日本のPC・ネットの話題を出すのだったら日本語ワープロとパソコン通信の話は重要だと思います。大型機(メインフレーム)というか基幹系とはあまり関係ないので、前項に上げた本では軽く触れられただけです。
時代は前稿と同様に1980年代でNEC PC-9801の時代と重なります。
日本語ワープロは和文タイプライターをマイコンで実現したような装置です。8bit機ではかなり無理があって、おそらく中身はMS-DOS 2.0系、つまり16bit CPUが多かったと思います。
タイプライタに似せた感じの形のものと、ほぼパソコンの外見のものとに区別されると思います。前者は1行~8行程度の横長の液晶画面が付いていて、これでA4の10ページほどの文書を組んで、感熱リボンのプリンタが内蔵されていて印字指令でコピー用紙に文書が出てきます(感熱紙も使えたはず)。文書の記録は内蔵の電池でバックアップのCMOS RAMだけのものか、3.5インチフロッピーディスクが付いているのもあり、の感じ。
私が使っていたのはキヤノンの装置で、モデムに繋いで電話線経由でパソコン通信が出来たので重宝していました。PC-9801 F2も持っていましたが、何となく面倒で、日本語ワープロはお手軽な装置でした。
MS-DOSが使えるタイプでしたが、PCとしては最低限の装備しか無く、パソコンとしてはほとんど使えず、パソコンとのデータの受け渡しに利用していたと思います(あまり記憶が無いので活用しているとは言い難かった)。
日本語入力方式はかなりいろいろと模索されていて、しかし結局はかな漢字文節変換とその延長が主流となり、最後に採用した単語が最優先で変換される、現在のパソコンの日本語入力とほとんど同じの形に落ち着きました。変換辞書は実用水準で簡単なものだと64KB程度です。
日本語フォントはディスプレイはキャラクタジェネレータに16ドットの漢字が入っていて、プリンタの方は別に24ドットの漢字がよく使われたと思います。もちろん高級機にはもっと細かいフォントが採用されていました。大変そうに見えますが、フロッピー1枚に入る位の容量です。
日本語ワードプロセッサは人気商品で、隆盛期には家電量販店などで大量に展示され、売れていたと思います。そのころのパソコンは高額商品でした。
町内会とか社内のお知らせ文書とか、現在同様のことを突然することになったら、パソコンとプリンタが必要です。そうですね、パソコンは最低5万円程度はしますか。プリンタは1万円程度。ワープロソフトは買った方が良いと思いますが、無料で使えるのもあるでしょう。
インターネット環境は欲しいので別途契約。今はあまり困ったとの話を聞かないので量販店や通信会社に相談したらあっという間に繋がると思います(もちろん月々有料)。
つまり初期投資は結構かかります。しかし、本物のパソコンだと表計算ソフトがある程度使えるようになったら食い扶持には困らなくなると思います。社内LANやデータベース系が扱えるようになったら家族を養うことが出来るでしょう。あるいは天然の技量と根気は必要なものの、デザインなどの芸術系か。