関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 渋川温泉 「保科館」 〔 Pick Up温泉 〕
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※ 2009年10月末をもって閉館。以下は営業時のデータ。
住 所 :長野県茅野市北山5513
電 話 :0266-67-2319
時 間 :10:00~19:00(事前確認要)
料 金 :800円
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
なんと、蓼科でもお気に入りのお湯だった渋川温泉「保科館」が2009年10月末をもって閉館していました。
(超マヌケにもいまのいままで知らんかった(泣))
このところ蓼科の未湯源泉攻撃に忙殺されて、足を向けられなかった隙に閉館とは・・・。
十何年も前に日帰りで入って、お湯のよさに魅せられて泊まってしまったこと。
誰もいない温泉プールでハダカで泳ぎ回ったこと。
晩秋の平日、二組しか泊まり客のいない館内で、夜、トイレや浴場に行くのがやたらこわかったこと。
通りかかるごとに吸い寄せられるように入浴を繰り返したこと。
どれもこれも、いまとなってはいい思い出となりました。
蓼科の南側、R299メルヘン街道と並行して走る県道191渋ノ湯堀線沿いには、渋の湯(入湯済、未レポ)、渋御殿湯、渋川、渋・辰野館、明治など古くから知られる温泉が点在し、”奥蓼科温泉郷”と呼ばれています。
北八ヶ岳のゆたかな自然に囲まれ、いずれも落ちついた佇まいをみせています。
渋御殿湯はハイカーや登山客、渋・辰野館はロハス&ネイチャー系、横谷は団体観光客など、ポイントを絞って集客しているのに対し、渋川 「保科館」はいまいちターゲットが絞り切れていない感じはしていました。
(それが逆に、のんびり力の抜けたよさにもつながっていたのですが・・・。)
このお湯は渋川の右岸にあり、”奥蓼科温泉郷”の他の宿とはちがってR299メルヘン街道経由のアプローチとなります。
アプローチは込み入っていますが、R299から出ている誘導看板にしたがって行くと自然に着きます。
渋川を見下ろす高みに立つお宿で、北側には”こまくさ平”と呼ばれる別荘地が広がります。
母屋は新館でなかなか綺麗、廊下を渡ると木造の趣ありすぎの旧館で、わたしはここに泊まりました。
浴場は旧館からさらに渋川に向かって降りていったところ。
木造の長い階段をぎしぎしと音を立て下っていく風情あるアプローチ。
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【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 内湯-1
脱衣所はそこそこゆったり。
内湯は天然の岩?を背追ったもので、天井ひくく窓もちいさく洞窟風呂のよう。
赤みかげ石枠タイル貼7-8人の内湯がひとつ。
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【写真 上(左)】 露天入口
【写真 下(右)】 露天からの眺め
扉の外は別世界。一気に開放感あふれる露天が展開します。
石枠コンクリ?敷7-8人の露天とその下に立派な温泉プール、その下が渋川の流れになっています。
プールのよこに赤茶に色づいた湯滝?があって、これは源泉の一部を流しているのだろうと思います。
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【写真 上(左)】 露天とプール
【写真 下(右)】 湯滝
温泉プールは晩秋でもお湯が湛えられていて、ぬるめながら入ることができました。
露天からの排湯の流れ込みとべつにパイプからの大量投入。
プールなのにところどころ石灰華がでているのが笑えます。
この投入湯は浴槽のお湯よりぬるく、金気臭がつよくてこげ臭がよわいので別源泉かもしれません。
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【写真 上(左)】 クロレラ色のプール
【写真 下(右)】 露天
場所にもよりますがたいてい30~36℃くらいのぬる湯で、光線の加減でクロレラ色にも見える湯色はなかなかインパクトがあります。
プールなので当然水着着用ですが、露天からもふつうに歩いていけるので、何度かハダカで突入し泳いだこと(^^;)があります。
ここには、そんなおおらかな空気が流れていました。
ただ、夏場の一時期はアブが発生するので、露天は戦場と化しますが・・・(笑)
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【写真 上(左)】 内湯-2
【写真 下(右)】 内湯の湯口
内湯は茶クリーム色の石灰華と変色のついた岩の湯口からやや熱湯を40L/minほども大量投入し、槽内注排湯不明で切欠からの上面排湯。
掲示やお湯の感じからして文句なしのかけ流しでしょう。
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【写真 上(左)】 露天の湯口
【写真 下(右)】 露天の石灰華
露天は岩の上のパイプからの大量投入で、ここも浴槽まわりはところどころ茶クリーム色の石灰華に覆われています。
槽内注排湯不明でプールに向けてのパイプ経由の排湯、ここも掲示やお湯の感じからしてかけ流しかと・・・。
カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
よほどのトップシーズンでなければたいてい空いています。
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【写真 上(左)】 掲示
【写真 下(右)】 やっぱりケロリン桶
湯温は内湯でやや熱め、露天でほぼ適温。
お湯は緑がかった茶色にうすにごり、露天では茶と黒と白の湯の花が大量に舞っています。
重曹味+金気だし味+旨味に微炭酸味さえもまじえた鮮度よい重炭酸土類泉系の味。
つよいこげ臭によわい金気臭が加わってこれも重炭酸土類泉的。
表にはでていませんが、うらでイオウが効いている感じの複雑なお湯です。
成分濃度1.2kg/mgとは思えない重厚さとやわらかさが絶妙に同居し、成分がからだに染み込んでくるような独特な浴感があり、クセになるあと曳き湯です。
温まり感がたいへんにつよく、夏場はときおり水カランの水を浴びながらの入浴。
蓼科ではもっとも温まりのつよいお湯だと思います。
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【写真 上(左)】 泉源?-1
【写真 下(右)】 泉源?-2
見た目や表面的な浴感は重炭酸土類泉ですが、うらで硫酸塩があと支えしているので、お湯に奥行きと力感があります。
このあたりのイメージは、群馬の赤城温泉に似ているかな?
