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■ 渋御殿湯 「渋御殿湯」 〔 Pick Up温泉 〕



渋御殿湯 「渋御殿湯」
住 所 :長野県茅野市北山5520-3奥蓼科温泉郷
電 話 :0266-67-2733
時 間 :10:00~15:00
料 金 :800円 (新館浴室「西の湯」のみ)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)

北八ヶ岳のふところふかく、冷泉の名湯、渋御殿湯があります。
ここは北八ヶ岳の天狗岳、中山、高見石、白駒池などの登山口で、登山者やハイカーにもよく知られています。
奥蓼科温泉郷は冷泉浴のメッカですが、なかでも足元自噴浴槽をもつ渋御殿湯は温泉好きにひときわ人気があります。

本館浴室「東の湯」と、新館浴室「西の湯」のふたつの浴室があって、日帰りで入れるのは足元自噴でない「西の湯」。
また、ここは”渋御殿湯”と”渋長寿湯”のふたつの源泉をもっていて、”渋御殿湯”はどちらの浴場でも入れますが、”渋長寿湯”は「東の湯」でしか入れません。(「東の湯」男湯の”渋長寿湯”使用浴槽が足元自噴。)
部屋休憩(2,000円)ならば西・東とも利用できますが、それなら泊まった方がいい、ということで宿泊してみました。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 渋川

蓼科の南側、R299メルヘン街道と並行して走る県道191渋ノ湯堀線のどんづまり。
道は悪くないですが、ここは1,880mの高所、降雪も早いので雪対策は慎重に。
民営の国民宿舎で、質素な館内は湯治場と登山基地が合わさったような山の湯の趣。
食事は不味くないですがこれも質素です。
窓のそとは渋川の流れですが、道を挟んでいて渓流沿いの宿の趣きに欠けるのがちと残念。

ここは延暦二年(783)の開湯と伝わる古湯で、いわゆる「信玄の隠し湯」としても知られています。
御殿湯は、諏訪の殿様が愛浴したといういわれによるもの。(下記館内掲示を参照)


【写真 上(左)】 西の湯
【写真 下(右)】 西の湯の小浴槽

〔 西の湯 〕
木造の渋いつくりですが、雰囲気は「東の湯」に及びません。
小浴槽(木造り2人、渋御殿湯使用、20℃くらい)と真湯浴槽(木造り6-7人、真湯加温循環)のふたつの浴槽。
浴室内にしぶ焦げイオウ臭がこもっています。
カラン4とシャワーとボディソープがあって、からだはこちらで洗います。(ドライヤーなし)

小浴槽は樹脂の筒から10L/minほどを投入(源泉なので当然透明)で、槽内注吸湯は確認できず、湯温からしてもかけ流しか?
白くにごりを帯びたお湯に大きな白い湯の花を浮かべ、つよいレモン味+収斂味+弱炭酸味+微苦味+微甘味の複雑な味。
しぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭で酸性泉特有のぬる感と肌に染み入るような浴感。
ただ、東の湯の渋御殿湯浴槽にくらべると、日帰り客に揉まれているためか鮮度感に欠けます。


【写真 上(左)】 西の湯の真湯浴槽
【写真 下(右)】 西の湯の真湯浴槽の湯口

真湯浴槽は保温用に木の蓋がされています。
ほぼ無色透明で無臭。湯ざわりはやわらかく、なぜかここより湯温の高い東の湯の加温浴槽より、よくあたたまります。

残念ながら、この浴室(=一般日帰り入浴)だけでは、渋御殿湯の本領は味わえません。


【写真 上(左)】 東の湯の脱衣所
【写真 下(右)】 浴槽の説明 (東の湯男湯)

〔 東の湯 〕
総木造りのおそろしく風情ある浴舎。
手前に加温槽(渋御殿湯)、中央に渋長寿湯、右手おくに渋御殿湯の3つの浴槽。


【写真 上(左)】 東の湯男湯-1
【写真 下(右)】 東の湯女湯-1

浴場に足を踏み入れたとたん、山のイオウ泉特有の爽快なラムネ臭につつまれ嬉しくなります。
カランや石鹸類はなく、純粋に湯あみを楽しむ浴場です。


【写真 上(左)】 東の湯男湯-2
【写真 下(右)】 東の湯女湯-2

<加温槽> (渋御殿湯)
加温槽は木造3-4人で、保温用の木蓋をはずして入ります。
樹脂パイプから注入で入るとオーバーフロー。
ふたつの冷泉浴槽のまえに完全に撃沈したためか、メモがいい加減 (^^;)
きもち青味を帯びたうす白濁湯は42℃くらいで、感じからして循環のような・・・。
ただ、ラムネ臭はここがいちばんつよかったような気もします。


【写真 上(左)】 加温槽 (東の湯男湯)
【写真 下(右)】 渋御殿湯 (東の湯女湯)

<渋御殿湯> (渋御殿湯)
木造1-2人のがっしりとした浴槽。
金属パイプからイオウ成分でまっ白に色づいた石の湯口経由で25L/minほどを注ぎ込み、オーバーフローのかけ流し。
湯口のそばにはコップがおいてありました。


【写真 上(左)】 渋御殿湯 (東の湯男湯)
【写真 下(右)】 渋御殿湯の湯口 (東の湯男湯)

透明度70~80cmほどのうす濁りでクリーム色のこまかな湯の花を浮かべ、湯底には白い粉のような成分がたまっています。

つよいレモン味+収斂味+弱炭酸味+微甘味+微苦味の複雑な味とラムネ臭。
ここも酸性泉特有のぬる感と肌をしめつけるような浴感。
西の湯の渋御殿湯浴槽にくらべるとはるかに鮮度感があり、中程度のアワつきもありました。
温度は20℃以上はあって西の湯の渋御殿湯浴槽にくらべるとあたたかいですが、それでもお湯じたいの冷感がつよいので、かなり冷たく感じます。


