風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

花咲かゾンビ/染井吉野

2007-04-11 04:02:35 | コラムなこむら返し
Sakura_temple_2 ひとから見たらきっとボクもたくさんの奇妙なことをしているに違いないから(たとえば、ポエトリー・リィディングやうたのオープンマイクを主宰したり……、歌も歌わないのにマイクの前に立ったり……(笑))、他人(ひと)のことはとやかく言えないと思っているが、先日奇妙なことをしているひとを見かけた。
 そのひとは、道に吹き溜まっている散った桜のはなびらを集めていた。それも、どうやら表面の綺麗なものを集めているらしい。
 いや、もちろんボクは無知だから桜のはなびらでたとえば、色が出せたり、香りが料理に使えたりできるのかも知れないが、そのひとの集めるはなびらの用途は皆目見当がつかなかった。
 ボクが大好きな秋の香りである金木犀でポプリを作ろうとして、いまだ成功したためしがないように、桜のはなびらで、もしかしたら桜のポプリや驚くようなものが作れるのかも知れない。

 それとも、娘が思いついたように桜のはなびらで枯れ木に花を咲かすエキスが抽出できるのかも知れない。そのような「花咲か爺」のような花のエキスを作れるものなら、作って欲しいものだ。東京都知事を落選したドクター中松にもがんばってもらいたい分野である。

 そう言えば、物語の「花咲か爺」は、わが子同然に可愛がっていた犬の屍骸(が転生した樹木から作った臼)の灰を撒くと言うもので、もともとはその愛犬の遺骨の上に樹木を植えるという、どこか樹木葬のような説話の展開だったはずだ。だとすれば、この民間に伝わる昔話はみごとに死と再生そして転生の物語ではあるまいか?

 それに、ボクらが桜として代表的にイメージするソメイヨシノは江戸時代に豊島区の染井に住む植木職人がエドヒガンとオオシマザクラを交配させて人工的に作った桜の樹木だそうで、ソメイヨシノという種はクーロンのようにもともとは1本の樹木を挿し木して増やしていったものだそうだ。

 ソメイヨシノの美しさは、むしろその生命力の薄さにあるようで、梶井基次郎がその根の下には屍体が埋まっていると看破したのには理由がある。ソメイヨシノはその生命力の薄さゆえ、クーロン生殖の欠点をたくさんもっているらしい。単性生殖は遺伝的には弱々しい生き物だ。
 ソメイヨシノは若葉よりも先に花をつける。運良く結実しても、その実が発芽するにまでは至らないそうだ。ソメイヨシノはそれ自体ゾンビのような花なのだ。



花まつり・甘茶ツアー/御近所編

2007-04-10 01:56:42 | トリビアな日々
Fllowerfes_07_3 8日の「花まつり」、ペットボトルと空の水筒を用意して「甘茶ツアー」に出かけることにした。わが家から東西南北へおおよそ1キロ以内くらいの4つの寺へ甘茶の飲み比べをしようというのがツアーの主旨(笑)だ。

 最初に行った寺は、境内に築山してあって不動妙王の眷属の像が配置してある。こじんまりとしているが、なかなか素敵な寺である。若い住職も話し好きで親切であった。甘茶は直接、住職からふるまわれました。
 御堂はシンプルだったが、屋根が花で葺いてあり「花御堂」の風情で美しかった。
 で、甘茶を誕生仏におかけすると、どうも天を指差すその指に何か刺さっている!
 と見るや、それはお参りに来た方が、天を差すお釈迦様の指に穴の空いたコイン、つまり5円玉や、50円玉を差しているのだった!
 最初、誕生仏が手にチベット仏教の経典のようなものを持っているようにさえ見えてびっくりしていたのですが……。
 若い住職の話では甘茶は一切砂糖を使っていないと言うことだったが、どうしてどうして甘い。いや、最後に判明するが、一番すっきりとした飲み心地だったのだが、甘味が口に残る。しかし、その甘さは不思議な甘さだった。
 これこそ「アムリタ(甘露)」だったのか?

