にもしっかり理解できるからなんでしょうね
どの人も、善悪で判断できない、ホントに普通の人たち・・・なのに、自分の立場や、意志、そして愛のため、戦いまくっている・・・これが良く分かります。
また、両家に、子供がいるのですが、親の目線、子供の目線もしっかり違っているのにも、興味をひきました
ベルリン国際映画祭での「金熊賞」をはじめとして、多数の映画賞を獲ったのも、全くもって納得の作品です。
話とは離れますが、イランという国もちょっと分かったような・・・アルツ父の服を脱がすのも、他人の異性ではNGとか、異性間の関係がやたら厳しいのは宗教上の理由でしょうか
ちゅうことで、最終的に、テルメーはどちらを選択したのか・・・って、もし父を選択したら、シミンの出国理由がなくなるのでは・・・で85点
※あくまで個人的主観ですので、気分害されましたら申し訳ありません

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