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■ 小来川温泉 「福寿荘」 〔 Pick Up温泉 〕



小来川温泉 「福寿荘」
住 所 :栃木県日光市宮小来川961
電 話 :0288-63-3008
時 間 :11:30~19:00(要事前確認) / 不定休
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (栃木の温泉宿(求人ジャーナル社))

日光市の南側に広がる山あいは”前日光”と呼ばれ、さして有名な山も目ぼしい観光地もない地味なエリアです。
小来川(おころがわ)温泉はこのエリアにあり、どうにも行きにくいのと、あまり特徴のあるお湯でもなさそうなイメージがあったので未湯でしたが、今回、鹿沼まで来たので寄ってみました。

車通りもまばらな県道14鹿沼日光線から少し入ったところにある宿で、ロケーションは秘湯そのもの。
和風の落ち着いた佇まい。パンフには「素朴な郷土の味(ひえめし、とろろ汁・・・)」とある一方、中国料理チャイニーズフード「レイア」というのもあるらしくコンセプト不明(笑)


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 浴場入口

渡り廊下のおくにログハウス風別棟で男女別の浴室”森の湯”。
帳場と浴室にしっかりと分析書が掲示されているのは好感がもてます。
ここは、ガイドによって泉質がまちまちだったりしますが、分析書によるとふっ素含有の規定泉です。
(パンフには”ラジウム含有硫黄泉”とある)


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 女湯

窓の広い落ち着いた浴室に岩枠タイル貼4-5人の浴槽がひとつ。
窓の外は野趣あふれすぎ (^^; の庭園で、鄙びた感じがただよっていてこれはこれでいいです。
浴室に入ったとたんにやわらかな湯の香がただよい、鉄分で赤く色づいた岩と青いタイルのコントラストがいい味をだしています。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯の湯口

カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
連休14時で男女湯とも独占。


【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 析出

白い析出と赤茶に色づいた岩の湯口から熱湯を投入で少量のオーバーフロー。
側底面の排湯口は引いていないようだったので自然流下併用かも・・・。

ごくよわく白濁したお湯はやや熱めで、白と茶の浮遊物多数。
こまかな気泡も浮遊し、ごくわずかながらアワつき?(気のせいかも・・・)。
よわい渋味にやわらかな温泉臭。

湯ざわりはどちらかというとキシキシ系で、温泉らしいやわらかな浴感があります。
湯温のせいもあるかと思いますが、とてもあたたまり、浴後はお肌さらさらになって爽快。
お湯の鮮度感は高く湯口からの投入量もさほど多くないので、ひょっとして加温源泉のかけ流しかも・・・。


【写真 上(左)】 湯口&湯色
【写真 下(右)】 そば畑

泉質的にさほど期待せずにいきましたが思いのほか満足できました。
広そうな敷地とすぐそばにきれいな川も流れているので、ファミリーでものんびりと過ごせるお宿ではないでしょうか。

〔 源泉名:黒川源泉 〕
規定泉(フッ素)(Na-Cl・SO4型) 20.2℃、pH=8.9、湧出量不明、成分総計=279.1mg/kg
Na^+=70.8mg/kg、F^-=2.3、Cl^-=61.3、SO_4^2-=61.20、HCO_3^-=32.2、CO_3^2-=11.7、陽イオン計=83.5、陰イオン計=168.7 <S61.12.27分析>

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

■ブランドグルメ
〔 小来川のそば 〕
今市、鹿沼、日光あたりはそばの名産地で、なかでも前日光、小来川地区は味のよいそば粉の穫れるところとして知られています。
11月の収穫期には小来川収穫祭「新そばまつり」も開催されます。

〔 2011/08/07内容補強のうえUP (2004/11/20レポ (2004/10入湯)) 〕


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■ 前日光温泉 「川霧の湯」 〔 Pick Up温泉 〕



前日光温泉 「川霧の湯」
住 所 :栃木県塩谷郡塩谷町船生6978
電 話 :0287-47-1037
時 間 :10:00~21:00 / 原則無休
料 金 :700円(17:00~ 500円)
紹介ページ (塩谷町商工会)
紹介ページ (@nifty温泉)

旧今市市から塩谷町にかけていくつかある地味めのお湯のひとつ。
鬼怒川方面に向かうR121会津西街道と矢板へ向かうR461日光北街道を結ぶ県道77宇都宮船生線沿いにあります。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 入口サイン

県道沿いのPに車を停め、階段を下ってのアプローチ。
受付し、さらに階段を下り、スリッパに履き替えて到達する浴場は露天のみです。


【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 休憩所

手前に開放的な脱衣所。すぐ目の前は水量ゆたかな鬼怒川の流れで、川音が豪快に響きます。
この日は梅雨のさなかで、ほんとうに川霧が立っていました。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣所

浴槽は鉄平石造りで、川面より浴槽の方が高いので、鬼怒川の流れを見渡しながら入湯できる絶好のロケーションです。
右手6-7人の小浴槽が熱湯、左手12人以上の大浴槽が適温です。
なお、同浴した方のはなしだと、今日は熱めで、ふだんは右が適温、左がぬるめに調整されているとのこと。


【写真 上(左)】 川霧立つ鬼怒川
【写真 下(右)】 浴槽-1

右手浴槽の赤茶に変色した石の湯口からかなりの量の熱湯(たぶん源泉)を投入し、投入量は変動します。
左浴槽へは両槽を仕切る板のスリット越しに流し込み、切欠数ヶ所からの流し出し。
槽内注吸湯は確認できず、お湯の感じからしてもかけ流しかと。
浴槽のすぐよこに泉源があるらしく、加温せずに投入湯量だけで湯温を調整しているようです。


【写真 上(左)】 浴槽-2
【写真 下(右)】 湯口

カラン数確認し忘れ、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
カランはたぶん温泉だと思います。
土曜17時で4人~独占。


【写真 上(左)】 大浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽

ほぼ無色透明のお湯は、白とアオノリのような濃い緑の浮遊物が浮かび、湯中の指先が青白く発光しています。
鮮度感はとくに右浴槽湯口そばで高く、ここではこまかな気泡も舞っていますがアワつきはありませんでした。
よわいたまご味に芒硝味、湯口で甘イオウ臭、湯面では甘い石膏臭が香ります。
湯口は赤茶変していますが、金気はほとんど感じられませんでした。


【写真 上(左)】 大浴槽から小浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽から大浴槽

硫酸塩泉系のきしきしとアルカリ泉系のヌルすべが入りまじる湯ざわりで、鮮度感が高いので入っていてきもちがいいです。
よくあたたまり、浴後はややペトつき感がありました。


【写真 上(左)】 ダイナミックな流し出し
【写真 下(右)】 源泉

湯づかいよくワイルドなロケ炸裂、こんなのが奥多摩あたりにあったらゲキ混み必至ですが、ふつうに空いているのが温泉王国栃木のすごいところ。
東照温泉 「旅籠 福田屋」もそうですが、このエリアは地味ながらイオウのきいた佳湯が多いので、温泉好きは見逃せないところかと。

〔 源泉名:前日光温泉 川霧の湯 〕
(アルカリ性単純温泉(Na-(HSiO3)・(CO3)型) 45.3℃、pH=8.6、湧出量不明、成分総計=909mg/kg
Na^+=256.2mg/kg、Ca^2+=40.6、Fe^2+=0.8、F^-=8.6、Cl^-=232.2、SO_4^2-=288.1、HCO_3^-=23.7、CO_3^2-=7.8、陽イオン計=302.1、陰イオン計=560.9、メタけい酸=37.2、メタほう酸=9.1 <H7.3.15分析>

■ブランドグルメ
〔 塩谷町のトマト 〕
塩谷町のHPでは特産品としてトマトが紹介されています。
今後の産地化を目指して積極的に取り組んでいるのが水耕“トマト”栽培で、従来からの土耕栽培による“トマト”も味がありおいしいと評判だそうです。

〔 2011/06/27UP (2006/07入湯) 〕


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■ 塩原温泉(上塩原) 「河童」 〔 Pick Up温泉 〕



塩原温泉(上塩原) 「河童」
住 所 :栃木県那須塩原市大字上塩原238 (旧 那須郡塩原町)
電 話 :0287-32-2364
時 間 :要事前確認 / 不定休
料 金 :250円(原則、料理を注文しないと不可?)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE旅行)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)
紹介ページ (食べログ)

※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。


上塩原にあるすっぽん料理店の自家源泉のお湯。
ふつう、すっぱん料理を食べないと入浴できないとされていますが、「タイミングによっては食べなくてもOK」という情報を入手し、突入してみたらこの日はあっさり入れました。
ただ、原則は料理を食べないと不可なのかもしれず(たぶんそうだと思う)、TEL確認をおすすめします。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 お店の暖簾

かなり有名なお店で、「塩原 河童」で検索すると、グルメ系サイトが多くヒットします。
この日も店内はお客でにぎわっていました。
ちなみにメニューは4,200円のフルコースのみのようです。

R400から元湯に向かう道の右手にあるので、温泉好きはたぶん目にしているはずですが、このあたりまで来たら心はもはや名湯、元湯に飛んでいるので(笑)、その意味では穴場的立地。


【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 入口

店のよこに簡素な湯小屋で浴室は男女別(というか空いているほうに入る、この日は左)。
脱衣所はこぢんまり。高い天井で湯抜きも備えているのでこもりがなく快適な浴室。
カラン2(たぶん温泉)。お店はにぎわっていましたが、浴室は2つとも空いていました。


【写真 上(左)】 銘板
【写真 下(右)】 脱衣所

伊豆石敷っぽい2人ほどの浴槽に、褐色変して緑のコケにふちどられた岩の湯口から投入し、かなりの量を切欠から流し出すかけ流しかと思います。


【写真 上(左)】 右の浴槽
【写真 下(右)】 右の浴槽の湯口

適温~ややぬるのお湯は微濁して白い浮遊物とこまかな気泡をたたえ、指先の青白発光と、かすかにアワつきもあったかも・・・?
重曹味+弱塩味+芒硝味におだやかな湯の香。


【写真 上(左)】 ザンザコです
【写真 下(右)】 カランも温泉?

明瞭なツルすべとつよめのとろみときしきしが入り混じる複雑な湯ざわりで、適度な濃度感もあって入り応えがあります。
ツルすべは重曹成分、とろみはメタけい酸によるものかと思います。


【写真 上(左)】 左の浴槽
【写真 下(右)】 左の浴槽の湯口

イメージ的にはやわらかでやさしいお湯ながら、鮮度感が高いためかつよいあたたまりがあります。

とくに”これ”といった決め手がある訳ではないですが、ほどよくバランスのとれた佳湯で、中・上塩原方面では、「松の井荘」(未レポ)とならんでトップを争うお湯かと思います。


【写真 上(左)】 泉源施設?
【写真 下(右)】 すっぽんの養殖場?

