目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

甲斐黒川金山跡と鶏冠山

2021-07-21 | 山行~中央線沿線・大菩薩

鶏冠山(けいかんざん)標高 1716m 山梨県

2021年7月17日(土) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:17落合鶏冠山登山口路肩駐車スペース7:28--ハンノキ尾根--8:28鶏冠山・横手山峠分岐8:38--9:28鶏冠山山頂9:35--10:10立岩沢--経塚--10:35黒川金山循環歩道入口手前10:45--10:58黒川金山跡11:03--11:30寺屋敷尾根手前(昼食)12:04--立岩沢--巻道--13:09休憩13:19--13:38横手山峠13:45--14:35登山口駐車スペース

7月連休にいきなり高い山に行くには、山の神がしばらく歩いていないことから、ちょっと厳しいかとなって、足ならしになるような近場の山でそれなりに標高のあるところをと探してみた。まず思いついたのは、柳沢峠から黒川山・鶏冠山ピストン。前回訪れたのは20年近く前になるだろう。さっそく先日購入した2021年版の「大菩薩」の山地図を眺めてみると、鶏冠山の近所に甲斐金山遺跡、黒川金山跡と出ている。こんなところに金山があったのか、捨てずに残していた2000年版の地図を見ると出ていない。検索してみると、地元の役所主催のツアーで訪れた記録がヒットした。ほお、これは行くしかないなと最短コースを探った。

丹波渓谷からが最も近いのだが、21年版地図では林道崩壊と記載されていてコースは点線表示だ。反対側から行くとすれば、ハンノキ尾根を上がっていくのが最短。しかし駐車場がない。GoogleMapのストリートビューで確かめてみると、登山口付近の路肩に1台車が停まっていて、ザックが置かれているのが写っていた。停められそうだと判断して計画を立てた。


左:鶏冠山登山口の路肩スペース(3,4台) 右:いい感じのさわやかな森

自宅を山の神と4:38に出発した。高速に入り順調に走って、いつもの談合坂SAで朝食をとる。SAを出る頃には、交通量もそこそこあり、帰りは渋滞必至かとちょっと心配になる。勝沼ICで高速を下りフルーツライン、そして大菩薩ラインに。少し戻ってコンビニで買い出しをし、トイレもついでに済まそうとしたが、なんとトイレに並ぶ人が。思わぬ伏兵で時間ロスだ。

そんなこともあり駐車スペースがいっぱいだったら、柳沢峠に戻るつもりだったが、結果は1台も停まっていなかった。意外と知られていないのかと思いながら、粛々と登山準備にかかり、7:28山の神とともに登山口へ。道標にしたがって車道を上がっていくと、すぐに2、3台は停められる駐車スペースが出てきた。実際帰りに1台停まっているのを見かけたが、すぐそばに沢があるので釣りの人かもしれない。

そのまま集落の横の道を上がっていくと、猛然と犬に吠えられる。登山者が脇を通過するたびにこうなのか。すぐに山道になり、いい感じのさわやかな森の登高となる。

 

野鳥がさえずり気持ちのいい道だねと山の神と話していると、カラスが寄ってきてカアカアとうるさい。興を削ぐなあといっていると突然それを打ち消すようにピーッ、ピーッと甲高い声が山中に響いた。何の音だろうと音のするほうを見ると、遠くにシカが1頭いた。母シカとはぐれたのか、強く大きい悲鳴のような声を発し続ける。しかし歩いているうちに山影に入って、その声も聞こえなくなった。


左:鶏冠山・横手山峠分岐 右:分岐の手前であえぐ山の神

ホタルブクロ(冒頭写真)の群生地を抜け、写真を撮りながらゆるゆると進む。なかなか柳沢峠からの道と合わさる分岐に出ない。少しペースを上げるかと山の神を見るとバテ気味だ。私はひと月ぶりの登山だが、山の神はほぼ2か月ぶり。間が空きすぎたか。昭文社の山地図の標準コースタイム40分よりも10分余計にかかって、ようやく分岐に到着した。


左:苔むした岩場を縫っていく登山道 右:樹間から青い山と青い空

分岐で水分補給をして鶏冠山へ向かう。日陰の登山道で涼しくていい。苔女子御用達の山域といっていいほど、きれいに苔むした岩場が連続して現れる。


左:鶏冠山・黒川金山跡・横手山峠分岐 右:鶏冠山山頂

鶏冠山・黒川金山跡・横手山峠の分岐に出て、すぐに鶏冠山かと思ったのだが、それは間違いだった。ここからが思ったより距離がある。歩きにくい岩場、偽のピークなんかもあって、9:28ようやく祠のある鶏冠山山頂に到着した。これまた標準タイムより遅れている。この区間はそれほどゆっくり歩いていないのにおかしい。元々あまり歩かれていないコースだから健脚者のコースタイムが記載されているのだろう(ということにしておこう)。


