風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

13金の恐怖!/国民投票法案は戦争をめざす!

2007-04-14 03:38:35 | コラムなこむら返し
 きっと50年後、いや、せいぜい20年後の現代史の教科書に掲載されるのだろう。2007年4月13日は、それこそ「13日の金曜日」で、この国が自国の軍隊を持ち、そのことを当然とし、そして防衛のみか他国の戦争にまで介入し、武力をもって世界とわたりあえることを宣言する憲法を持つことになったはじまりの日であると……。すなわち、平和憲法を他国に押し付けられた屈辱憲法として放棄し、時の首相は爺さんの亡霊を背負った人物で、爺さんの宿願を果たすためだけに国政を行い、みずからもそれを悲願としたシンゾー破りのシラケ世代の代表で、「強面(こわもて)の国」を「美しい国」と言い換えるなど、たくみに人心を誘導した。

 2007年4月13日の金曜日。この国は、沈没するよりももっと恐い、あらたな未来の戦争の道に確実な一歩を踏み出した。現在の平和憲法を改憲すべく、自民、公明の与党の賛成多数により衆議院本会議で「国民投票法案」が成立し、参議院に送られた。とはいえ、野党である民主党の抵抗もまったくの茶番だ。手続き論と修正協議による2/3合意にこだわるばかりで、まじかに迫った参院選で自分の党への有利な材料になるよう工作するばかりだ。

 自民・公明は、5月3日の憲法記念日前に、今国会での法案の成立をめざしているらしい。これは、5月3日の現平和憲法の記念日を「憲法改正記念日」にしたいという野望をよく現わしている。

 この「国民投票法案」というのは、憲法を改正するために現憲法96条に定められている条項において「国会の議員総数の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し、この承認に特別の国民投票もしくは選挙の際の投票において、過半数の賛成を必要とする」と書かれている手続きを具体的にしようという法案である。それが現在、参議院に回された「国民投票法案」である。
 18歳以上に投票権を与えるとか、この国民投票の対象は憲法改正のみにするとか、政府修正案は付けても何の意味もない付則に終始し、この法案のターゲットである「憲法を改正したい野望」については国会ではまったく論議されていない。
 有効投票率が明示されていないなどの政府修正案に対する問題提起も結構だが、そもそも憲法というものは理想主義的なものほど素晴らしいと思う。フランスにせよ、アメリカにせよその気高いほどの理想主義を掲げて新しい時代、そして新しい国家をつくったのではなかったろうか?

 憲法第九条にかかげられた理想は以下なるものだった。

1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 この平和憲法のもとにあっても、この国は子どもに笑われそうなへ理屈、トンデモ解釈をかさねて自衛隊をつくり、PKO活動という名の海外派兵をくり返してきた。
 だとすれば、この先、いったいどこへわたしたちを道連れにしようというのか?

 13日の金曜日は、まさしく恐怖のはじまりとして歴史に残り、くりかえし愚かな国に堕落するはじまりの日として長くひとびとの記憶に残り、巷間にのぼることでありましょう。