マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

私の好きな探偵

2017-12-18 17:31:51 | 大泉洋・CUE
試写会含めるともう4回見ました。どうですかこのオタぶり。「探偵はBARにいる3」です。
作品自体のレビューはすでに書きましたので割愛し、今日は私がどれだけこの作品を愛しているかという「探偵愛」について、誰も見てないと思いますが熱く独り言を言いたいと思います。

当初オフィスCUEのHPでこの作品の映画化と大泉さんが主演する、と知った時の私の困惑ぶり。最初は題名は知らずアクション&ハードボイルド作品と聞いて「はあ?」でさらにその後原作が「探偵はBARにいる」で舞台が札幌と知った時、さらに驚きました。「探偵はBARにいる」って、あの「探偵はBARにいる」??最初の思いはこうでした。札幌舞台は嬉しいけど…大丈夫かよ?と。

「このミステリーがすごい!」という宝島社から発刊されているランキング本がありますね。今は少しブームも落ち着きましたが、一時はミステリー関係の本の売れ行きを左右するほどの権威にまで上り詰め、ベストセラーをたくさん輩出し、このミステリーがすごい!大賞なる文学賞まで出来たり、その関連本も出回るほどの人気のランキング。まあ「このミス」についてはたくさん言いたいことあるのでまた別の機会にしますが、私は第一回目からこのミスを買って、推理小説を選ぶ時の参考にしていました。一時は洋の東西問わずベストテンに入る本は全部読んだり。
このランキング、審査員に一定数ハードボイルド小説のファンがいると思うんですよね。結構ハードボイルドのジャンルの本がランクインしますもん。で、この1回目か2回目のランキングに
「探偵はBARにいる」が入っていて、大昔買って読んでたんです。東直己さんのこのシリーズは正直謎解きとか驚きの結末とかを期待して読むとはぐらかされると思います。でもこの探偵シリーズの魅力はやはりススキノ歓楽街とそこに住む夜の街の人々の描写。そして今どき流行らない男の美学を貫く粋な探偵本人のキャラ。これに尽きるんですね。
原作ファンだからこそ、私は大変心配しました。洋ちゃん出来るんかいな…。真逆なキャラなんだけど、と。

実際、水曜どうでしょうのサイコロ3でこんなシーンが出てきます。移動中あまりの退屈さに大泉さんお得意のホラ話が始まるんですよね。どういう展開からかいつの間にか大泉さんは東映か日活の往年の大御所俳優さんかなんかの設定で、酒と女とケンカが出てくる映画に主演して~なんて話になるわけ。で、聞いてるミスターやディレクターは大爆笑するわけですよ。今はすっかりグルメな洋さんになってお酒を嗜むようになりましたが、昔はあんまり強くなかったはず。言わずもがな、この頃はおかしな天然パーマに磨きがかかっておりとても女性にモテるようなタイプでもありません。喧嘩なんて、多分したことないんじゃないかしら。大泉さん本人と、あまりに真逆なキャラの話をしているので大ウケするわけ。でもこの映画の話、十数年後に実現してしまうという不思議。どうでしょうの中ではその他にも様々な与太話が役者としてブレイクしてから具現化していたりして、色々予言めいているのが本当に面白いのですが、それも本題ではないのでまた今度…。
とにかく大泉ファンである自分が危惧するほど、その企画大丈夫?という違和感があったのです。

でも出来上がった最初の作品を見てビックリ。原作の世界観そのままに、大泉さんはハードボイルドなススキノ探偵を見事に演じていました。大ヒットもしましたし、1作ではもったいないと思っていたら続編が作られて、本当に嬉しかった。
実は続編の「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」はヒットしたものの、賛否ありました。
1が好評だったため少し悪ノリもあったのかコメディ色が強く、大人の原作ファンには探偵はこんな奴じゃないだろうと突っ込まれましたね。物語の本質と違うところで反原発の政治家や活動家が出てくるのも少しシラけました。正直、シリーズもここまでかと思ったものですが、少ししてから3の制作が発表になり安堵。しかしさっぱり続報がなく、頓挫したのかと思っていました。だから今回の作品の制作過程や撮影状況など情報が小出しで出てきたときは嬉しかったです。

原作の探偵シリーズの小説は10刊ほど出ていますが、正直すでに映画化された1と2以外の作品ははっきり言って映画化は難しい…。何故ならわざわざ映画にするようなダイナミックな展開がなかったり、題材が性的倒錯趣味や猟奇殺人やらヤバくてR指定不可避なものばかり。一番面白いと思っている「探偵は吹雪の中で」は真冬の稚内あたりの原野をロシアマフィアとスノーモービルでチェイスする非常に映画映えする感じの内容なのですが、いかんせん舞台がススキノではない…。道北の田舎町で、しかも良い風に描かれていない。地元ヤクザが利権を握っていて、補助金で成り立っているとりえのない町…だもん。どこもロケで貸してくれないし、ここまでリアリティを大切にしてきたシリーズなのに架空の町にするのもなんだかねえ。
なので3作目どうすんだろと若干不安だったのですが、さすが制作側の人たちはわかっていました。今回は完全オリジナルストーリーとなりました。それが正しい。
簡単に言うと、探偵と相棒高田君と美しいヒロイン、客引きのマギーと新聞記者と色っぽいウエイトレスと、桐原組のヤクザたちと、BARとススキノの街があれば話はなんでもいいという寅さんや釣りバカシリーズの域に達したということですね。試写会の時にプロデューサーの方が仰ってたのですが、この3の公開が遅れた要因として、一旦着手していたにもかかわらず、大泉さんが脚本にダメ出ししたため企画を一から練り直したとのこと。これは非常に嬉しいエピソードでした。大泉さんもこの作品が非常に自分にとっても大切な作品であり、今後も長くシリーズ化していきたいと思うからこそ、妥協なく面白いものを作りたいという姿勢が表れた上でのことだと思って。
大泉さんが脚本に噛んでいるからかなあ…3めっちゃ良いです。
渋さカッコ良さ、コメディの風味どれも絶妙。味がある。大泉さんは喜劇役者としてかなり高い評価を受けていると思うのですが、こういうカッコ良さで魅せることもできるという役者としての幅を証明できました。ファンである自分自身が大泉さんのカッコ良さを信じていなかったというか、このシリーズを映画化しよう、探偵役を大泉さんでいこうとキャスティングした東映、本当に凄いと思うわ。感服します。役者なのに、大泉さんのかつての代表作はずっと「水曜どうでしょう」だったと思う。でも今役者大泉さんの真の代表作はこの探偵シリーズだと胸を張って言えると思います。

最後に、個人的にススキノは思い入れ深い場所。田舎の高校を卒業して札幌に出てきた私にはススキノというところは本当にまばゆくも面白い街。若い頃飲食店でアルバイトもし、ラフィラの呉服店で働いたこともあり、よく飲んで食べて踊った街。大好きな所。ひとつの雑居ビルにイタリアンやスイーツのカフェと風俗の店がテナントで入っているような、猥雑でわちゃわちゃした感じが堪らなく好きです。
その青春時代を過ごした思い出の街を舞台に、好きな小説が映画化され、大好きな地元のスーパースターが主演して、全国で大ヒットしているって。私は夢でも見ているのかな?こんな幸せなことってないですね。あらためて映画に、大泉さんに、ありがとうと言いたいです。


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