 ふたつめは、山門から入りしなの両側の桜が美しい寺。散りかかった桜が桜色の絨毯に参道の石を埋めていて情緒があった。
 この寺も古く、ボクが住む町の歴史的な板碑が保存されており、そこから300メートルくらいしか離れていない歴史館にそのレプリカが展示されてあるほど。にもかかわらず、肝心の本物は観覧料を取られるせいなのかほとんどひとが入っているのを見たことがない。
 朱の漆塗りの御堂の中で、やや小太りのお釈迦様が「天上天下唯我独尊」のポーズで立ってらっしゃいました。

 みっつめも、室町初期に建立されたと言う古刹です。東京都天然記念物指定のケヤキの巨樹があることでも知られています。高さ27メートル、根回り7メートル超といいますから、それこそ奥多摩の巨樹にも匹敵する立派なものです。この寺にはもう1本、樹齢600年と推定される高さ30メートルのカヤの古木もあってこの寺へ行くといつも身が引き締まります。
 こちらの誕生仏はどこかアジア的なものを感じました。なかなか素敵です。
 で、こちらの寺は「甘茶は入り口でどうぞ」と書かれてあってどうやら申し込み制(笑)のようです。それも、カップなどがある訳ではなく「なにか入れ物はありますか?」と問われる。そこは、心得たもので「はい!」と満面の笑みを浮かべて小型の水筒を差し出す(笑)。
 もう、飲み切れないくらい甘茶をいただきました。そんな、参拝客は珍しいのか、住職さんまで顔をだす。そこで「潅仏会おめでとうございます!」と、微笑みながら挨拶をするボクなのでした。

 というのも、ボクは小さい頃から「花まつり」が大好きで、長崎では寺町へ、東京に来てからは谷中に住んでいたものですから、よく日暮里駅近くの寺へ一升瓶をかかえて甘茶をいただきに行った思い出があるからです。
 甘茶は、お釈迦様が誕生なさって七歩歩いたのち「天上天下唯我独尊!」と口を開いた時、天から祝福の甘露(アムリタ)が降ってきたという仏典の転生譚に由来するものですが、それゆえにか寺からふるまわれるものであり、甘いものの簡単に手に入らなかったボクなどの世代には貴重なそして嬉々としてしまう「子どものおまつり」でありました。
 4月8日の意味も知らない今どきの子どもたち、そして若者ととは違い、甘いものに飢えていたボクらの世代には、貴重でありがたいお釈迦様の贈り物であったのです。

 ちなみに、最後の寺は曹洞宗、2番目の寺は臨済宗で、両方とも禅宗のお寺でありました。

 ああ、そうそうもうひとつ、4つめも行ったのです。しかし、そのボクの住む町で唯一と言っていい国宝の「千仏地蔵堂」のあるこの寺は、どういう訳か、「花まつり」の御堂はおろか、誕生仏も、ポスターもありませんでした。かわりに、ボクを迎えてくれたのは最近つくられたらしい石造の仏群で、ボクは寂しい思いをしたのでした。

 甘茶ツアーのランキングは、この訪れた寺の順番通りでした。なんとも不思議な甘さを残し、それでいてすっきりとした(ちょっとミントのような味)爽涼感のある一番目の甘茶が、ランキングの1位です。

 それにしても、このツアーの最中、幾度もボクは甘茶を甘酒、甘酒と言い間違え、よっぽど酒かすを使った甘酒が飲みたかったようです。とはいえ、あれも甘すぎるのですが……(笑)。

 しかし、ここまで書いてきてボクの何と言う独善的な評価ぶり! それは、そうなりますとも。ボクも7歩あるいてこう言うでしょう!

