マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

サッド・ヴァケーション

2009-04-02 23:45:50 | 映画
DVDにて「サッド・ヴァケーション」を見る。
「ユリイカ」の青山真治監督作品。幼いときに自分をおいて出て行った母親に偶然再会し、復讐を企てる男の物語。

奇妙な味わいの独特な世界観で、観客を選ぶ映画だと思うけど、私はこの映画大好きだ。
家族と共同体の崩壊・再生について描かれた物語で、辛く切ない話なのに何故か見終わったあと不思議な幸福感に包まれる。
人のいい義父が経営する各々訳有りの人たちが集まる吹き溜まりのような運送会社。
親も兄弟も友人もなく、孤独で殺伐とした人生を生きる主人公ケンジの前に現れた、自分の母。
その母はケンジの心の闇も知らず、あっけらかんと再婚後に生んだ次男はあてにならないから、この家に入って運送屋を継いでほしいなどと言う。
子供の憎しみも悲しみも、すべて受け止めひたすらしたたかに現実を生きるこのケンジの母親を石田えりが好演している。ある種の女の本質というものがよく描かれてるなあと舌を巻く。
ケンジが中国人の子供と親友の妹を連れて運送屋で大勢で共同生活を始めると、一瞬そこはユートピアのようなコミューンになったかのように見えた。でもケンジの心は頑なで、ある事件が起こりコミューンで保たれていた秩序はたちまち崩壊してしまったかのように思えた。でもそのコミューンはまた復活しようと前に進み始めるのだ。母親のすべてを包み込む母性で。このあたりの展開が非凡で、普通事件が起きて水泡に帰す、で終わりだよなあ‥と思っていた私はとても心を奪われた。憎しみに捉われたり悲しみに浸っているヒマはない。とにかく生きている者は前を向いてしっかり生きよ、と背中を押されたような気がする。
北九州の無国籍かつどこか猥雑な雰囲気がこの映画によくマッチしていてとてもいい空気を作り出していると思う。
運送屋の従業員役のオダギリジョー、宮崎あおいがいい存在感を示している。青山監督のこの作品なら、と出演を快諾したそうだけど贅沢な使い方だと思う。
また、ユリイカに続きこの映画の中にもバスジャック事件のくだりが少しだけ出てくる。あの事件は何かクリエイターの人たちの心を揺さぶるものがあるのか、よくモチーフとして用いられることがあるような気がします‥。あれはインパクトの強い、嫌な事件でしたもんね。
青山監督というと私は、昔日テレで月曜10時に放送していた濱マイクを思い出します。毎回監督が違って、なかなか意欲的なドラマでした。特に青山さんが監督した回は難解でアートフィルムっぽくて、これがプライムタイムにやるドラマ?となかば呆れたのとその冒険心を頼もしく思ったものです。今じゃ日テレは火曜10時もドラマ枠を撤退、水曜・土曜の週2回のみになってしまいましたね‥。これも経費節減のせいかしら。

新年度

2009-04-02 00:24:15 | どうでもいい話
本日より新年度のスタートですね。私自身は大して関係ないけど。
いつもなら人事異動があり組織の新体制が発表になって、毎年ビックリ人事に大騒ぎするというパターンなのですが、今年は拍子抜けするほど予想どおりの小幅な変化で平和なものでした。一安心する反面、会社じたいに勢いというかパワーがなくなってきた気がします。

寒の戻りがダラダラと続いて、社内でも今頃風邪をひく人続出。今週から暖かくなる予報だったのになんだかヘンな天気だなあと思っていたら、大泉さんだったか。そうか週末からこっちにお帰りでしたか。なるほど納得。本当にこれほど雨男な人もいないと思われ。「世にも奇妙な~」とかでドラマにできそう。

今夜どうでしょうクラシックはヨーロッパ完全制覇第6話。車内での藤やんと大泉さんの延々と続くくだらない言い争いに大笑いする。前枠後枠で「マグロ!ご期待ください!」と叫んでます(笑)懐かしいね。
公式HPのほうは4月に入って装いも新たになりました。そして昨日かな、本日の日記にて不景気な現代においてのテレビ局のあり方についてまた一言言っております。相変わらず論点がブレず、いいことを言っております。市場原理が蔓延るようになってからみんな揃って「企業の利益追求」ということをお題目のように唱えていますが、果たして企業は利益を追求するべきものなのか?となかなか根源的なことを問いかけてくれていますねえ。よくいった藤村さん。さすが労組の人。先日の「テレビのこれから」での討論で、テレビマン魂に火が点いたのか最近熱いですね。いいと思います。

番組改編期でテレビはどの局も長時間のスペシャル番組ばかりやっていますが、どれもワンパターンで激しくツマラナイです。今日なんて「8時だよ全員集合!」の総集編みたいなことやってたもん。いくらなんでも平成の世に全員集合って古すぎる‥。他にやることないんだね。ネタ切れなのかしら。

最新号のTVBROSが面白い。
文系VS理系の特集で、理系男子の特徴とかやっている。うちの会社の男性は理系だらけなのでよくわかるこの生態(笑)そして日本の文系男子代表ということで村上春樹の特集をやっている。なんてタイムリーな。先日のエルサレム受賞時の「壁と卵」のスピーチに感激して、現在私村上春樹を再読中。昔読んでたときは、そんなに面白いとは思えなかったんですが大人になって読むとまた違う面白さを発見しております。ハルキ的比喩のススメ、ハルキならどうする?など爆笑記事が盛りたくさんです。