流れ星さんの「湯めぐり日記」のレポ(2005/08/27)に、「(一郷一会・関東周辺100名湯に)選定したのはみしゅらん掲示板のこわもて論客(笑)ウツボさんだから、」とありますが、この時点ではわたしは未湯で、選定はわたしではありません。

流れ星さんのご意見どおり、わたしも塩原で元湯のつぎに位置するお湯だとは思いませんが(個人的には塩の湯畑下のほうが上だと思う。)、レベルが高いお湯であることはまちがいありません。
こういうスグレもののお湯があたりまえのようにある塩原温泉、やはり懐がふかいです。

〔 源泉名:畑カッパ・上塩9 〕
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 56.8℃、pH=7.3、341.5L/min(掘削自噴)、成分総計=1.782g/kg
Na^+=454.2mg/kg (90.39mval%)、Ca^2+=18.6、Fe^2+=0.3、Cl^-=394.0 (50.45)、チオ硫酸イオン=0.2、SO_4^2-=69.9 (6.61)、HCO_3^-=573.8 (42.79)、陽イオン計=501.9 (21.74mval)、陰イオン計=1038.8 (22.03mval)、メタけい酸=153.7、メタほう酸=40.4、遊離炭酸=46.8 <H2.12.18分析>

一郷一会100名湯(元100湯)

■ブランドグルメ
〔 塩原「河童」のすっぽん料理 〕
上塩原の温泉を利用して養殖されるすっぽんを賞味できるお店。
自家養殖のすっぽんを注文を受けてから選別して調理に入るというこだわり。
わたしは食べたことありませんが、当然、味はよいのでは。

〔 2011/06/06UP (2008/11入湯)) 〕


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【 BGM 】
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■ 那須湯本温泉 「雲海閣」 〔 Pick Up温泉 〕



那須湯本温泉 「雲海閣」
住 所 :栃木県那須郡那須町湯本33
電 話 :0287-76-2016
時 間 :8:00~21:00 / 原則無休
料 金 :400円/1h
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (栃木の温泉宿(求人ジャーナル社))
紹介ページ (JTB)

「鹿の湯」を卒業?した温泉好きが集う素泊まり宿で、日帰り入浴も受け付けています。
ひじょ~に渋い外観&館内で、温泉好きの琴線にふれるものがあります。
湯本の本通りに面していますが、入口は1本裏手で知らなければ到達できない立地。


【写真 上(左)】 扁額
【写真 下(右)】 下が”硫黄泉”、右が”明礬泉”

帳場で料金を払い、階段を数段下りたところに”明礬泉”の浴室。これは奧の沢噴気泉利用。
さらにトンネル状の暗い廊下&長くて急な階段を下るとメインの浴室(”硫黄泉”)があって、ここは鹿の湯・行人の湯混合泉利用。


【写真 上(左)】 トンネル
【写真 下(右)】 急な階段

メイン浴室は趣きある4-5人の木造浴槽がふたつならんでいて、右が39~40℃ほど、左が45℃ほどもある熱湯。
アプローチとはうってかわって二面採光のあかるい浴室です。


【写真 上(左)】 右の浴槽
【写真 下(右)】 左の浴槽

源泉が引き込まれた石の湯口から木樋で湯量を調整しながらの絞り投入。
けっこう客がいたので槽内排湯は未確認ですが、オーバーフローもあってかけ流しだと思います。
ただ、人の出入りがはげしく、オーバーフローの量はさほどでもなかったので、槽内からパスカル方式の排湯はあるかもしれません。

お湯は若干の青味を帯びた乳白色にごり湯で、左が透明度30cmほど、右はにごりがつよく10cmくらいか・・・。ともにクリーム色の湯の花を浮かべています。
酸性泉のレモン味+苦味にラムネ系しぶ焦げイオウ臭と酸性泉特有のぬるぬるとした湯ざわり&とろみ。
「鹿の湯」より鮮度感はありますが、こころなしか「鹿の湯」より角がとれておだやかな浴感かな?
客がいるといっても、みな湯治モードでしずかに入っているので、「鹿の湯」のようなわさわさ感はありません。


【写真 上(左)】 `明礬泉`男湯
【写真 下(右)】 `明礬泉`女湯

”明礬泉”は、タイル浴槽で男湯は3-4人、女湯は2-3人。
お湯が溜まっていなかったので湯口から流れていた源泉の味見のみ。
こげ明礬臭に金気臭をまじえ、渋い収斂味+微妙な甘味+酸性泉系レモン味+微金気味の複雑な味。
このあと、同じ奧の沢噴気泉利用の「泊まれるレストラン 寄り道」(未レポ)に入りましたが、味臭はほとんど同じイメージでした。


【写真 上(左)】 `明礬泉`の湯口
【写真 下(右)】 真っ黒に硫化したカラン

”奧の沢噴気泉”は造成泉か、はたまた噴気が自然に表層水にとけこんだものかは不明ですが、なんとなく、箱根の新姥子温泉(仙石高原開発(株)による掘削泉)に似たものを感じました。

確認した範囲では、那須で”奧の沢噴気泉”と”鹿の湯・行人の湯混合泉”に入れるお宿はここ以外見当たらず。
「鹿の湯」の混雑を避けるという意味では他にも日帰り可の湯宿はいくつかありますが、”奧の沢噴気泉”と入りくらべできるのは貴重。
温泉好きにはおすすめのお湯だと思います。

〔 源泉名:鹿の湯・行人の湯 混合源泉 〕
酸性・含硫黄-Ca-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 68.4℃、pH=2.5、湧出量不明、成分総計=1.040g/kg
H^+=3.2mg/kg、Na^+=39.2、Ca^2+=70.1、Fe^2+=1.4、Cl^-=79.9、HSO_4^-=42.4、SO_4^2-=398.2、陽イオン計=149.9、陰イオン計=521.3、メタけい酸=338.3、硫化水素=28.8 <H11.3.15分析>

〔 源泉名:奥の沢噴気泉No.1~5混合泉 〕
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Ca-SO4型) 65.4℃、pH=4.1、湧出量不明、成分総計=738mg/kg
H^+=0.1mg/kg、Na^+=9.0、Ca^2+=50.7、Fe^2+=0.7、Cl^-=2.0、HS^-=0.0、SO_4^2-=179.2、陽イオン計=71.7、陰イオン計=181.8、メタけい酸=64.3、遊離炭酸=392.4、硫化水素=26.2 <H8.12.24分析>

■ブランドグルメ
〔 扇屋総本店の銘菓 〕
明治初期創業、”那須御用邸御用命舗”の扇屋総本店。
”御用菓子”の献上饅頭が有名ですが、ラインナップは多彩で、「皇の杜(すめらぎのもり)」、「雅の菊(みやびのきく)」など、名前からして格調高い銘菓を購入できます。

〔 2011/05/31UP (2006/05入湯) 〕


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■ 三依温泉(太郎温泉) 「山宿 観峰」 〔 Pick Up温泉 〕



三依温泉(太郎温泉) 「山宿 観峰」
住 所 :栃木県日光市藤原町中三依1106 (旧 塩谷郡藤原町)
電 話 :0288-79-0380
時 間 :時間要確認
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty旅行)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)

川治温泉のおく、五十里ダムから北側に伸びる五十里ダム湖。
左岸を走る会津西街道(R121)をさらに北にたどると、三依エリアに入ります。
三依(みより)村は、1955年5月に藤原町となり、2006年3月には日光市の一部となっています。
男鹿川沿いにいくつかの集落が点在し、最上流の横川にある山王トンネルを抜けると、南会津(田島)です。
鬼怒川・川治と会津のあいだにあるので見落とされがちですが、ここにはいくつかの自家源泉のお湯があって、ここもそのひとつ。


【写真 上(左)】 国道の看板
【写真 下(右)】 日帰り入浴の看板

野岩鉄道(会津鬼怒川線)「中三依温泉駅」から北西側の入山沢沿いの道に入って1km強、人家もまれな山の中に1軒宿の佇まい。
知らなければほとんど到達できないロケですが、R121沿いに日帰り温泉の看板がでているので温泉好きは突入するかも・・・。
Pを挟んで入山沢の渓流、敷地内にテニスコートやバーベキュー場などがあって、林間学校やスポーツ合宿などに向いているのでは?


【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 館内

外観はペンション+民宿風ですが、館内は思いのほか綺麗。
感じのいい管理人さんは、入浴を乞うとちょっと困り顔。「さっきまでキノコ採りの団体さんが入浴されていたので、お湯が汚れている。それでもよければ・・・」との由。
むろん、承知のうえで入りました。


【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 脱衣所

フロントの右手を進んでロビーを抜けたおく、右が男湯(太郎の湯)、左が女湯(花子の湯)。
脱衣所、浴室ともにコンパクトですが、独占だったので全然問題なし。
ただし、満室時などやや混むかも・・・。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 外は林

扉を開けると浴室。
目の前にゆるやかな林の斜面がひろがる雰囲気のあるもの。
葉の落ち切った木立。初冬のやわらかな日差しが差し込む明るい浴室。
鉄平石枠水色角タイル貼3-4人の浴槽ひとつとシンプル。女湯は木枠タイル貼です。


【写真 上(左)】 女湯
【写真 下(右)】 女湯の湯口

カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜12時で独占。

赤茶に色づいた自然木の湯口からの投入で、これはお湯の感じからして加温源泉かも・・・。
ほかに冷温の混合カランがあって、当然チェックしたハズですが、なぜかメモに残っていないので詳細不明。(源泉の可能性大)
側面の排湯口からごくよわい吸湯か自然排湯でかなりの量のオーバーフローもあります。


【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 カラン

ややぬるめのお湯はわずかに懸濁し白~灰色の浮遊物。
湯中の指先が青白く発光しています。

よわい鉄味+弱酸性泉的な収斂味にかなりつよめの石膏臭が香ります。
きしきしとした湯ざわりで、肌に染み入るような弱酸性泉系の浴感。
泉質名はアル単。分析書スペックはpH=8.5で、CO_3^2-(炭酸イオン)も8.13mval%でているので、アルカリ泉なのですが、どうしても弱酸性泉系の浴感に思えました。

カルキ気もなく、湯づかいは悪くありません。
相当に個性のあるしみじみといいお湯で、やはり単純温泉は入ってみないとわかりません。
街道から入っているのでついつい落ちしがちになるお湯ですが、温泉好きなら寄ってみる価値はあるかもしれません。

〔 源泉名:三依温泉(太郎温泉) 〕
アルカリ性単純温泉(Ca・Na-SO4型) 30.0℃、pH=8.5、77.1L/min掘削揚湯、成分総計=0.387g/kg
Na^+=40.9mg/kg (33.74mval%)、Ca^2+=68.6 (64.98)、Fe^2+=0.1、F^-=2.6、Cl^-=2.9 (1.49)、HS^-=0.4、SO_4^2-=227.5 (86.10)、HCO_3^-=5.0、CO_3^2-=13.4 (8.13)、陽イオン計=110.9 (5.27mval)、陰イオン計=251.9 (5.50mval) <H13.9.5分析>

