2020年度から小学校でもプログラミング教育が実施されるとのことで、時期が近づいてきたためか書店でもその手の書籍がまとめて置かれています。
私は単なる興味だけの話なので、関係者には申し訳ないと思いつつ、いくつか流し読みしてみましたが、先生向けの解説はあまりない感じ。実施されて数年も経つとノウハウが蓄積されるのでしょうけど、最初はどうやったらいいのか、みたいな新聞報道がありました。
その中でもちょっと興味深い本があって、これは著者が計算機メーカーの顧客向けの教育担当者と思います。経歴の記述がないので確実ではありませんが、あまりにも良く書けている。
その昔、IBMとかDECとか計算機メーカーは、当時の客である各方面の技術者向けに教育プログラムを実施していました。授業費は実習つき教材付きと言うこともあり、かなり高価で、会社から派遣されるパターンが大半と思います。その代わり、教える方も教わる方もその道のプロですから授業は真剣そのもの。分かりづらいところは容赦なく質問が飛びますから、講師には特別の技能が要求されました。そのノウハウが分かってしまう本なのです。
この分野、競争が激しいでしょうから、うかつに書名を言うと差し障りがありそうなので、曖昧にさせていただきます。
要点を言うと、「変数」の説明にかなりの力が入っていて、アルゴリズムの話が出てくるのは100ページほど進んだところです。全体で300ページの本ですから、かなりの分量。
つまり教わる側はデータを抱えていて処理したいわけで、アルゴリズムの話を冒頭ですると、そんなの分かっているから、とにかく計算機の使い方を教えろ、みたいな間抜けな問答が繰り返されたのだと思います。だから、データ構造の前半の話が冒頭に来る。
まあ、私が入門したころに比べると、おそろしく洗練された書き方になっています。