目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

ひたすら忍耐、三岩岳

2020-10-04 | 山行~東北

標高 2065m 福島県

2020年9月21日(月・祝)雨のち曇り  

メンバー 山の神と私

コースタイム 6:35小豆温泉スノーシェッド駐車場6:48--国体コース--7:46休憩7:55--8:38黒桧沢分岐8:45--合羽装着--10:36三岩避難小屋(昼食)11:25--12:09三岩岳山頂12:23--13:02三岩避難小屋13:15--14:18黒桧沢分岐14:36--国体コース--休憩--15:51車道--16:00駐車場

前泊は見通りオートキャンプ場。5:00に起床し、朝食を食べてテント撤収、キャンプ場から7~8分で小豆温泉スノーシェッド駐車場に到着した。先着様は那須ナンバーの方で、ちょうど出発していく2人の後ろ姿を見送った。


左:小豆温泉スノーシェッド駐車場 右:国体コース登山口

準備を済ませ写真を撮って、6:48山の神とともに駐車場を後にした。その時ぽつりと雨粒が手の甲に落ちた。今朝は見ていないが、予報では晴れのはず。すぐに晴れ間が出てくるさと気にも留めずにシェッド内の歩道に入った。

シェッド内は車がビュンビュン飛ばしていて、歩道が一段高いところになってはいるものの、気分のいいものではない。黙々とシェッドを抜け10分ほどで国体コースの入口に着いた。黒桧沢コースは通れませんの案内が出ていた。


左:すぐに急登が始まった 右:ブナの美林には癒される

登山口を入ってすぐに急な階段が出てくる。すぐに歩きやすい道になるだろうと思ったのは迂闊だった。地図の等高線が詰まっているからといって、急坂ばかりの道とは限らず、九十九折にして歩きやすくしたりするものだが、ここの登山道は直登ばかりで難儀な道だった。

ブナの美しい森が出てきて癒されるのだが、直登には参った。すぐに汗だくになって、1枚脱ぐことになる。

イタズラの落書き

途中のブナの幹には、残念なことにイタズラ書きが多かった。自分の名前なのか、友だちの名前なのか「星」という苗字が彫られていて、印象に残ったのだが、この日の宿のフロント係がなんと、星さんだった(チェックアウトするときに領収書に押されたハンコでわかった)。檜枝岐には星さんは多いんですか?と聞くと、多いですねの回答。この辺りは3つくらいしか苗字はないからねえといっていた。そうなのか。


左:これでもかと急登はつづく 右:通行止めの黒桧沢への入口

蜘蛛の巣の糸が顔や腕にまとわりつくのにも参った。那須ナンバーの方はこのコースには明らかに来ていないようだった。山の神に、今日は先頭を歩いてみるのもいいかもねと振り向くと、体よく断られた。


左:黒桧沢分岐に設置されていた案内板 右:道標完備!

8:38黒桧沢の分岐に到着する。ポツリポツリと来ていた雨は、この辺りで間断なく降るふつうの小雨になる。休憩後再び歩き始めても、合羽を着ると暑いよなと粘っていたが、止みそうにない雨に促されて足を止めた。ザックカバーを付け、上衣だけ着る。

樹林帯を抜ける頃、いつの間にか山の神の姿が見えなくなっていた。どこかで合羽の下を履いているのかと私もザックを下ろして、下を履き始める。やがて山の神が現れるが、たんに雨雲をスマホでチェックしようとしていたようだった。結局スマホはつながらなかったようだが。

まったく止む気配のない雨

おもむろに山の神も合羽パンツをはき始める。停滞するわれわれをしり目に単独の若い男性が軽やかに追い越していく。今日のこの山の登山者はこれで全員なのかとそのとき思った。

そのうち湿原が出てくるが、想像したよりもこぢんまりとしていて質素。花もなく寂しいかぎりだった。

10:36予定よりも遅れて三岩避難小屋(三ツ岩小屋)に到着した。先ほどの単独者が小屋内でごはんの準備中だった。われわれも昼ごはんにしようと湯を沸かし始める。


左:こぢんまりとした湿原 右:三岩避難小屋を後にする

暗いから扉を開けていたこともあるのだが、小屋内はひんやりしていた。雨で気温がぐんぐん下がっているようだ。合羽で暑くなると思っていたけれど、逆に体は冷えていた。黒桧沢の分岐あたりまでは汗だくだったのに、一転して寒く感じている。山の神は、低体温症の事故はこういうときに起きるんだろうねとぼそり。

このまま帰ってもいいなという雰囲気を醸し出している山の神を促しつつ、雨の中、三岩岳山頂を目指した。ごはんを食べてエネルギーを充填した山の神の足取りは急に軽くなり、スピードアップして歩いていく。先ほどまでの鉛の詰まったような足どりとは別人のようだ。


左:三岩岳山頂 右:ぬめりがついた木道はどうしようもなく滑った

12:09三岩岳山頂に到着。目の前は真っ白で展望なし。晴れていれば名前の由来となった三つの岩、そして周囲の山が見えるはずだったのだが、、、山頂で雲が切れてくることはないだろうかと僥倖を待つも、白いまま。12:23あきらめて下山することにした。

復路は山の神が恐れていたつるつるの恐怖の木道を通過することになる。ここのところの雨で(たぶん)木道にはぬめりがついていて、摩擦係数はかぎりなくゼロに近い。滑り止めに横向きに打ち付けてある角材に足をかけないと間違いなく滑る。危惧したとおり山の神は尻もちをついていた。


左:雨は降り続き白く煙る 右:往路では気づかなかった修験者が奉納したお地蔵様

水たまりの多い樹林帯に差し掛かると、なんと20代と思しきカップルが登ってきた。この雨の中、玄人好みの健脚者向きのコースを登ってくる若い人がいるのかとちょっと驚く。われわれ同様過剰な期待をもって登ってきたのか。

しばらく下ると、往路では存在に気づかなかったお地蔵様が奉納されているのを見つけた。手を合わせて、下降。 


少し青空が覗いたが、田代山方面はいまだ雲がかかっている

やがて人を食ったように青空が覗く。今さら晴れてもねえ。でも雲はまだだいぶ厚く垂れこめている。

往路苦労した急坂を、復路はもっと苦労して下る。

休憩は三岩避難小屋、黒桧沢分岐、そしてもう1か所でとったが、最後のころはだいぶ足に来ていて疲労困憊だった。いい加減もう終わってくれと念じながら、動かなくなってきた足を動かすという拷問。設置されていた案内版にはここは「一般コース」と出ていたが、明らかに「健脚コース」だ。全部「健脚コース」。

休憩のとりすぎもあって予定から1時間45分遅れで16:00駐車場に戻った。お隣の那須ナンバーの車がまだ停まっていて、やはり窓明山に行ったのかと得心。もしや避難小屋泊まりなのかと思ったが、翌朝この前を通過したときに車はなかったから、この後に下山したのだろう。

今日のお宿は小豆温泉、花木の宿。2度目の宿泊だ。前回は夕食が中華の薬膳と決まっていてとってもヘンだったが、今回は普通の和食で温泉宿らしくなっていた。いつの間にか離れが新設されていてとってもよさげだった。次回は離れに泊まってみたいものだ。

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