 「天上天下唯我独尊!」

 (写真3)東南アジア的なスタイルを感じた誕生仏。古刹にふさわしい可愛いお釈迦様でした。



花祭り・仏暦・選挙

2007-04-08 03:23:06 | トリビアな日々
Sakura_suwa_1 清明節のところに書いた文章にやまさんがコメントをつけてくれてそこで「そうかぁ!(?)」と思ったことがある。なぜ4月が新年度の最初の月となるのか? の根拠についての話である。

 その方面のことはとんと興味がないため、分からないが明治時代に新政府の下で公布された教育、行政、商法上に4月を年度のはじまりとするなんらかの法的な取り決めがあるのではないかしらん。その上で、4月というのは仏暦では正月である。東南アジアの小乗仏教の国々(タイ、ラオス、カンボジア、スリランカ、ミャンマーなど)では、仏暦は宗教行事や、まつり、時には国家行事ではまだまだ現役である。タイではソンクラーンという水掛けまつりがおこなわれる。これはきっと、日本で言うところの「若水」にあたるのだろう。

 そう、4月が新年度のはじまりになったそのわけは、今日4月8日が「花まつり」つまりお釈迦様の潅仏会(かんぶつえ=生誕祭)であることがおおきな起源なのではないだろうか?
(もっとも、これもややこしいのだが、旧暦の4月8日は今年の場合、新暦つまりグレゴリオ暦の5月24日にあたる。)

 そして、これは誰も言わないのだが、東京都知事選もその同じ8日が投票日である。なぜ、だれも「花まつり選挙」と言わないのだろう?
 それに、記録的な早咲きが予想された桜もどうにかもっている。それなのに、「花まつり選挙」とは誰も言わない。どうしてか? きっと、候補者に「ハナ」がないからだ。

 それでも、ボクは投票所に行くだろう。慎太郎に反対票を入れるために! 石原都政にノンと言うために!





清明(シーミー)の月

2007-04-06 11:32:53 | トリビアな日々
Seimei_moon_1 5日は24節気の「清明節」だった。中国の風習で先祖代々の墓を掃除し、また野山に出て春を満喫する。沖縄地方にこの風習は「シーミー」という名で伝来し、根付いている。墓へ家族で行って、墓の前でピクニック気分で飲食し、謡い踊る。

 さて、その清明節の夜の月は、おぼろでカサをかぶっていた。現代のバビロンにさしかかる月としては、お似合いの姿だったかもしれない。

 多くのところは、6日が始業式および入学式だろうか?
 東京ではかろうじて桜が持ちそうだ。青空の下で校庭に咲く桜をバックにあらたな旅立ちの記念写真は撮りたいだろう。それにしても、なぜ新しい年度が4月なのか、あたらしい旅立ちにすぐ散ってしまう桜がふさわしいと考えるようになったのかよく分からないことはたくさんある。



花冷えの日

2007-04-05 02:13:44 | コラムなこむら返し
Sakura_april_2 「花冷え」と言うのだろうか? 2日続いた雨で散りかかっていた桜もこの寒さで縮みあがっているのではないか?
 だが、それにしても突然カミナリまで鳴り出したのには驚いた。一瞬季節を錯覚しそうだった。
 すぐさま思ったのは、「あ、洗濯物が濡れる!」だった。陽が射してきたので洗濯物を干したまま出かけてきてしまったのだ。このような気の使い方、ボクには充分、主夫の才覚がありそうだ(笑)。

 寒くてまたストーブを焚いてしまう。清明の月(5日の月、今月は3日が満月だった)を夜桜の枝越しに見る。洗濯物を干してきたくらい昼間の桜は美しかったのに……。
 やはり、桜は青空が似合う。

(写真は4日昼。携帯のカメラで撮った近所の桜)



ファイナル・セッションにて(ZAIM204)

2007-04-04 03:01:23 | 曲水の宴/う・た・げ
Final_setion_1 横浜「ZAIM」は、1927年に建てられたこの歴史的建造物を横浜市がトリエンナーレ開催に協力したり、活動したアーティスト、団体、ボランティアグループなどに開放したものだが、今回行われた「ZAIM de FESTA」(3/23~4/1)は、そこに入居する29団体が、各部屋をオープンにして日頃の活動や、表現を市民に見てもらうという主旨で開催されたものだ。
 204号室に入居する「Liberty Comm」は今回、ぶっ続けの9日間のライブセッションを開催するというものだった。