■ブランドグルメ
〔 そばサンショケーキ 〕
「限界集落」(過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落)といわれている三依地区が活性化の突破口として開発したご当地グルメアイテム。
三依は蕎麦の美味しさで知られるところ、そして山椒も名産なのでしょう。
「地域のお祭りなどで試食していただき大変好評を得ました。」というこのアイテム、製造量も買える店も不明なだけにレア度は抜群です。
(栃木県資料などを参考。)

〔 2011/05/05UP (2008/11入湯) 〕


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■ 塩原元湯温泉 「ゑびすや」



塩原元湯温泉 「ゑびすや」
住 所 :栃木県那須塩原市湯本塩原153 (旧 那須郡塩原町)
電 話 :0287-32-3221
時 間 :11:00~17:00(要事前確認) / 原則無休
料 金 :500円
オフィシャルWeb
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (栃木の温泉宿(求人ジャーナル社))

※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。


俗に「塩原11湯」といわれるのは、大網、福渡、塩釜、畑下、塩の湯、門前、古町、中塩原、上塩原、新湯、元湯。
なかでも奥にある新湯と元湯は硫黄泉にごり湯で高い人気を誇ります。

”元湯”の名が示すとおり、ここは塩原温泉発祥の湯。
承和元年(834年)、弘法大師の開湯伝承もつたわる古湯で、江戸初期には「元湯千軒」といわれるほどの賑わいをみせたと伝わりますが、万治二年(1659年)の大地震と山崩れで大部分が壊滅し、いまは「元泉館」「ゑびすや」「大出館」3軒の湯場になっています。

元湯の歴史と格式を裏づけるように、毎年9月に催される「塩原温泉古式湯まつり」では「ゑびすや」の”梶原の湯”が奉納されます。


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 帳場

ここは日帰り受け入れもしていますが、この名湯をじっくり味わいたかったので宿泊してみました。
「ゑびすや」は3軒のうち、もっともこぢんまりとして湯治宿の味わいゆたか。


【写真 上(左)】 客室
【写真 下(右)】 部屋からの眺め

自炊部屋もありますが、このときはこたつのある2階角の賄い客室(食事付の客室)に泊まりました。


【写真 上(左)】 夕食
【写真 下(右)】 浴場への階段

浴室は階下にあり、入口に”梶原の湯”の飲泉所もつくられています。
ここは、”梶原の湯”と”弘法の湯”(えびすや新掘)の2本の自家源泉をつかっています。

浴室はふたつで、混浴浴室には”梶原の湯”と”弘法の湯”のふたつの浴槽、女湯には”弘法の湯”の浴槽があります。
両浴室は扉越しに行き来できるので、女性も”梶原の湯”に浸かることができます。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 飲泉所

はやくも脱衣所から山のイオウ泉特有の涼やかなラムネ臭がただよっていて嬉しくなります。
こぢんまりとした浴室は暗めでこもり気味。
窓(開口)が小さいこともありますが、間欠泉の”弘法の湯”の湯口が数分おきに大量の熱湯を注ぎ込むので、湯気が落ちつく間がないからかと・・・。
ミスト状にただよう湯気、浴室内の壁などに成分がうすく堆積していて、浴室にいるだけで効能がありそう。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 混浴浴室

浴槽まわり、とくに”弘法の湯”のまわりは盛大な石灰華でふちどられています。
場内上部に神棚が祀られているのはさすがに”元湯”。


【写真 上(左)】 石灰華&湯色
【写真 下(右)】 堆積する成分

右手窓側に”弘法の湯”(木枠石敷5-6人)、正面おくに”梶原の湯”(木枠石側面&底)の湯船がとなり合っていて、どちらもたっぷりふかめで入りごこち抜群。
なお、女湯の”弘法の湯”は6人ほどの木枠の湯船で、かなりの熱湯とのことでした。


【写真 上(左)】 絶妙な浴槽配置
【写真 下(右)】 右が弘法の湯、左が梶原の湯

カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
泊まったときは宿泊客がすくなくほとんど独占状態でした。


【写真 上(左)】 弘法の湯の銘板
【写真 下(右)】 弘法の湯

〔 弘法の湯 〕
湯だめ槽から突き出た木樋の湯口から投入。間欠泉で2分おきにでるときもあれば、5分以上でないときもあります。
さいしょチョロチョロとではじめ、つぎにドバッと(50L/min以上)ほども吐湯し、しだいに量を減じていきます。
湯船端の切欠から大量流し出し。


【写真 上(左)】 弘法の湯の湯口-1
【写真 下(右)】 弘法の湯の湯口-2

熱め(42~43℃ほど)のお湯は、透明度20cmくらいの緑白色にごり湯で、湯の花はさほどでていません。
スペック的に感じるはずの塩味やたまご味はなぜかほとんど感じず、苦味と重曹味をクリアに感じます。


【写真 上(左)】 弘法の湯の泉源?
【写真 下(右)】 源泉は透明です

ラムネ臭+朽ちた落ち葉の臭い(これ塩原元湯の特徴)+ごくよわい炭酸臭。
ツルすべときしきしとイオウ系のスルスルが入りまじる湯ざわり。


【写真 上(左)】 梶原の湯の銘板
【写真 下(右)】 梶原の湯

〔 梶原の湯 〕
クリーム色の析出に覆われた木樋の湯口から20L/minほど投入し、スリットから内床への排湯。
こちらは常時投入で間欠泉ではありません。


【写真 上(左)】 梶原の湯の湯口
【写真 下(右)】 梶原の湯側から

ぬるめ(37~38℃ほど)のお湯は、透明度40cmくらいの灰青緑うすにごり湯で、白い湯の花がただよっています。
甘酸味+つよめの苦味+微塩味+明瞭な炭酸味。
ラムネ臭+朽ちた落ち葉の臭い+明瞭な炭酸臭で、不思議とイオウ臭はつよくありません。
こちらもツルすべときしきしとイオウ系のスルスルが入りまじる絶妙な湯ざわり。


【写真 上(左)】 女湯
【写真 下(右)】 女湯の湯口

ともに成分3kgオーバーとは思えない軽い浴感のお湯で長湯できそうに思えますが、本質的につよいお湯なので長湯不可。
かといってほてるかというとそんなことはなく、重曹泉系の爽快感が勝っています。


【写真 上(左)】 女湯の湯色&析出(弘法の湯)
【写真 下(右)】 千枚田系石灰華(弘法の湯)

”弘法の湯”と”梶原の湯”のお湯は基本的には同系ですが、微妙にお湯のキャラがちがいます。
”梶原の湯”は3.5g/kg超の濃度とは思えない軽やかなお湯で、湯口ではしっかりと炭酸がきいていて、”ラムネの湯”の面目躍如。
”弘法の湯”は、”梶原の湯”より重曹がつよいイメージで析出も多くでています。
この2槽の浴感と湯温のコントラストが絶妙なのでひたすら交互浴に浸っていました。

”梶原の湯”は奥蓼科「渋御殿湯」の長寿湯をあたためるとこんな感じかな~?といったイメージ。
”弘法の湯”は、なんとなく「元泉館」の”邯鄲の湯”に近いものを感じました。

全体にスペックほどイオウ気が感じられないのですが、この日入った「かんぽの宿」(鹿股2号泉=金気がつよい)でつかった手ぬぐいが黒くなったので、やはりかなりの濃度のイオウ成分を含んでいると思います。
また、窓を開け放す旨の注意書きがありますが、これは硫化水素中毒防止のためかと。


【写真 上(左)】 注意書き
【写真 下(右)】 完璧な掲示類

1.pHが高め、2.重曹成分が多い、3.成分が濃い
というのが元湯のお湯の特徴で、pHが高いので湯ざわりやわらか、重曹が強いのでさらりとした浴感が出ています。
中性の硫化水素泉というのはあまりありませんが、やわらかに染み渡るような浴感があってわたしは好きです。
さらに炭酸分もしっかり効いていて、よくある白濁硫黄(硫化水素)泉より、よほど複雑なお湯になっていると思います。


【写真 上(左)】 源泉から製薬していた頃の許可証
【写真 下(右)】 飲泉用コップ

深夜ひとり、”梶原の湯”に浸かっていると、となりの”弘法の湯”の湯口からごぼこぼと音をたてて熱湯の間欠泉が吹き出してきます。
温泉好きでよかったと思う至福のひとときです。

〔 源泉名:梶原の湯 〕
含硫黄-Na・Ca-炭酸水素塩・塩化物温泉(硫化水素型) 39.7℃、pH=6.5、13.6L/min(動力揚湯)、成分総計=3.668g/kg
Na^+=649.6mg/kg (71.58mval%)、Ca^2+=177.5 (22.44)、Mg^2+=14.1、Fe^2+=0.1、Cl^-=695.1 (48.80)、HS^-=7.8、SO_4^2-=31.1、HCO_3^-=1198.4 (48.89)、陽イオン計=887.4 (39.48mval)、陰イオン計=1934.8 (40.18mval)、メタけい酸=112.9、メタほう酸=69.3、遊離炭酸=635.7、硫化水素=27.9 <H14.3.1分析>

〔 源泉名:弘法の湯 (えびすや新堀) 〕
含硫黄-Na-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 52.1℃、pH=6.7、20.8L/min(掘削間けつ)、成分総計=4.421g/kg
Na^+=918.8mg/kg (77.01mval%)、Ca^2+=146.7 (14.11)、Mg^2+=35.7、Fe^2+=0.1、Cl^-=965.3 (51.72)、HS^-=17.8、SO_4^2-=19.9、HCO_3^-=1489.9 (46.38)、陽イオン計=1165.6 (51.89mval)、陰イオン計=2495.7 (52.65mval)、メタけい酸=129.3、メタほう酸=91.3、遊離炭酸=498.7、硫化水素=40.3 <H14.3.1分析>

<温泉利用掲示>(梶原の湯)
加水:なし 加温:なし 循環利用:なし 消毒処理:なし

<温泉利用掲示>(弘法の湯)
加水:あり 加温:なし 循環利用:なし 消毒処理:なし

〔 HP掲載より 〕
現在、当館内に有る「梶原の湯」は、文治2年(1186年)梶原景時、影季が平家に見方した(那須の余一の兄達)を打たんとして、傷を負い、負傷治療の為入浴したと伝えられております。

梶原の湯は、通称「ラムネの湯」(炭酸泉)と呼ばれ、特に胃腸病に効く名湯として大正時代は、この湯をかまで煮詰めた胃腸薬「長命丸」もつくられていました。

一郷一会100名湯

■ブランドグルメ
〔 塩原元湯の温泉おかゆ 〕
塩原元湯の宿に泊まると、温泉をつかって炊き上げる「温泉おかゆ」が朝食に出されます。
塩原元湯特有の苦味がほのかにきいて、食欲をそそる名物です。

〔 2011/02/23UP (2007/03入湯) 〕


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■ 日光湯元温泉 「日光山輪王寺別院 日光山 湯元・温泉寺」 〔 Pick Up温泉 〕



日光湯元温泉 「日光山輪王寺別院 日光山 湯元・温泉寺」
住 所 :栃木県日光市湯元
電 話 :0288-55-0013
時 間 :9:00~16:00 / 12月~4月中旬休止
料 金 :500円(志納金)/1h
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (日光観光協会)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)
紹介ページ (栃木の温泉宿(求人ジャーナル社))
紹介ページ (温泉みしゅらん)
紹介ページ (栃ナビ!)

