まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

3922. 整数論

2022年12月14日 | 日記

 数学の女王と呼ばれる整数論。ダイレクトにそう書かれた数学史の邦訳は最初の方をうろうろ。別に通勤時間帯に読んでいるのはガウスの業績をトレースしている我が国の数学者の学術文庫で、また別の英国系の数論の教科書の和訳は途中からざっと見になりました。

 「数論」は「数の理論」とも「算術学」とも訳せる分野で、「整数論」と全く同じです。私が読んだ数論の教科書はそれ自体でとても魅力あるもので、私が若かったら一章一節ずつ丁寧に読んでいるはずのものです。今は老獪になったというか、ああ、ここで迷ってしまったと思ったら残りは速読して、さっさと他の参考文献を探ります。何となく分かったら、元に戻って続きを読みます。

 現代数学で連想する分野の多くはガウスの業績から派生していった感じがします。ですから数論を知ることは現代数学に接近することでもあります。

 ただ、何の準備もなくいきなり整数論の本を読むと、現在の数学教育の主流である線形代数・微積分、統計学とあまり関係が無く、一種のパズルのような印象になると思います。少なくとも私は唐突な感じがしました。

 数論史のハイライトはフェルマーからオイラーを経てガウスが頂点のようです。フェルマーとオイラーは約1世紀離れているので、その間を埋めるのがニュートンで、しかしニュートンは数論にはあまり関心が無かったようです。オイラーとガウスも1世紀近く離れていて、その間にラグランジェとルジャンドルがいます。数学好きなら全員の名前は聞いたことがあるはずです。

 さっさと先に進みたい方のために、数論が注目されたきっかけと私が思っているのは楕円関数(とレムニスケート)と円分方程式です。どちらも代数学の話題で、私が20世紀初頭までの古典数学への入り口として使っている数学公式集(1950年代初版)では冒頭の代数学の章の最後に整数論の説明があります。代数学の他の項目は、複素数、不等式、比例、数列、対数、順列と組み合わせ、行列と行列式です。つまりこの系譜から出現した分野と考えると分かりやすいようです。

 ここから数式と数列の探求が始まり、どちらも変数xは0次、1次、2次…、と整数で増えて行きます。分数のある方程式では右辺が0ですから、分母を適当に払うと整数だけになってしまい、数式は変形されてしまうものの結局は整数の振る舞いを扱えば代数全般の構造が分かってしまう、というからくり。

 ガロアはガウスに完全に重なり、解析学(微積分)は実数(連続)を扱うので普通の数理論理学では扱い難く、今から考えると無駄な争いになってしまいました。ガロアの方向、つまり群論方向でも連続群の対称性は有限群と加算無限群で表現されますから、結局は合流するようです。群と同様の言い方が環(おおむね整数)と体(おおむね有理数と実数)で、任意の実数は有理数で限りなく近づけますし、計算上は同じ扱い(体)なので有理数(とその拡張)を追いかけていればOKか、素朴な数理論理学の範囲に完全に入るし、の感じです。

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