本日朝の通勤電車内は当然ながら普通の状態に復帰していました。普通に出社、と。
書店の技術系のコーナーに置いてあったので思わず手にしたパソコンとネットワークの1970年頃から現在までの我が国(日本)の事情を解説した本。なのですが、ちょっと立ち読みしてあまり参考になりそうも無いと書棚に戻して、しかし著者は私とほぼ同年代で、Z80のチップから自作PCを何とか作ったのも同じ。かつてマイコン第一世代と呼ばれた仲間(?)です。なので私の記憶を確かめるために買ってしまいました。
どうやら大手IT会社で技術系の仕事をしていて、定年退職して小さなITコンサルタント会社を立ち上げ、おそらく宣伝の一環としてよくある社長の思い出話を出版した感じです。なので、改めて読んでも私の記憶の追認の感じとなりました。このあたりに関する主要キーワードが続出するので、参考になる方はいらっしゃると思います。
そうそう、NextとかApollo DOMAINとかありました。以下、私の記憶が曖昧なので引用注意です。
当時は電子計算機で日米摩擦があって、IBM PC/ATが出たすぐ後の頃でしたか。ソフトもハードもネットワークも日本自前で揃えて政府系の団体に配ろうとしたものだから、米国からちょっと待て、の感じだったと思います。日本の立場としても貿易促進は国是ですから断る訳にも行かず、米国製品などをとにかく国立機関などで使え、の感じの事態になりました。
おかげさまで私がいた研究室にも上述の計算機が来ましたし、当時流行した人工知能用ワークステーション(Symbolicsが有名だがXEROX社なども作っていた)や、コンピュータグラフィックス用の大きな専用マシン(シリコングラフィックス)とか、普通の各社UNIXマシンとか、全国各地の大学研究機関などは国際博覧会みたいな状態になっていたと思います。
今から考えると全くの杞憂で、Windows 3.0あたりからは普通に米国製品を使うようになって、DOS/Vのおかげで一般向けハードも外国製がどかどかっと入ってきましたから、まあ何というか、内需拡大大成功の感じです。
本書に戻ると、もう少し技術内容を追加するだけでぐっと値打ちのある本になったのではないかと、惜しい気持ちになりました。流行した製品にはそれぞれ特徴があって、現在にも部分的に残っているのか、あるいは今でも応用の可能性があるのかとか。