昭和29年(1954年)、酸ヶ湯、四万とともに国民保養温泉地の第一号指定を受けた日光湯元温泉。
延暦七年(788年)、四本龍寺(現輪王寺)を建立(日光開山)され、のちの日光繁栄の礎を築かれた勝道上人によって開湯されたというふるい歴史をもつ名湯です。
湯元温泉のもっとも奥まったところ、泉源地の湯ノ平湿原にちかい温泉寺は、湯元屈指の名跡ながら庫裡内の浴場で広く日帰り入浴を受け入れていることでも知られています。

勝道上人により『薬師湯』(瑠璃湯)と命名され、薬師瑠璃光如来が祀られたのがはじまりで、江戸時代には輪王寺宮の直轄寺院となり、当時は霊場管理者の中禅寺上人と日光奉行の許可を受けなければ入湯が許されなかったという格式高い寺湯です。
(以上、輪王寺HPを参考)


【写真 上(左)】 湯ノ平湿原
【写真 下(右)】 湯ノ平湿原から温泉寺

現地の由来書によると、温泉寺本尊の薬師堂は、もとは裏山の温泉ケ岳頂上にありましたが、昭和41年(1966年)9月の台風によって堂宇が倒壊、不思議にも無傷で残った御本尊をお迎えし、昭和48年(1973年)に輪王寺によって建立されてほぼ現在の形になりました。
世界遺産「日光山 輪王寺」別院の格式を誇る天台宗の名刹です。


【写真 上(左)】 参道
【写真 下(右)】 鐘楼と右手おくが本堂、左が庫裡

境内にPはなく、ビジターセンター周辺の無料Pに停めて散策がてら歩いていくことになります。
高原の涼気のなか端正な堂宇がたたずんでいる様は、なんともいえず趣があります。


【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 本堂の花頭窓

寺湯というと、いかめしいイメージがありますが、玄関脇のベルを押すとでてこられたおばさまの応対はとても親切なものでした。(入湯希望者はベルを押すこと。無断壇上禁止。)


【写真 上(左)】 玄関脇のベル
【写真 下(右)】 館内

湯船が狭いので順番に案内(貸切ではない)されますが、このときは空いていてすぐに入浴できました。
玄関左手には休憩所があり、お茶とお菓子をいただくことができますが、入浴&休憩で1時間以内の制限があります。
館内にはお寺らしい森閑とした空気がながれています。
帰るころには休憩室にグループ客が入っていましたが、みな場の空気に飲まれたのか神妙で閑かでした(^^)


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 名湯『薬師湯』

廊下の左手にふたつの浴室、この日は手前が女湯、おくが男湯。
浴室入口には「薬師湯」という扁額がかかっています。
なお、廊下をそのまま進むと本堂ですが、一般人は進入禁止です。


【写真 上(左)】 硫化したカラン
【写真 下(右)】 木造りの浴舎

脱衣所洗面台のカランが真っ黒に硫化しているのは、さすがに硫黄泉の本丸。
連休13時ではじめ独占でしたが、あとから2人きて3人に。このくらいがMaxかな?


【写真 上(左)】 渋い格子天井
【写真 下(右)】 湯船

木造り格子天井の雰囲気というか、格調ある浴室で木枠石敷3人ほどのたっぷりふかめで入りごこちのいい湯船が据えられています。
カラン2、アメニティ類一切なし。


【写真 上(左)】 湯口(全量投入)
【写真 下(右)】 湯口(絞り投入)

湯船のうえから突き出た金属パイプからかなりの熱湯を投入ですが、全量投入すると熱すぎるので、一部を樋で湯船の外に逃がしています。
オーバーフローはなく、槽内のどこからか排湯していると思います。
投入湯は泉源直引きと思われ、鮮度感は申し分ありません。
ただ、別に水カランもあるので水で埋められるおそれもあります。
行ったときはかなりの熱湯で、スペック相応の濃度感もあったので希釈はなかったと思います。


【写真 上(左)】 槽外に逃がされる源泉
【写真 下(右)】 古い分析書

お湯は透明度30cmほどの青味をおびた乳白色にごり湯で、白クリームの湯の花が盛大に舞っています。
ゲキ熱すぎて味不明(^^;)、日光湯元特有の強いラムネ臭が香り立ちます。
きしきしとツルすべとイオウ泉のするするに、しっかりとしたとろみが加わる絶妙な湯ざわり。
熱湯ということもありますが、お湯じたいに力感があってあたたまりがつよいので、ときおり水を浴びながらの入湯となりました。


【写真 上(左)】 右手が庫裡、正面おくが7号泉源?
【写真 下(右)】 7号泉源?

さすがに由緒正しき湯元温泉寺の寺湯。
からだに染み入るような含蓄あるお湯は、名湯の宝庫、日光湯元でも最上のものでしょう。
入浴可のときは玄関前に看板がでているので、これをみたら「迷わず入り」かと・・・。

〔 源泉名:奥日光開発(株)7号源泉 〕
含硫黄-Ca・Na-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 71.4℃、pH=6.5、湧出量不明、成分総計=1.240g/kg
Na^+=135.4mg/kg、Ca^2+=126.4、Cl^-=50.0、HS^-=10.8、SO_4^2-=338.6、HCO_3^-=267.0、チオ硫酸イオン=0.6、陽イオン計=279.9、陰イオン計=667.9、メタけい酸=90.2、メタほう酸=21.1、遊離炭酸=141.6、硫化水素=38.5 <H20.5.26分析>
※ 総硫黄=49.9mg/kgもあるのにpHは6.5と高めなのが日光湯元温泉の”ミソ”です。
※ 奥日光開発(株)7号源泉の単独利用はめずらしいもの。
庫裡の裏手の泉源らしきものが7号泉源だとすると、多くの泉源が集中する湯ノ平湿原からすこし離れたところに位置することになります。

<温泉利用掲示>
加水:あり 加温:なし 循環利用:なし 消毒処理:なし

〔 脱衣所掲示 〕
「差し水(加水)の理由」
源泉温度(62℃~74℃)が高いので外気温差により差し水をすることがあります。

〔 現地掲示 / 温泉寺本尊薬師如来 〕
湯元温泉は延暦七年(七八八)に勝道上人がこの地に湧出している温泉を発見し『薬師湯』と名づけたことに始まる。
更に慈覚大師によって、功徳力のある療養延年の名湯として世に広められ、江戸時代には入湯者に対する掟も定められ、輪王寺の支配下に置かれていた。
現在の温泉寺は、昭和四十一年の台風によって倒壊した堂宇を、昭和四十八年に復興した建物で、霊験あらたかな薬師如来を本尊としてお祀りし、庫裡には因縁深い名湯『薬師湯』も引かれ『温泉のあるお寺』として、あまねく天下に知られている。
温泉寺執行

〔 2011/02/12内容補強のうえUP (2008/09入湯) 〕


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■ 鬼怒川温泉 「元湯 星のや」 〔 Pick Up温泉 〕



鬼怒川温泉 「元湯 星のや」
※ 2010年後半に廃業、下記は営業時のデータ
住 所 :栃木県日光市藤原2 (旧 塩谷郡藤原町)
電 話 :0288-77-1013
時 間 :10:00~15:00(要事前確認) / 不定休
料 金 :800円(レポ入湯時は500円)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (栃木の温泉宿(求人ジャーナル社))

なんと、鬼怒川の名湯「星のや」が廃業してしまいました。
Web上で複数の廃業情報が流れていて、HPにアクセスすると”Forbidden”、TELしたら個人宅につながって「旅館は去年やめてしまいました。」とのこと。
「鬼怒川温泉の良心」ともいえるすばらしい湯づかいをしていたので、記録の意味でUPします。

鬼怒川温泉は元禄四年、村人によって発見され、日光神領内であったために、村人と日光奉行との所有権争いののち奉行側の所有となり、江戸時代には日光詣での大名や日光山の僧侶などの位の高い人しか入湯が許されていなかった格式の高いお湯でした。

かつて”滝の湯”と呼ばれたこのお湯は、「傷は川治、火傷は滝」と称されるように、火傷に特効があることで知られ、明治に入って庶民にも開放、昭和二年、東武線の開通に合わせて”鬼怒川温泉”と名を改めました。
以降、立地やアクセスのよさから、関東有数の大温泉地として急速な発展を遂げたのは周知のとおりですが、団体旅行や歓楽温泉のイメージがあまりに強くなりすぎ、グループ客や個人客が主流となった近年の風潮にアジャストできず、バブル期の過剰投資のツケにメーンバンクの足利銀行の破綻も重なって、構造的な課題が表面化している温泉地ともいわれます。
(筆者後註:現在、中国をはじめとする外国人観光客の受け入れに活路を見いだすうごきあり。)


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 内湯入口

大正十四年創業の老舗「元湯 星のや」は、温泉教授松田忠徳氏が著書「日本百名湯」のなかで絶讃された宿で、はっきりいって外観はかなりくたびれています。
でも、水上の「天野屋」や伊香保の「青山旅館」などもそうですが、有名温泉地ではあまり設備投資をしていないかな?的な佇まいのお宿(失礼 ^^;)にいいお湯が潜んでいることが多いので、期待できそう・・・。

ご主人は誠実そうな感じの方で、わざわざ浴室まで案内して下さいました。
驚いたのは、エレベーターまで案内され、行き先ボタンを押したご主人は乗らないので、あとは自分で浴場をさがすのかと思いきや、エレベーターの扉が開くとくだんのご主人が立っていて「どうぞ、こちらです!」と案内をつづけたこと。
おそらく、ご主人はダッシュで階段を駆け上がったのでしょう。
わたしも、たくさんの温泉旅館で日帰り入浴していますが、こういう気合いの入った(?)案内をされたのはここだけです。

