広域指定爆笑団・全日本茨咲連合会

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千年の一滴 だし しょうゆ  [映画]

2015年02月24日 | 映画部
○某日

映画『千年の一滴 だし しょうゆ』@ポレポレ東中野 にて。

日仏合作のドキュメンタリー。傑作!

<第一章 だし:大自然のエッセンス>
京都の料亭の厨房にて、だしをとっている様子から映画は始まる。
そこで使われる昆布・しいたけ・鰹節の「生い立ち」を追っていく。

 夏の知床の海で「ひろい漁」を営む老婆、
 「生育2年目の昆布だけを丁寧に獲る」昆布漁師とそれを総出で支える家族。
 しいたけの原木の育成に欠かせない「焼畑」の様子。
 熟練の職人の手による「本枯節(鰹節)は叩くと音が違う」。。。。

大自然の雄々しさ、「匠」たちの熟練の技、そしてミクロの世界。
それを映し出す画も実に美しく、引き込まれるばかり。

仏教伝来により殺生が禁じられた影響で肉に代わる「うまみ」として発達した『だし』は、
長い年月を経て日本人に欠かせないものとなったのだ。



<第二章 しょうゆ:ミクロの世界との対話>
和食に欠かせない調味料(しょうゆ・さけ・みりん・みそ)を作り出す「種麹」は
「アスペルギルス・オリゼ」というカビの胞子でだそうで、この胞子は日本にしか存在しない。

このオリぜを専門に扱う「もやし屋」(種麹屋)が数百年前から存在し、
現在も10件ほどが存続し日本の和食調味料生産の根幹を担っている。
そこで営まれる種麹培養の方法は秘伝であり代々一子相伝である。

京都の醬油屋。
床一面に敷き詰めた大豆に「枯れ木に花を咲かせましょう~」と唱えながらオリぜを撒く。
すると数日後、実に綺麗な緑色のカビが大豆を覆い、一年をかけてじっくりと「醤油」となっていく。


なんという壮大な物語。
日本に生まれ、和食を嗜めることに改めて感謝したくなる作品。




~おまけ~
上映後、展示されていた『鰹節』を叩いてみる。

ホントだ!「カンカンッ」という甲高い音が実に心地よく響き渡る。
そして断面はまるでルビーのような輝き。。。(画像ではわかりづらいですが)


鰹節を削って「だし」をとってみようかな。
あ、ウチには削り器なかった・・・まずはそこからか(^_^;)