【写真 上(左)】 渋御殿湯の湯色 (東の湯男湯)
【写真 下(右)】 渋長寿湯-1 (東の湯男湯)

<渋長寿湯> (渋長寿湯)
さて、本題の足元湧出の渋長寿湯です。
木造3-4人の浴槽でふかめの浴槽底の中央から源泉がぽこぽことあわ立ちながら湧き出しプチジャグジー状態。
上面排湯はありますが、女湯側の側孔から女湯に向けてお湯を送っているのでは?
連れの話しでは女湯の長寿湯に足元湧出はなかったとのことなので、たぶんそうでしょう。


【写真 上(左)】 渋長寿湯-2 (東の湯男湯)
【写真 下(右)】 渋長寿湯 (東の湯女湯)

白いこまかな湯の花と湯中にただよう気泡で透明度80cmほどにうす濁り、きもち青緑がかった綺麗な湯色で、こちらも湯底には白く粉状の成分が沈殿しています。
ラムネ臭がつよいレモン味+弱収斂味+弱炭酸味+弱甘味で、御殿湯とくらべると炭酸味はよわく甘味はつよめです。

よわいラムネ臭。炭酸臭はさほどつよくはないものの、硫化水素と炭酸責めでながく浸かると息苦しくなるほど。
ここも御殿湯と同系の酸性イオウ泉的な湯ざわりですが、御殿湯よりやわらかく感じました。
このときあった切り傷が御殿湯ではピリピリし、長寿湯ではなにも感じませんでした。
湯底からさかんに湧き上がってくる気泡がころころと肌を伝っていき、くすぐったいです。
また、肌が白くなるほどのつよいアワつきもあります。


【写真 上(左)】 渋長寿湯の湯色 (東の湯男湯)
【写真 下(右)】 渋長寿湯の湧き立つ気泡 (東の湯男湯)

ここは御殿湯よりきもちあたたかい(というか生ぬるい)のですが、まったくあたたまらないので出るに出られず。
炭酸冷感で入るほどに冷えていくような特異な浴感。
でも、気合い入れて脱出すると、内側からほこほことぬくもってきます。
浴後は湯切れよく、肌の脂分が抜けたようにややパサつきます。

この日は宿泊客がすくなく、贅沢にもこの天然記念物的浴場をほとんどず~っと独占状態でした。
おそろしくクセになるお湯でほてりもないのでいくらでも入れそうですが、残念ながら入浴は夜の22時まで。
22時まで「東の湯」に立てこもっていたのはいうまでもありませんが、もし24時間入浴可だったら、まちがいなく「夜詰めの湯」に突入していたでしょう(笑)

これまでいろいろなお湯に入ってきましたが、こんなお湯はそうはありません。
異様に個性のつよい通ごのみのお湯で、温泉好きには絶対のおすすめ。
ただ、入り方にコツがあるので、湯慣れない人にはちと辛いかも・・・。

単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)(Na-Cl・SO4型) 25.8℃、pH=2.7、自然湧出湧出量不明、成分総計=1415mg/kg
H^+=1.5mg/kg (17.24mval%)、Na^+=95.8 (48.24)、Mg^2+=7.6 (7.29)、Ca^2+=20.3 (11.69)、Al^3+=6.6 (8.45)、Mn^2+=1.8、Fe^2+=0.4、Cl^-=151.0 (49.09)、HSO_4^-=13.6、HS^-=痕跡、SO_4^2-=204.1 (48.98)、陽イオン計=155.0 (8.64mval)、陰イオン計=370.6 (8.68mval)、メタけい酸=103.2、メタほう酸=12.7、遊離炭酸=754.7、硫化水素=18.3 <H4.3.4分析> (源泉名:渋御殿湯)

単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)(Na-Cl・SO4型) 30.6℃、pH=2.7、自然湧出湧出量不明、成分総計=1605mg/kg
H^+=1.7mg/kg (15.52mval%)、Na^+=128.9 (51.52)、Mg^2+=9.1 (6.89)、Ca^2+=21.9 (10.01)、Al^3+=8.5 (8.72)、Mn^2+=2.3、Fe^2+=0.09、Cl^-=201.1 (51.60)、HSO_4^-=16.3、HS^-=痕跡、SO_4^2-=245.3 (46.50)、陽イオン計=200.3 (10.89mval)、陰イオン計=464.9 (10.98mval)、メタけい酸=119.0、メタほう酸=16.2、遊離炭酸=783.6、硫化水素=20.5 <H4.3.4分析> (源泉名:渋長寿湯)

<温泉利用掲示> (東の湯、加温槽の掲示と思われる)
加水:あり 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 殺菌剤使用:なし

<温泉利用掲示> (西の湯)
加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 殺菌剤使用:あり

〔 館内掲示 〕 (天下の霊湯 渋御殿湯)
人皇五十代桓武天皇御宇延暦二年諏訪神社神官の霊夢に依り発見せられ効能諸病に顕著なる事を知られ、中古、武田信玄公秘蔵の霊湯として多大の傷病兵を治療し、又諏訪殿様御愛浴なされ「渋御殿湯」の名で有名、特に飲用浴用に称揚、二千有余年の歴史に其効能大なる事を伝えられて居る。
此の外に昭和二十八年新湯発堀「渋長寿湯」と命名、摂氏三十八度の本邦唯一の泡立ちのする特殊噴泉で御入浴の快さは他に此の類なきものとして賞賛せられて居る

〔 2010/8/18UP (2006/09入湯) 〕


E138.19.50.364N36.1.58.292
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