男女別の内湯と混浴の露天岩風呂がありハダカ移動不可。もちろん両方入りました。


【写真 上(左)】 かわいい露天
【写真 下(右)】 露天からの眺め

露天岩風呂は、目の前に緑と鬼怒川の渓谷をのぞむ気持ちのなごむロケーション。
屋根付きの岩造りで、6-7人の熱湯ゾーンと3-4人の適温ゾーンが岩で仕切られお湯の行き来があります。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

熱湯ゾーンに石膏らしき析出の出た2本の塩ビパイプ(熱いのとぬるいの)から投入し、適温ゾーンに流し込んでザンザコにオーバーフローしている様は壮観です。
カラン5のお湯カランも温泉だと思います。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯
 
鬼怒川の渓谷を見下ろす二面採光の味わいある内湯。
みかげ石枠タイル貼10人以上の大きめの浴槽は、湯抜き栓だけのシンプルなもの。
こちらも石膏系の白い析出が出た湯口ふたつからそれぞれ30L/minほどを投入で、全量を豪快にオーバーフローの完璧なかけ流し。


【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 見事なかけ流し

自家源泉かけ流しということで、湯量は相当にありそうで、湯口そばにはコップもおいてありました。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
週末14時でいずれも独占!。


【写真 上(左)】 男湯の湯口&湯色
【写真 下(右)】 露天の湯口&湯色

かなり熱めのお湯は無色透明で白とうす緑(露天岩風呂は茶色)の湯の花が綺麗に舞っています。
ほぼ無味でよわい石膏臭。
ヌルすべとキシキシの入りまじる湯ざわりで、熱湯ということもありますがとても温まり、浴後は爽快感が出てきます。
露天、内湯とも鮮度感は文句のつけようがありません。
ビシっとくる清澄な熱湯は、湯檜曽や奥利根鎌田、会津湯野上などに似たイメージかな・・。


【写真 上(左)】 露天の湯色-1
【写真 下(右)】 露天の湯色-2

温泉好きのあいだでは、なにかと揶揄されがちな鬼怒川温泉ですが、こんな贅沢な湯づかいをしている宿が残っているとは正直おどろき。
納得の一湯です。
わたしはこのほかにも鬼怒川のお湯にいくつか入っていますが、ここを越えるお湯はいまのところありません。
「仁王尊プラザ」が対抗馬か?、ただ、お湯の個性は「仁王尊」の方があるものの、お湯の格はこちらの方が上のような気がする。)


【写真 上(左)】 洗い場への流し出し(露天)
【写真 下(右)】 古い分析書

状況はきびしいものがあるとは思いますが、接客もよさそうだし、このすばらしいお湯とともに固定客をしっかりとつかんで続けていってほしいと思います。

----------------------
筆者後記:
またひとつお湯のいいお宿が廃業になってしまいました。
背景は、渋川温泉 「保科館」に書いたとおりだと思います。
いくら温泉好きが絶賛し声援を送っても、続々と廃業がつづきます。
こういう「古きよき昭和の温泉旅館」は、もはやその使命を終えたということなのか・・・。
なんだかよくわからなくなっている今日このごろ。

〔 源泉名:宝の湯 〕 
単純温泉* 50.2℃、pH=9.0、湧出量不明、成分総計=589mg/kg
Na^+=114.0mg/kg、Ca^2+=73.4、総鉄=0.014、F^-=2.9、Cl^-=91.7、SO_4^2-=235.1、CO_3^2-=9.6、陽イオン計=190.5、陰イオン計=344.2、メタほう酸=49.7、メタけい酸=4.6 <S62.2.24分析> 
*) アル単では・・・?

〔館内掲示より / 元湯温泉の由来 (原文のママ引用)〕
元湯名湯と言ひ伝えられて久しい
当温泉の起こりは 川釣り好きの初代星献吾老が 川の中から湧出する温泉を発見県に申請いたしましたのが始りです(古文書蔵)
当時ひの辺りにハ 住む人なく 石造蔵のみを建立し、その后七年経て大正十四年 初めて旅館として木造建て地上二階地下一階十五室が立ちました
玄関前の街道はその昔戊辰の役戦跡として多勢の武士そして農民が苦戦した会津西街道のなごりとどめる唯一の古戦場でございます
現在の会津西街道は附近の里人達が小原不動尊様、帝釈天様戊辰戦没者を祭る慰霊碑を大切に奉賛とを続けて居ります
これらハ今は亡き多くの古老の方々が語りついで守りつづけた歴史でございます
弊館ハ限りある大地の恵を大切にいたして温泉の湯量に合せて収容力を増さず 薬効力を弱める事なき様 日夜努力いたして居ります
以上 館主敬白

「当館では、浴場の温泉の循環を一切しておりません。」(浴場掲示)

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

〔 2011/02/04内容補強のうえUP (2004/07/09レポ (2004/07入湯)) 〕


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■ 塩原(古町)温泉 「やまなみ荘」 〔 Pick Up温泉 〕



塩原(古町)温泉 「やまなみ荘」
住 所 :栃木県那須塩原市塩原2566 (旧 那須郡塩原町)
電 話 :0287-32-3962
時 間 :11:00~18:00(要事前確認) / 不定休
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。


塩原、古町温泉にある自家源泉の湯宿が日帰り対応するもの。
地味な宿ながら、以前は「塩原湯めぐり手形」に参加していたので、温泉好きにはわりに知られています。

塩原のメイン道路、R400の1本南側を走る道沿いにあり、道に面して「露天風呂」と大書きしたサインが出ているのですぐにわかります。
ここは1回目はお湯を入れておらずロスト。事前TELがベターでしょう。
内湯と露天「今井の湯」があって日帰りは別料金、迷わず内湯をチョイスしました。


【写真 上(左)】 露天の外観
【写真 下(右)】 露天

窓の広いあかるい浴室。
扉をあけたとたんにただよう湯の香に期待が高まります。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 湯口

こぢんまりとした浴室に木造り5-6人の内湯ひとつとシンプル。
石灰華系のイガイガ析出のでた岩の湯口からやや熱湯を大量に投入し、槽内注排湯はなく全量を豪快にオーバーフローの文句なしのかけ流し。
このかけ流し量は塩原でも屈指かと・・・。


【写真 上(左)】 ざんざこのオーバーフロー
【写真 下(右)】 追いつかない内床の排湯口

カラン2、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜12時で男女湯とも独占。


【写真 上(左)】 湯色&湯口
【写真 下(右)】 析出

やや熱めのお湯はきもち茶色がかって湯の花なし。
お湯があまりに新鮮なので湯の花がでるヒマがないのかも・・・(笑)
重炭酸土類泉系の旨味+微金気味、ミシン油系アブラ臭+モール臭+αの上質な湯の香。
肌に染み入るような複雑な湯ざわりととろみがあって、よくあたたまるものの熱の抜けがよいあと曳き系の浴感は、群馬吾妻の平治温泉やいまはなき吾妻峡温泉「天狗の湯」(仮浴場)にちかいものを感じました。

古町の自家源泉群は泉質的にバリエーションがありますが、ここはモール泉的なイメージのあるもので、お湯の鮮度とあいまって温泉好きは満足できるのではないでしょうか。

〔 源泉名:やまなみ源泉 〕
Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 55.9℃、pH=7.1、湧出量不明、成分総計=1662mg/kg
Na^+=340.1mg/kg、Mg^2+=10.4、Ca^2+=28.4、Fe^2+=0.6、Cl^-=201.3、HS^-=0.2、SO_4^2-=56.3、HCO_3^-=692.9、陽イオン計=409.9、陰イオン計=951.6、メタけい酸=209.1、メタほう酸=21.4、遊離炭酸=70.1、硫化水素=0.2 <H4.4.13分析>

〔 HP掲載 〕
自家源泉からこんこんと湧き出る温泉は、もちろんかけ流し

〔 2011/02/04UP (2007/01入湯) 〕


E139.49.5.930N36.58.13.510
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■ さくら園の湯 (さくら温泉) 「さくらパークゴルフ」

なんかこのところ廃業&休業湯のレポばかりしてるので(^^;)、たまには新設のお湯いきます。



さくら園の湯 (さくら温泉) 「さくらパークゴルフ」
住 所 :宇都宮市新里町1113-6
電 話 :028-665-6000
時 間 :10:00~21:00 / 原則無休
料 金 :500円
紹介ページ (栃ナビ)

宇都宮市の郊外に2010/05/01にオープンした「さくらパークゴルフ」併設の温泉施設。(ONKEN21さんの速攻レポあり)
情報がすくなく、最新のるるぶやまっぷるの日帰り温泉ガイドにも載っていません。

位置的には東北道「大谷PA」の北側。
県道22大沢宇都宮線からすこし西に入ったところで、国本中や宝木新里ニュータウンのそば。
県道22からの入口がわかりにくいので、R297から岩原町セブンイレブンの角を東に折れ、1km強走って左手に出てくるヤマト運輸の先の路地(看板あり)を左折したほうがわかりやすいかも。
路地の突き当たりのPに停めましたが、その手前を右に折れて温泉施設前のスペース(5-6台)に停めたほうがベター。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 脱衣所

道の左手は「さくらパークゴルフ」、右手が温泉施設で、なんとなくのんびりとしたところ。
手前の管理小屋で受付、受付の方はとっても親切でした。
料金は入浴のみ500円ですが、「さくらパークゴルフ」はビジタープレー料金一日1200円、午後1000円で、料金内で温泉に入れるのでこれはお得。
メイン浴場とはべつに個室露天もあって、これは1室90分で2,000円。

メイン浴場(大露天風呂)は右手が男湯、左が女湯で隣りあい、竹垣で仕切られています。
構成はシンメトリなので、男女固定制かと・・・。


【写真 上(左)】 脱衣所から
【写真 下(右)】 浴槽-1

浴場はポリカ波板屋根の仮設風。
手前に脱衣所&カランと、すぐおくに仕切なく鉄平石造10人以上の三角形の浴槽ひとつを配置。
手前脱衣所と奥側浴槽部分には屋根が掛けられています
「大露天風呂」というわりにはこぢんまりとしていますが(^^)、それでも庭園仕立てで開放感のあるいい露天です。


【写真 上(左)】 浴槽-2
【写真 下(右)】 湯口は四つ目垣の向こう

奥側、三角形の頂点部分は四つ目垣で遮られ、その向こうに赤茶に色づいた岩組みから(たぶん)源泉が大量かつ湯滝状に流し込まれています。
なので、男湯と女湯の湯口は供用で、湯口のお湯には直接触れられません。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 ザンザコの排湯

槽内注排湯はたぶんなく、手前切欠からの豪快な流し出しはキャッチフレーズどおりかけ流しかと思います。
「宇都宮では初の源泉100%かけ流し温泉」というキャッチですが、「ただおみ温泉」(入湯済、未レポ)、「ベルさくらの湯」には(おそらく非加水の)かけ流し槽があるし、「ザ・グランドスパ南大門」(同)の露天ぬる湯小浴槽もかけ流しと思われるので、これはどうかな?
(「パワー温泉 リフレ鶴田店」(同)も含め、宇都宮には意外に湯づかいのいい施設が多い。)