 そのプログラムはこういうものだった。
 3月24日(土)KYOU@繭や
 3月25日(日)野村おさむ with 近藤秀秋、武田和大
 3月26日(月)ガンジーLiberty-Comm セッション
 3月27日(火)庄田次郎 ソロ&セッション
 3月28日(水)SKY MASTERS 日・タイ・フィリピン混成バンド
 3月28日(木)林 隆史 ライブ
 3月30日(金)黒田オサム師 1923時局大演説会
 3月31日(土)フーゲツのJUN ポエトリーセッション
 4月01日(日)Liberty-Comm ファイナルセッション

 で、昨日まで写真でレポートしたものは31日のボクのポエトリー・セッション「丘の上の四月馬鹿」というものだった訳です。
 ところで、帰れなかったボクはそのまま204号室に泊まり、隣の部屋の「プロジェクト・レインボー」などと交流しながら楽しい一夜を成瀬とともに過ごしたのですが(笑)、実はそのまま本当のエプリルフールである4月1日のファイナルセッションにも参加したのでした。
 で、この日はドラムの野村おさむさんが、ファミリーで参加、実はこのファイナルセッションの真の主人公は野村さんのところの二人のおチビさんだったように思います。
 いや、血は争えないというのかふたりともドラムセットのところに座りたがる、マイクは独占して喋りたがるだったのですが、なんというか、そのたくらまざる無心の一打が、スネアの音が決まるんだなぁ、これが。「無心の音」??これですね。天才じゃないかぃ?

 ガンジーさん、阪本さんに野村さんをバックにして3つばかりポエトリー・リィディングをしたのですが、何故か野村さんとこのおチビちゃんに異様に受けてしまい。拍手はもとより、親指をつきだして「サイコー!」ってやられました(笑)!

 無心の天才ドラマーにほめられてボクもうれしかったです。
 ちなみに3つほど読んで、一番興奮してくれたのは「ねずみ男(もん)」という新作&即興の作品でした。うん、一段と自信がつくモトをもらった気がします。子どもたちにわからない表現をしたって、仕方ないですものね。天賦の表現者は、天賦の評論家でもあるのかもしれません。

(写真2)この日はボクのものはありませんが、一番下のおチビちゃんのドラミングぶりのものをアップします。



ファイナル・セッションにて(ZAIM204)photo_1

2007-04-04 02:55:25 | 曲水の宴/う・た・げ
G_k_duo_1 (写真1)エプリルフールの1日に「ZAIM」別館1階で行われた「なか区民活動センター」のオープニングで演奏するガンジー&KYOUさんのユニット。このあと、ガンジーさんはマスコットキャラクターであるかもめの着ぐるみのマスコットとからんでました(笑)。このマスコット、どういう風の吹き回しか金ピカのサックスを首からぶらさげているのです。二日酔いのアタマに眩しかったです。
 あ! 貧しかったの間違いでした。



フールスZAIMに集う!(photo_11)

2007-04-03 01:33:50 | 曲水の宴/う・た・げ
Zaim_fools_10 (写真11)エキサイティングなセッションは夜更けるまで続くのですが、カメラのバッテリーが切れてしまったのです。
(ここまでのカメラ:13号倉庫さんでした。ありがとう!)
※またのんべさんのmixi内のアルバムにこの日ののんべさんが撮った写真がアップされています。ただ、のんべさんのマイミクでないと見れないようですが……。


フールスZAIMに集う!(photo_7)

2007-04-03 01:08:42 | 曲水の宴/う・た・げ
Zaim_fools_6 (写真7)のんべさんも来てくれて、自制した面白い即興のひとり芝居を披露してくれました。客席からもらった「9」「5」のふたつの数字から芝居をつくっていくというきわめてむずかしい設定だと思ったが、そこはのんべ。9×5=45の部屋のあるマンションのはなしにしちゃいました。面白かった。