酸性泉と硫黄泉がメインの蓼科で、この泉質はするどくキャラが立っています。
石遊の湯も重炭酸土類泉的キャラですがこのお湯とは比較になりません。
あえて近いお湯を挙げるとすれば横谷温泉(入湯済、未レポ)かな・・・?
個人的に重炭酸土類泉が好きなので、よけいに評点が甘くなってしまうのですが、やはり蓼科を代表する名湯といっても差し支えないかと・・・。
このお湯にもう入れないとはかえすがえすも残念、いつか再開して、ふたたびこのすばらしいお湯にまみえることを願ってやみません。
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このところ湯づかいのいいお宿がつぎつぎと廃業しています。(鬼怒川の名湯「元湯 星のや」も廃業の情報あり。)
2008年10月1日、観光庁が設立。
観光立国だ、インバウンドだ、観光カリスマだ、アドバイザリー・ボードだと、マスコミ映えのする政策は華ざかりですが、そのかげで観光の基盤を支えるかけがえのない資源が日に日に消え去っていきます。
幾多の不況を乗り越え、何十年もつづいてきたお宿たちがどうしてここ数年で相次いで力つき、瓦解していくのでしょうか。
かつて、ビジネスはFace to Faceで進み交通も不便だったために、ビジネス客は頻繁に地方の宿に泊まりました。
ビジホもカプセルホテルもまだまだ浸透していなかったので、彼らは往々にして温泉宿を常宿とし、それを”役得”として許す風潮がありました。(いまなら出張で温泉宿に泊まったりしたら、ふつうに”コスト管理意識希薄”で人事ポイント-1か・・・(笑))
Webが浸透し、交通は至便になって、よほどの事情がない限り出張は原則日帰り、いや、出張でさえもWeb会議の導入などで減少の一途です。
かつて温泉は「泊まりに行かなければ入れないもの」でしたが、いまは平日、仕事のあとでもふつうにスパ銭で温泉に入ることができます。
しかも、その泉質や湯づかいは有力温泉地に比肩するものさえすくなくありません。(設備は圧倒的にこちらのほうがいい。)
かろうじて残された観光宿泊ニーズは、一部のゲキ高コンセプト旅館と外資を含む大規模資本が展開する365日均一格安料金のゲキ安チェーン宿に吸収されていきます。
廃業ラッシュの背景には、こういったマーケットの構造的な縮小があります。
よくいわれる後継者問題にしても、じつはお宿個別の問題ではなく、宿泊業そのものの将来に希望がもてないから後継者が育たない(育てない)のです。
いうまでもないことですが、すべてのお宿がコンセプト(あるいはデサイナーズ)化し、経営者がカリスマ化し、インバウンド対応することなど、できるはずがありません。
だから、もっと根本的なセーフティーネット(たとえば戸別所得補償制度的な)がどうしても必要になるのでは?
もっとも政府の基本姿勢が、観光業は第一次産業とちがい基幹産業じゃないから優勝劣敗でマーケットに適応した「勝ち組」だけが残ればいい、という方向ならばまったく不要なのかも知れませんが・・・。(でも、地方に対するマーケットニーズはもはや第六次産業にあるので、ほんとはそんなこといってる場合じゃないけどね。)
中心市街地にせよ休耕田にせよ、一度疲弊・荒廃してしまったものをもとに戻すことは容易ではなく、温泉地や観光地もまた然りです。
いくらインバウンドのインフラがととのっても、受け入れ先が疲弊し、荒廃してしまってはなんの意味もありません。
期待される中国人観光客にしても、現時点で彼らの多くが求めるアメニティは和風旅館ではなくホテル型で、和食会席ではなくバイキングです。(彼らの食べる量からすると、ちんまりとした和風懐石ではとても満足できない。だから鬼怒川や塩原のバイキング箱形ホテルは期せずして(?)彼らのニーズに合っている。)
もちろん日本通観光客として成熟してくれば、『YOKOSO! JAPAN』的な、和風旅館で会席料理というニーズも当然求められてくるでしょうが、それはたぶんまだ先のはなし。
観光地の今後の成否にとって、いまが本当の正念場だと思うのですが・・・。
■Bienvenido a Japon-YOKOSO! JAPAN-ようこそ日本
〔 源泉名:渋川温泉3号泉と渋川温泉の混合泉 〕
Na-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉 41.9℃、pH=6.14、湧出量不明、成分総計=1291mg/kg
Na^+=218.9mg/kg、Mg^2+=8.3、Ca^2+=19.1、Al^3+=2.3、Fe^2+=4.4、Cl^-=107.8、HS^-=-、SO_4^2-=256、HCO_3^-=263.0、陽イオン計=298.1、陰イオン計=628.7、メタけい酸=117.4、メタほう酸=8.3、遊離炭酸=238.0、硫化水素=痕跡 <H6.4.21分析>
※ 以前露天で話し込んだ常連さん(お湯がいいのでちょくちょく茅野から入りにきているとのこと)によると、掘削泉を含む源泉を何本か混合して湯温調節しているそうです。
じっさい、お宿の周辺にはいくつか泉源?らしきものがありました。
<温泉利用掲示>
ここの館内温泉は全部かけ流し天然温泉です。ゆっくりお入り下さい。
加水:なし 加温:なし 源泉かけ流し(放流式) 殺菌剤使用:なし
〔 2011/01/08UP (2006/09入湯) 〕
E138.18.2.072N36.2.10.529
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