カラン4、シャワーあり、シャンプー・石鹸類なし、ドライヤー不明。
カランもおそらく源泉かと思います。
日曜18時で独占。


【写真 上(左)】 カランも温泉?
【写真 下(右)】 浴槽から脱衣所

ややぬる~ぬるめのお湯はほぼ無色透明でうす茶の浮遊物とこまかな気泡が舞っていて、よわいアワつきもありました。
味不明、石が焦げたような鉱物的な独特な臭い。カルキはほとんど感じられませんでした。

硫酸塩泉系のきしきしとアルカリ泉系のヌルすべととろみが感じられ、やさしい浴感。
鮮度感も充分でなかなかにいいお湯です。

ただ、このときは夏だったのでこの湯温でも快適でしたが、通年非加温となると冬場はどうなるのかな?
F^-=8.4mg/kgが効いているためか浴後はむしろ爽快感が出る泉質だし、脱衣所も半屋外なのでかなり寒いかも・・・。
岩組みから湯滝的に投入するだけで湯温は落ちてしまうし、さらに湯口そばに行けないのも辛いところ。
むしろ、男女浴槽それぞれに湯口か注入口を設けたほうが湯温は保てるかと・・・。
さらに欲をいえば非加温槽と加温槽の2槽ほしいところ。

お湯は悪くないですが、場所がわかりにくいことと、施設構成が露天だけとややハンパなこと、なにより競合が多い点が気がかりです。
施設派は「ヴィラ・デ・アグリ」(ろまんちっく村)や「ベルさくらの湯」、お湯派は「ただおみ温泉」という強敵がいるので、ポジションどりがむずかしいところか?
なにか『ここだけの売り』をつくって、末永くつづいていってほしいお湯です。

〔 源泉名:さくら園の湯 〕
アルカリ性単純温泉(Na・Ca-SO4型) 50.4℃、pH=9.3、300L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計・溶存物質計=0.998g/kg*
Na^+=234.1mg/kg (72.02mval%)、Ca^2+=75.3 (26.57)、Fe^2+=1.9、F^-=8.4、Cl^-=71.5 (14.19)、HS^-=0.3、SO_4^2-=520.4 (76.21)、HCO_3^-=23.5 (2.71)、CO_3^2-=14.4、陽イオン計=314.0、陰イオン計=640.4、メタけい酸=43.6 <H20.7.29分析>
※ mval%は筆者にて算出。端数処理等配慮していないので概数です。
*) 溶存物質計=0.998g/kg、規定成分があと0.002g/mgあればNa・Ca-硫酸塩温泉(含石膏芒硝泉)になれるのに惜しい!

<温泉利用掲示> (脱衣所掲示)
加水:なし 加温:なし 循環利用等:なし 塩素系薬剤使用:あり
この源泉は、100%かけ流しのアルカリ性単純温泉です。

■ブランドグルメ
〔 みやおとめ 〕
地元産コシヒカリを食味計で厳選したお米の地域ブランドで、平成12年から販売されています。
地元以外ではほぼ入手困難で、わたしも食べたことはないですが、農業王国栃木の地元産特選コシ100%のブランド米ですから、きっと美味しいでしょう。
(「JAうつのみや 」HPなどを参考。)

〔 2011/01/10UP (2010/07入湯) 〕


E139.50.17.447N36.36.37.743

【BGM】
HYMN (Barclay James Harvest) - Lyrics English/German
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■ 足利市温泉(四代地温泉) 「足利市温泉スタンド」 〔 Pick Up温泉 〕



足利市温泉(四代地温泉) 「足利市温泉スタンド」
住 所 :栃木県足利市松田町
電 話 :0284-20-2104(足利市企画政策課)
時 間 :10:00~18:00
料 金 :10円/10L・100円/100L
オフィシャルHP
紹介ページ (ポータルサイト【 足利民 】)

足利の山のなかにある地味な温泉スタンド。
場所は県道218名草坂西線の「猪子トンネル」名草側手前。
右カーブで受けたところなのでわかりやすいですが、夜間は照明がないので要注意。

日暮れて到着、終了の18:00まではまだ間があったので10円/10Lで手湯だけでもしようと思いましたが、分析書を写しているときに妙になれなれしい野犬があらわれて、なんとなくうす気味が悪かったので手湯を断念して撤収(泣)。
泉源は「猪子トンネル」わきのタンクがあるところかと思います。

足利市東砂原後町のスパ銭「幸の湯」でこのお湯をローリー使用しているという情報があります。
HPにその旨の案内がでていなかったので、さきほどTEL確認すると「松田の方の温泉を運んできて露天風呂でつかっています。」とのことなので、いまでも入れるよう。
折をみて入ってみたいと思います。

温泉みしゅらん掲示板2001/12/26付のONKEN21さんの情報によると、この源泉は「平成7年7月掘削開始、8年7月に地下1500Mにて掘り当てたもので、平成12年オープン予定だった『簡易保険総合レジャーセンター』に引湯する予定だった」そうですが計画自体がとん挫し、平成9年3月8日からこの温泉スタンドでの提供がつづいているのみ。

しかし、めぼしい観光地も景勝地ないこんな山の中に、よくぞ巨費を投じるリゾート開発を計画したものです。
足利市は「既に温泉掘削、調整池整備など5億円を投入した」(同上)そうですから、「市民の福利、健康増進」などのお題目のもと、近くに大きな集落もなく大して利用者も見込めないここで温泉スタンドをつづけざるを得ないのでは?

なお、足利市で現在入浴できる温泉は、足利地蔵の湯「東葉館」足利鹿島園温泉がありともに日帰り可。
湯ノ沢温泉(松泉閣)、鶏足寺温泉、大川戸鉱泉、高松鉱泉、足利名草温泉などは廃業もしくは現況不明となっています。

〔 源泉名:四代地温泉 〕(新分析/現地掲示)
単純温泉(Na・Ca-HCO3型) 30.0℃、pH=8.14、191.1L/min(1,200m掘削揚湯)、成分総計=0.276g/kg
Na^+=44.1mg/kg (61.27mval%)、Mg^2+=4.0 (10.54)、Ca^2+=16.5 (26.36)、Fe^2+=0.4、F^-=0.3、Cl^-=4.6 (4.27)、HS^-=0.1、SO_4^2-=1.6、HCO_3^-=174.3 (93.93)、CO_3^2-=0.0、陽イオン計=66.7 (3.13mval)、陰イオン計=180.9 (3.04mval)、メタけい酸=26.2、メタほう酸=0.2、遊離炭酸=2.3、硫化水素=0.0 <H20.2.12分析>

〔 源泉名:四代地温泉 〕(旧分析/温泉みしゅらん掲示板2001/12/26付ONKEN21さん投稿より引用)
単純温泉 34.0℃、pH=8.0、108.8L/min、蒸発残留物(ER)=257.4mg/kg
Na^+=51.6mg/kg、Mg^2+=4.2、Ca^2+=15.0、Fe^2+=3.1、F^-=0.4、Cl^-=4.9、HS^-=0.6、SO_4^2-=1.2、HCO_3^-=200.7、陽イオン計=76.0、陰イオン計=207.8、メタけい酸=33.5、メタほう酸=1.4 <H8.8.8分析>

〔 2011/01/08UP (2010/12訪問) 〕


E139.25.48.377N36.24.44.692
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■ 東照温泉 「旅籠 福田屋」 〔 Pick Up温泉 〕



東照温泉 「旅籠 福田屋」
住 所 :栃木県日光市大渡642-4 (旧 今市市)
電 話 :0288-21-8876
時 間 :10:00~21:00 / 第3水・木休
料 金 :600円(土日祝 700円、17:00~ 500円)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE旅行)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (湯まっぷ(求人ジャーナル社))
紹介ページ (栃ナビ)

あけましておめでとうございます。
今年は温泉施設にも順風が吹く年になるといいですね。

1/1付で過去最高のアクセスをいただきました。
レポネタが手元にあふれんばかりにありますので(^^;;)、今年はすこしUPのペースを上げていきたいと思います。

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旧今市市から塩谷町にかけていくつかある地味めのお湯のひとつ。
矢板と日光をつなぐR461はかつて”日光北街道”と呼ばれ、奥州街道大田原宿(大田原城下)と日光街道今市宿を結ぶ脇街道として利用されていました。
その宿場町「大渡(おおわたり)」にあるこの旅籠は、三百年前に創業した老舗ですが、現在は日帰り温泉としての営業となっています。(宿泊可という情報もあり。)

R461は東京方面からの観光客にはなじみのうすい道です。
矢板方面から鬼怒川に抜ける最短ルートですが、その場合も船生から鬼怒川を渡らずに県道77経由で小佐越に抜けてしまうので、鬼怒川の南にあるこのあたりはますますブラックボックス的な立地となります。
国道沿いにあるのに「場所がわかりにくい」という声が多いのはそんなこともあるのかと。

17時から安くなるので夕方突入してみました。
和風建築のなかなか豪壮な建物です。
館内もゆったりで広い食堂もあります。(ちなみにこの食堂は魚介類を下北半島から直送しているらしい。また「笹うどん」も名物とのこと。)
他に宴会場もあって、当日はカラオケが絶好調に響きわたっていました。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 内湯

なぜか浴場配置や脱衣所のメモがまったく残っていないので、いきなり浴場へ飛びます(^^;)
ただ、「よわいながら脱衣所までイオウ臭がただよっていた」というメモだけは残っていました。

内湯ゾーンに内湯(木枠伊豆石?敷15人以上)と露天ゾーンに露天(岩組み鉄平石敷で30人は優にいける、一部屋根付き)。
露天は大庭園風呂でよこに釣り堀があるそうですが、すでに日が暮れていて、照明がやたらに暗いのでよくわかりませんでした。
露天のところどころには、宇都宮の「護国神社」と真岡の「大前神社」の拝受をうけた「九難除け神社/夢福神・夢・めぐり」の石像が奉られています。

カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜19時で5~10人とそこそこの入り。


【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 内湯の湯色

内湯はイオウの白い湯の花がでた石の湯口から熱湯(たぶん源泉)を大量投入。
他にジェット3連側注があり槽内排湯は確認しわすれましたが、窓側の上面排湯溝への排湯。

露天は同じくイオウの湯の花つきの岩の湯口から大量投入で、ここも源泉だと思います。
槽内注排湯不明ですが、上面排湯口からの大量排湯があります。

お湯は内湯で熱め、露天はほぼ適温。露天は広いのに湯口から離れたところでも湯温がキープされているので側注があるかも。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