鶏冠山からの展望


鶏冠山から富士山も見える

鶏冠山からの展望はいい。富士山も遠望でき、山頂を踏む価値はある。


左:石積みがされた九十九折の下山路 右:立岩沢

9:35鶏冠山山頂を後にし、分岐から黒川金山跡に向けて下り始める。九十九折の長い道で、傍らに石積みが延々と続く。何か建物か畑でもあったのだろうか。予定よりもだいぶ時間がかかっているので、立岩沢は通過し、先へと急ぐ。


左:寺屋敷経塚と書かれている 右:近くにこんもりした場所。これが経塚?

山地図には出ていなかった「寺屋敷経塚」という標示が出てくる。奥のほうに土を盛ったような場所があったので、そこが経塚なのかと思ったが、どうなんだろう。私の勝手な推測では、金山では落盤事故などで亡くなる鉱夫が多かっただろうから、その供養のためにお経を納めて経塚をつくったのではと思った。


左:黒川金山跡上 右:沢を渡る

この辺りから長い下りに入り、山の神を不安のどん底におしやった。もしや寺屋敷尾根を下っているのでは?という疑念が膨らんだようだった。私を呼び止め、地図をチェックし始める。そういわれてみれば、下りすぎかもと私も地図を見る。でもまだ立岩沢から30分程度しか歩いていないし、この道が寺屋敷尾根なら左手にくっきりはっきりとついた登山道があったはず。そんな道は明らかになかったし、経塚から尾根を下ってきたような感覚はまったくない。進むべしと腰を上げて歩き始めると、5分もしないうちに「黒川金山上」と書かれた道標が出てきた。やはり間違いではなかった。


左:黒川金山跡循環歩道入口(立入禁止) 右:昼食(セブンのおにぎり、右上は辛味唐揚げ)

少し下って沢を渡ると、黒川金山跡循環歩道入口に至る。ここから少し循環歩道を歩くつもりだったのだが、なんと立入禁止だった。上部の入口が立入禁止なのは事前に知っていたものの、こちらも禁止なのは知らなかった。残念だが、引き返すほかない。また来ればいいんじゃと言い放ちつつ、入れないとわかると今度は腹が減ってきた。沢沿いでお昼にしようかと山の神に提案すると、すげなく熊が出そうだからもっと上に行こうという。少し押し問答をしたのち、結局は今下ってきた道を登り返すことになった。ほとんど無言で汗をかきかき登り、ちょっとした小広いスペースを登山道の左手に見つけ、そこでやっと昼食にありついた。


左:台風で傷んだ登山道にハシゴ橋 右:林道に出る

昼食後は来た道を戻り、途中の分岐から鶏冠山方面には上がらずに巻き道で横手山峠をめざした。まだ峠に出ないのかとじれていると、台風か何かで派手に登山道が崩落した地点を通ることになる。ちょっと渡るのが恐いハシゴ橋を越え、倒木をくぐり、豪快に崩れた沢を横切る。そこからしばらく耐えて歩いていくと青々とした芝生の空き地に出る。ここは一体なんだと思って視線を上げると、林道だった。


左:横手山峠でひと休み 右:シカに遭遇

林道沿いに進み、13:38横手山峠に到着。そこそこの暑さの中で予想外のロングトレッキングとなり、疲労感がにじむ。水分補給して10分ほど休憩し、最後のひと踏ん張りと気合を入れて歩き始める。とすぐに茶色い物体が左の眼の端を動いていくのがわかった。シカが走っていた。もしや朝目撃したシカだろうか。お尻が真っ白で子どものシカのように思える。手を振ってみると、何をしているのだろうと遠くからこちらをうかがっているように見える。そのうちそのシカは関心を失って、遠くに去っていった。

大菩薩ライン近くまで下りてくると、バイクの爆音が聞こえてきて、少しもわっとした熱い空気が流れてくる。戻ってきたぞ。そして集落を通過するときにまた犬に吠えられる。暑くても元気な犬だ。予定より1時間以上も遅れて、14:35マイカーに戻った。ドアを開けると、高温の空気がなだれをうって出てきた。あぢ。

帰りの高速は予想したよりは混んでおらず、渋滞はちょっとだけ。17:00過ぎに無事帰宅した。


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