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まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

3718. 数セミ60周年、続き^3

2022年04月19日 | 日記
 その数学者、一松信先生の1979年刊の小型の双書を通勤時間帯に読んでいて、本日終了しました。途中から数値計算の話に入っていて、数値積分での台形公式の有用性が強調されていました。これは2項前に紹介した数セミに出てくる「嘘みたいな本当」の話です。
 そういえば、何度目の上司だったか、数値積分は下手な工夫をするより計算回数を単純に増やす方が良い、とか言っていました。その人は理論家では無く現場たたき上げの人でしたから、実感としてもそうなのだと思います。

 「嘘」と「本当」と表現されていますが、論理学で言う「偽」と「真」のことです。が、ことはそう簡単では無く、一つは人間側の思い込みと、もう一つは論理学の都合です。

 この歳になって気づくとは不覚でしたがしかたがない。まず、数学の証明、つまり数学の話の進め方では普通は一階述語論理が使われます。これは幾何学では「synthetic」と呼ばれていて、とある数学書の翻訳で私は古典幾何学とか説明が必要な場合は論理で組み立てる幾何学と表現しました。古典として読み継がれているユークリッド幾何学の方法を指しているつもりです。
 対立語が「analytic」で、解析的との文言を聞かれた方は多いと思います。今、手元の電子辞書を見たら所与の点のまわりで収束するべき級数で表される関数、複素関数の場合は正則(holomorphic)と同様、と書いてあります。うむ、上述の数学双書の内容もそのanalyticの話です。

 解析幾何学は座標を導入した幾何学のこと。代数学で解析的というと微積分のことですから、ほんの少し前まで関連が私は理解できていませんでした。現在の私の解釈は以下の通り。

 幾何学で座標を導入すると、円や直線の交点がぶつかることが前提とされます。いや、なんのこっちゃの方が多いと思いますが、実数を導入しないと、つまり有理数とそれに加えて虚数や平方根を導入しても(ガロア拡大)、たとえば5次関数の曲線と座標軸は合致しないことがほとんどすべて(数学用語)の場合で起こってしまいます。
 グラフでは交わっているように見えて実は外れていた、では困りますから数直線は連続である必要がある、これは座標を導入すると起こる事態です。公理と定理だけの世界だと予想だにしなかった事態です。

 微積分に関しては、微分と積分とは数式の変換である、と考えれば一階述語論理の範囲に入ると思います、多分おそらく(分かっている方、どこかで解説をお願いします)。なので、連続の概念をすっ飛ばした方(授業で寝ていた?)には、微積分学の理解は簡単だったみたいです。私はここのところでうじうじと青春の10年ほどを費やしました。事のついでに数学や物理学は諦めて生物学に進んでしまいました、昆虫採集や魚釣りは好きだったし、ぶつぶつ。
 数値の近似解を得るニュートン法は微分を単なる数式変換と解釈し、有理数から出発すると有理数のままどんどん関数の解に(普通はものすごい速さで)近づきます。5次関数などだと、その行き着くはずの先はガロア拡大から外れてしまい、いわゆる名前の無い、通常の方法では記述できない「実数」にどこまでも接近します。これが実数の定義の一つのコーシー列のことだと私は思っていて、上述の電子辞書の収束するべき級数なのだと思います。

 結論を言う前に、その双書では例として上げた級数が収束するかどうかで延々と証明が続いていて、おそらく数学に関心の無い方には退屈と感じると思います。
 級数は等号から右に行くほど(束縛)変数の次数が上がって行きますから、これは積分を繰り返したのと同等、デジタル世界では差分近似なので積和を無限に繰り返したことに相当すると思っています。
 電子回路では優れたアンプの設計と発振器は紙一重のことだそうで、良いアンプの設計とおもって組み立てたら何も入力しないのに綺麗な正弦波が出力された、とかの都市伝説があります。私の経験上も多分、本当。
 つまりこのあたりの部品定数はとても敏感なのです。今はオペアンプなどでアナログ回路であっても(線型代数の)設計どおりに動くことが多いと思いますが、その昔は頼りにならない経験則で計算していたはずで、笑い話には事欠かないと思います。
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