お湯は内湯と露天で大差なく、いずれも湯口そばがいいです。
かすかに懸濁したお湯は白い羽毛状の湯の花とうす茶の浮遊物を浮かべ、よわいたまご味で甘いイオウ臭が湯口だけでなく湯面でも香ります。
イオウ泉系のスルスルと、硫酸塩泉系のきしきしとアルカリ泉系のヌルすべが入り混じる複雑な湯ざわりで、この手の泉質にしてはとろみはよわく淡泊な浴感で、浴後は爽快感がでてお肌さらさらになります。
ここらへんはF^-=6.7mg/kgが効いているかも・・・。

浴後は肌にしっかりと甘イオウ臭が残り、1.5mg/kgなりのイオウ成分をしっかり感じます。
このあたりのお湯ではいちばんイオウ気がつよいのでは?
お湯はイメージは小佐越の「鬼怒川仁王尊プラザ」に似ていますが、さらにイオウ気がつよいかも。

大ぶりな浴槽ながら投入量が多いのでかなり鮮度感が高く、カルキも感じないいいお湯です。
湯温50℃、湯量461L/minのすぐれもののスペックをうまく活かしているイメージ。「沸かさず、足さず、循環せず」キャッチフレーズもなるほどうなづけるものがあります。
なお、冬至には「日本一のゆず風呂」が提供されるそうです。

〔 源泉名:東照温泉 〕
アルカリ性単純温泉 50.0℃、pH=8.9、461L/min、成分総計=678mg/kg
Na^+=190.3mg/kg、Ca^2+=24.2、F^-=6.7、Cl^-=167.2、HS^-=1.5、SO_4^2-=189.0、HCO_3^-=40.2、CO_3^2-=4.5、陽イオン計=217.7、陰イオン計=409.1、メタけい酸=46.1、メタほう酸=4.9、硫化水素=0.0 <H4.11.19分析>

〔 館内掲示 〕
この温泉は源泉より常に、新しいお湯を流しています。
お湯の循環はいたしておりません。

■ブランドグルメ
〔 武平まんじゅう 〕
旧今市市の小林という集落にある和田菓子店の知る人ぞ知る名物まんじゅう。
いまだ食べたことはないのですが、平べったくて黒糖の香りと餡の風味が絶品だそうです。
遠くからまとめ買いに来る客もいるそうなので、事前TELが賢いかも・・・。

〔 2011/01/03UP (2006/07入湯) 〕


E139.45.31.760N36.45.28.180
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■ 新那須温泉(稲川混合泉) 「ホテルグリーンパール那須」 〔 Pick Up温泉 〕



新那須温泉(稲川混合泉) 「ホテルグリーンパール那須」
住 所 :栃木県那須郡那須町湯本213
電 話 :0287-76-2523
時 間 :13:30~20:00(要時間問合せ)
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (ぐるなびトラベル)
紹介ページ (るるぶトラベル)
紹介ページ (JTB)

那須湯本から南が丘方向にすこし下ったところにある荒川区の保養施設を日本ビューホテル事業(株)が運営し、区民以外にも日帰り開放しているもの。
場所は説明しにくいので↓の地図を参照ください。
ここはオフ会のときに栃木の温泉のエキスパート、流れ星さんの先導で入りました。


【写真 上(左)】 瀟洒なロビー
【写真 下(右)】 男湯入口

ゆったりとして豪華な館内。メンテもよくきいていて居ごこちよさげ。
浴場は、男女別の大浴場(男湯は2階で女湯はたしか1階)と貸切露天「緑の真珠」があって、貸切露天は1回40分で宿泊者無料、日帰り客は料金1,000円。利用時間は13:30~16:30、20:00~24:00。
この日は大浴場のみ入りました。


【写真 上(左)】 男湯温泉槽
【写真 下(右)】 男湯の沸かし湯槽

ゆったりとした浴室に石造り10人ほどの大浴槽と、黒みかげ石枠タイル貼のイオウ流し用の真湯の沸かし湯と思われる浴槽ふたつが並んでいます。
温泉槽はゆるやかなカーブを描く、なかなか趣のあるつくり。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 排湯

クリーム色の析出のでた黒みかげ石の湯口から熱湯を20L/minほども投入し、石のすきまの排湯口から上面排湯。
にごり湯につき槽内注排湯は不明ですが、お湯の感じ&掲示からしてかけ流しかと思います。
カラン11、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜14時で独占~2人。

ほぼ適温~ややぬるのお湯は透明度10cmほどのきもち鼠色がかった乳白色にごり湯で、湯面には白い結晶が浮かび、湯中には白と黒(少量)の湯の花が舞っています。
浴槽まわりはイオウの析出で白くコーティングされています。
つよめの苦味によわいたまご味。鹿の湯とちがいpHが高いので酸性レモン味は感じられません。
ラムネ臭+しぶ焦げイオウ臭で、分析データや見ためほどイオウ臭はつよくないものの、浴後は肌にしっかりイオウ臭が残ります。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 引湯ルートの案内

イオウ泉特有のするするとした湯ざわりにとろみが効いたお湯ですが、鹿の湯にくらべるとなんとなく軽い浴感で、これはpH=6.0という中性泉の特徴がでているからかも・・・。
イメージからするとむしろ高雄に近いかもしれません。

ここは新那須温泉供給(株)の源泉を使用しています。(他に「那須マウントホテル」、「ラフォーレ那須」などが使用している模様。)
総硫黄(単純合計方式)、実に124.6mg/kgはやませみさんの「温泉の化学」を参照すると、奥万座、月岡「泉慶」につぐ数値。
いずれにしても、全国屈指の硫黄泉であることは間違いないでしょう。

設備はいいし、料金はリーズナブルだし、いかにも「温泉」といったイメージのお湯なので、宿泊しても満足度は高いのではないでしょうか。

〔 源泉名:稲川1~4号 苦土稲川1・2号、県電気局B-3、八幡崎1号混合泉 〕
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Ca-SO4・HCO3型) 54.4℃、pH=6.0、545.0L/min、成分総計=1.205g/kg(溶存物質計=0.847g/kg)
Na^+=41.5mg/kg (18.20mval%)、Mg^2+=21.3 (18.17)、Ca^2+=120.3 (60.49)、Fe^2+=0.2、Cl^-=15.7 (4.79)、HS^-=10.1、SO_4^2-=320.3 (67.76)、HCO_3^-=145.2 (24.19)、陽イオン計=195.7 (9.93mval)、陰イオン計=493.4 (9.84mval)、メタけい酸=157.4、遊離炭酸=243.5、硫化水素=114.5 <H17.4.15分析>

<温泉利用掲示>
加水:することがある 加温:なし 循環利用:なし 消毒処理:なし

〔 館内掲示 〕
「温泉はどこからくるのでしょう?」という案内掲示がありました。
これによると、奥の沢源泉は那須ロープウェイの上手大丸三角堰あたり、第一源泉は高雄温泉と八幡温泉の中間あたりの第一源泉合流槽、紅葉橋源泉は八幡温泉と殺生石の中間くらいのところにそれぞれ図示されています。
分析書記載の源泉名と相違があるのではっきりしませんが、いずれにしても、鹿の湯より上部のいくつかの源泉を混合しながら流下させ、湯本下の宿や別荘に配湯しているものと思われます。
(なお、新那須温泉供給(株)HPによると、同社の温泉監視システムは、・奥の沢源泉/・大丸上三角堰/・大丸タンク/・大丸下三角堰/・第一源泉/・紅葉橋源泉などに設置されているので、上の案内と合致します。)

■ブランドグルメ
〔 那須の高原アスパラ 〕
那須地域内の畜産農家から供給される完熟堆肥をつかって丁寧につくられる那須のブランド野菜で、やわらかく甘味があるので市場で高い評価を受けています。
出荷期間は3月下旬~10月中旬。春に収穫される「春芽」は、冬の間蓄えた養分のためにとても甘くてジューシー、夏に収穫されるものは「夏芽」と呼ばれ味が濃いのが特長とされています。

〔 2010/12/31UP (2006/06入湯) 〕

E140.0.24.140N37.4.52.147
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■ 小川温泉 「まほろばの湯 湯親館」 〔 Pick Up温泉 〕



小川温泉 「まほろばの湯 湯親館」
住 所 :栃木県那須郡那珂川町小川1065 (旧 那須郡小川町)
電 話 :0287-96-6100
時 間 :10:00~21:00 / 月休
料 金 :500円(17時~(12/1~3月末は16時~) 400円)
〔2010年10月25日からしばらくの間休館中〕
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE日帰り温泉ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (ぐるなび)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)

仮設時代、「まほろば露天の湯」として名湯伝説をのこしたお湯で、いまは立派なセンター系施設に生まれ変わっています。
温泉好きのあいだで新施設の評判がいまいちなので、のびのびになっていました。
なお、HPによると2010年10月25日から、源泉修繕作業に伴いしばらくの間、休館となっています。

那珂川の河川敷にある大きな建物は対岸の馬頭側からもよく見えます。
黒屋根のシックな和風の外観、館内も気のきいた和シックなつくりと思いきや典型的なセンター系で、スペースはゆったりしているもののいまいちヒネリに欠けるというか、華がないというか・・・。
そばに宿泊施設「ふるさとロッジ」を併設しています。


【写真 上(左)】 飲泉所
【写真 下(右)】 飲泉

2階、廊下のおくに男女別の浴場、男湯のよこに飲泉所があります。
石膏の析出のでた蛇口から注がれる源泉はかなり熱く、備え付けの紙コップに受けて飲みます。
明瞭な芒硝塩味のあるなかなかよさげなお湯です。


【写真 上(左)】 そばを流れる那珂川
【写真 下(右)】 内湯

窓の広いあかるい浴場に内湯と、その外側に露天。
内湯ゾーンに内湯(石造り数10人、ジェット、ジャグジー付)、電気バス(真湯?)、サウナに水風呂(19℃位、カルキ臭)というオーソドックスな構成。
露天ゾーンに岩組鉄平石敷で40人はいけそうな巨大露天、一部は浅めのぬる湯ゾーンになっています。
露天は屋根がなく、あかるく開放的です。
温泉使用は内湯と露天と思われ、浴槽まわりにはところどころ石灰華の析出がでています。

カラン11(内セパ型5)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜11時で10~15人となかなかの盛況。
栃木もこのあたりになると東京方面からのアプローチが長くなるので、県内客メインだと思います。

内湯は側面注入底面吸湯でオーバーフローなしの循環仕様。
右手の一角はジャグジー&ジェットが、盛大に荒れ狂っているので落ちついて入れません。
露天は褐色に色づいた岩の湯口からいったん湯壺にため、湯滝状に熱湯を投入していて、別に側面注入もあります。底面吸湯+側溝への上面排湯。
湯口のお湯は消毒臭がなく、飲泉所と同じかややうすめの芒硝塩味があったので源泉かも?
露天脇におかれたベンチのよこに赤く印のついたカランがあったので「源泉かも?」と味見したところ無味無臭の単なる水でした(^^)


【写真 上(左)】 うなりを上げる強力ジェット
【写真 下(右)】 露天

お湯は内湯と露天で大差なく、露天は熱め、内湯は適温に調整されています。
無色透明で茶と黒の浮遊物。
露天湯口で芒硝塩味、湯面はカルキ臭がただよいますが、露天湯口はカルキを感じずわずかに焦げたような温泉臭も感じました。
きしきしとヌルすべが入りまじる湯ざわりで、やわらかさと硬さが同居する微妙な浴感。
よくあたたまるなかなかに入りごたえのあるお湯ですが、いまいちインパクトに欠ける感じも・・・。

近くの湯津上温泉「やすらぎの湯」と同系のお湯かと思いますが、湯津上のほうがインパクトがあって、お湯だけで見ると分が悪いかも・・・。
ひろびろ大型浴槽もいいですが、小さな源泉浴槽がひとつあるだけで浴場の格も上がり、楽しみ方も広がるのに残念。
とくにこの手の泉質は、湯づかいに影響を受けやすいのでなおさらです。

近年は仮設から本施設に移行する場合、仮設に来ている温泉好きの声を反映することがありますが(「さいたま清河寺温泉」上増田温泉 「砦の湯」がその好例)、ここは公営施設だし、オープン(2002年)の頃にはまだそのような意識もなかったのだと思います。
(現在、源泉修繕作業のため休業中なので、リニューアル後は湯づかい改善されるかも・・・)

仮設の「まほろば露天の湯」は未湯(泣)なので比較できないですが、このお湯では仮設のお湯を知っている温泉好きが嘆くのもわかるような気がします。
ま~、このあたりでは屈指の設備の整った施設なので、これはこれでありのような気もしないではないですが・・・。

〔 源泉名:小川温泉 〕
Na-硫酸塩・塩化物温泉 56.2℃、pH=7.8、211.01L/min掘削揚湯、成分総計=2.925g/kg
Na^+=844.0mg/kg (87.16mval%)、Ca^2+=101.8 (12.06)、Fe^2+=0.3、F^-=6.3、Cl^-=335.7 (22.34)、HS^-=0.2、SO_4^2-=1523.1 (74.82)、HCO_3^-=52.7、CO_3^2-=**.*、陽イオン計=955.3 (42.12mval)、陰イオン計=1918.1 (42.39mval)、メタけい酸=38.4、メタほう酸=11.6 <H10.4.9分析>

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:適温より下がった時 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり(高濃度にならぬよう適性(ママ)管理)

■ブランドグルメ
〔 那珂川のアイソ 〕
那珂川といえば鮎で名高いですが、鮎が解禁になるまえの名物にアイソがあります。
アイソとはウグイの地方名で、川の中に人工の産卵場を作り、産卵色で腹を赤く染めたアイソが産卵に集まったところを投網で獲る「アイソ漁」は、このあたりの晩春の風物詩として知られています。
そのまま焼いて食べるのもいいですが、ひと手間かけて、田楽、甘露煮、南蛮漬などにすると風趣が増すといわれています。

〔 2010/11/27UP (2006/09入湯) 〕


E140.8.20.830N36.45.41.739
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■ 塩原温泉(塩の湯) 「明賀屋本館」-1



塩原温泉(塩の湯) 「明賀屋本館」
住 所 :栃木県那須塩原市塩原353 (旧 那須郡塩原町)
電 話 :0287-32-2831
時 間 :10:00~16:00(要事前確認) / 不定休
料 金 :2名以上@2,100円、1人の場合@3,150円(ともに2h以内)
オフィシャルHP
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紹介ページ (るるぶトラベル)
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※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。


塩原の主だった湯場が点在する箒川をはなれ、鹿股川の渓谷に分け入ったところに「塩原十一湯」のひとつ塩の湯温泉があります。
塩原は奥側の元湯や新湯でもわりに開放的な雰囲気がありますが、ここは緑深い渓谷沿いの幽邃境で塩原でも異彩を放つロケーション。
日帰り入浴不可かハードルが高い宿2軒のみなので、湯めぐりの対象になりにくく地味なイメージがあるものの、じつは塩原屈指の泉質を誇るすばらしい湯場です。

■塩の湯温泉案内板より
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塩原温泉郷の中ほどから箒川の支流、鹿股川を左に上がること二キロメートル。ここが塩の湯温泉です。
塩の湯温泉の発見は、今から三百年前といわれています。
当地の景は、春の新緑、秋の紅葉はもちろん、塩原温泉では随一といわれる雪景色も一興と、その四季折々の景は、訪れた人々の目を楽しませるのに余りあります。
このような恵まれた自然と豊富な温泉によって当地を訪れる人も多く、一時は塩原温泉に宿泊する三分の一は塩の湯温泉に宿泊するといわれるほど繁盛しました。
現在、塩の湯温泉には三軒の旅館があり、近くに温泉神社があります。(以下略)
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現在、湯宿は2軒になっていて、どことなくもの寂びた雰囲気としっとりとした落ちつきが感じられます。
ここは、いちおう日帰り入浴も受け付けていますが、休憩室利用2時間制限で2名以上@2,100円、1人だとなんと3,150円もかかるので宿泊を狙っていましたが、じゃらんで期間限定1万くらいの割安プランがあったので宿泊してみました。

気合い入れてフライング気味にチェックイン。
ここは宿泊すると、日帰りのみ入浴不可の塩釜温泉の系列宿2軒、「ホテル明賀屋」「彩つむぎ」にも入れるので、もちろんそれ狙い。(現在、「ホテル明賀屋」休館中のため「彩つむぎ」のみ入浴可。)
ただ、塩釜へは徒歩では行けないので、フロントの感じからするとあまり利用する人はいなさそう。
たしかに、名物風呂のあるこの宿に落ちついてから、わざわざ他の宿に車で繰り出すのはよほどの温泉好きだけかと・・・(笑)

塩釜の系列宿2軒攻略というお仕事(^^;;)を終えて帰還。
いよいよ館内の探索へ。

~ 是は茗荷と言う湯 ~
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甘湯の乾位(西北)の方に古城あり。城山と唱う。
今より四百年前応仁(1467~1468年)の頃まで明賀屋の祖先君島信濃守居城とせり。
君島氏城を退き土着し、茗荷の別荘に移り、さらに塩の湯を開いて客舎を業とせり。
塩の湯 - 是は茗荷と言う湯。万治二年(1659年)大地震にて湯出ざるに付き延宝二寅年(1674年)此所に入り家出来たる者也。
(「明賀屋の由来」(パンフより))
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君島氏は移転前に茗荷温泉神社を祀っていたらしく、現在、宿の上手には塩の湯温泉神社と茗荷温泉神社が間口四.五尺奥行四尺流造の見事なお社に並んで祀られています。


【写真 上(左)】 太古館
【写真 下(右)】 塩の湯温泉神社と茗荷温泉神社

~ 静かなること太古の如し ~
老舗旅館らしい複雑な構造で、新館と「太古館」が隣りあっています。
現「太古館」は木造三層和洋折衷のレトロな建物で、総理府技官で帝国ホテルの設計者といわれる鈴木愿一郎氏の設計になるものだそう。(HPより)
また、旧「太古館」は大正初期に来館した徳富蘇峰氏による命名です。


【写真 上(左)】 客室
【写真 下(右)】 夕食

泊まったのは「太古館」でした。
館内には殿方大浴場”太古の湯”、婦人大浴場”やすらぎの湯”、名物の混浴露天”川岸露天風呂”(朝6:00~8:00は女性専用タイム)と2つの貸切風呂があります。
館内掲示によると太古館のおくに浴場があるようだったので行ってみると閉鎖中。
仲居さんに尋ねるといまはつかっていないとのこと。
また、川岸露天風呂の下手に変形の露天風呂がありますが、これは柏屋のものです。


【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 女湯入口

〔殿方大浴場”太古の湯”〕
窓が小さくやや暗めの浴室。
手前に黒みかげ石枠石敷4-5人の小浴槽と、おくに同12人ほどの大浴槽のふたつ。
ともに白い析出のでた黒みかげ石の湯口から熱湯の投入(大は底面注入もあり)で、切欠からの上面排湯。
カラン7、シャワー・シャンプー、ドライヤーあり。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 ”太古の湯”

透明度40~50cmほどの緑茶色のにごり湯で赤茶色の酸化鉄が舞い、大浴槽の方が赤味がつよいです。
味臭や浴感は川岸露天や貸切風呂に準じるものですが、鮮度感はだいぶん劣るのでさしてインパクトは感じられず。


【写真 上(左)】 大浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽

それでも、これは比較する相手のレベルが高すぎるためで、ふつうの基準からするとかなりのお湯です。


【写真 上(左)】 貸切風呂入口
【写真 下(右)】 貸切風呂の脱衣所

〔貸切風呂〕
40分くらいの予約制でたしか別途料金はかからなかったと思います。
フロントで鍵を借りて川岸露天に向かう長い下り階段の途中の木戸から入りますが、気をつけていないとわかりません。
おくと手前のふたつあって、おく(たしか「寿」と名付けられていた)に入りました。


【写真 上(左)】 貸切風呂
【写真 下(右)】 交差する渡り階段

山肌にせり出したような絶妙のロケで、つくりはほぼ露天。
手前にこぢんまりとした脱衣所があります。
眼下に鹿股川の渓流と、右手下に川岸露天への階段と対岸「柏屋旅館」の露天への階段が交錯する面白い構図のながめ。


【写真 上(左)】 ざこざこのあふれ出しと眺め
【写真 下(右)】 絶妙な湯色

石灰華で茶色にコーティングされた石造り2人くらいの浴槽に、灰青味がかった茶色の絶妙の色味のささにごり湯(透明度60cmほど)が満々と湛えられています。
赤茶に色づいた金属パイプから15L/minほどのやや熱湯投入で槽内注排湯はなく、全量を潤沢に流し出す文句なしのかけ流し。


【写真 上(左)】 貸切風呂の湯口
【写真 下(右)】 貸切風呂の盛大な石灰華

ほぼ適温のお湯は塩味+重曹味+弱うま味+僅微苦味で、つよいこげ臭と金気貝汁臭が香り立ちます。
重炭酸土類泉系のぎしぎしとした湯ざわりと肌にしみ渡るような絶妙な浴感があるすばらしいお湯で、川岸露天のお湯より重炭酸土類がつよいように感じました。(分析書掲示なし)
なんといっても鮮度感が抜群なので入っていてすこぶるきもちがよく、あと曳き系の泉質ということもあってほとんど恍惚状態に・・・。
個人的には塩原のみならず、関東周辺でも屈指の名湯だと思いました。

Vol.2へつづく
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