目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

お花畑広がる夕張岳

2015-08-14 | 山行~北海道

標高 1667.8m 北海道

2015年7月24日(金) くもりのち晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 夕張岳ヒュッテ5:46--馬の背コース--6:36休憩6:46--冷水コース分岐--7:24石原平7:34--8:16憩沢8:22--9:28吹通し9:34--9:57夕張岳山頂(昼食)10:45--11:50憩沢12:00--13:05冷水コース水場下部13:10--13:33分岐--夕張ヒュッテ--13:57駐車場

前日昼頃夕張入りする。道すがら食べるところがないかと沿道を見てきたのだが、結局お店を見つけられず、夕張駅まで来てしまった。駅前にはゆうばり屋台村があり、その一画の鶴が亭で、串かつ定食(¥700安い!)を食べた。じつは夕張名物はカレーそばで、この屋台村でも幟を立てて宣伝していたのだが、わざわざ夕張に来て食べるものなのか?と思い、あえて違うものをオーダーしたのだ。たんにカレーそばを食べたくなかったということもあるが。

夕張メロンを物色したのち、市街地を出て約1時間ほどで林道のゲート地点にたどり着いた。連日の雨がそこここに水溜りをつくり、未舗装の林道を走ってきた愛車は泥だらけになっていた。ほんの少し前まではきれいだったのにと思わずため息がもれる。気持ちを切り替え、早く夕張ヒュッテに行ってゆっくりしようと、山の神を促した。今晩用のビールや札幌の大丸で買ってきた牛メシ弁当などの荷物をまとめて出発する。駐車場から15分ほどでヒュッテに着く。

 
左:ペンケモユウパロ川沿いの林道。ゲート地点の駐車スペース。 右:夕張岳ヒュッテ。向かって左手の炊事場には、朝方大きなクワガタムシがいた。右手の建設中の建物は、五右衛門風呂二つを設置する棟になる。

小屋番のおじいさんの話によると、前日は雨天にも関わらず、何人かが山頂目指して登っていった。今日は久々の晴れの予報だから、平日だけどそれなりに登山者はいるだろうとのことだった。しかし夕張岳ヒュッテに昨晩泊まったのは、われわれ以外には、単独行のおじさんのみだった。最近は車中泊の人も多いというから、あの駐車場で一夜を明かした人もいるのだろう。

この日は4:25に起床し、パンとスープの朝食をとった。5:30には小屋を出ようと準備を進めていたのだが、下だけゴアテックスの雨具をつけようと山の神が言い出す。検索して得た情報では、これから行く馬の背コースはヤブこぎになるから、かなり濡れるというのだ。そんなこんなでモタモタしているうちに出発は5:46になっていた。

 
左:馬の背コース 右:石原平

馬の背コースに入ると、たしかにヤブっぽいところがあって、雨具をつけていなければ、びしょびしょになるところだった。ぬかるんでいるところもあり、足場は悪い。天気がここのところずっと悪かったせいもあるだろう。辺りは白いガスにおおわれ、晴れてくる気配はいっさいない。そのうち単独行の方が山の神と私を軽々と追い抜いていく。北海道の山は、ロングコースばかりだからか、健脚者が多い。

歩き始めてそれほど経過していないのに汗がしたたる。気温は20℃もないが、やけに蒸し蒸ししていた。馬の背コースの途中でいったん水分補給をする(6:36)。そこからしばらく行くと冷水コースとの分岐に出た。相変わらず白いガスに覆われたままだ。わずかでも明るくなると、そのたびに晴れてきそうだと期待をにじませるのだが、すぐにまたガスに覆われてしまう。7:24早くも2回目の休憩を、シラネアオイの群生地、石原平でとる。休んでいるうちに、単独行の方が2人われわれの横をすり抜けていった。 

 
左:シナノキンバイ 右:イブキトラノオ

真っ白で何も見えない望岳台を通過し、単調な道を耐えて進むと、ようやく太陽が顔を覗かせ始めた。8:16憩沢に到着。一面黄色い花が沢の両端を埋めつくしている。シナノキンバイの群落だ。もういいだろうと、雨具の下を脱ぎ、日も照ってきたため、日焼け止めを塗る。

 
左:オタマジャクシがいたひょうたん池。上空の白い雲が映り込んでいる 右:ヒメエゾネギ

憩沢から少し上がると、森林限界を越え別世界になる。男岩やガマ岩などの奇岩を縫って進む。湿原には花があふれていて、まさしくお花畑だ。ヒメエゾネギにいたっては、驚くほどの大群落を形成していて、紫が延々と続く圧巻の眺めだった。グンナイフウロやイブキトラノオ、ユウバリリンドウ、マルバダケブキなど、次々に現れる高山植物の花、花、花。こんなに咲いているとは予想だにしなかった。 


快適な木道が続く

 
左:ユウバリリンドウ 右:マルバダケブキ

 
左:ヨツバシオガマ 右:エゾノクモマグサ

ヨツバシオガマや、鉢植えにして庭に置いたら、さぞかしきれいだろうなと思わせるエゾノクモマグサの可憐な白い花とにぎやかな道を進み、9:28吹き通しに出て休憩にした。名前の通り風が吹きぬける場所で、ちょっとガレている。ここには地べたを這うように、地味なグレー基調の葉を伸ばしているユキバヒコダイが群生していた。咲くとピンクで華やかなのだが、つぼみの状態だと黒い。まるで邪悪な魔女のような風体だ。山の神がその姿を見て、キモいと身震いしていた。あまりの不気味さに写真は撮らなかった。

 
左:下山しようとするとガスが湧いてきた 右:ユウバリアズマギク

吹き通しから一気に高度を上げていくと、上から何人もが下山してくる。その中には夕張岳ヒュッテでご一緒したおじさんもいて、その足の速さに驚かされた。山の神と私は、9:57夕張岳山頂に到着した。ガスが次から次へと湧いてきて、あまり見晴らしはよくない。それでも時折ガスが押し流されて、緑の山肌が見えた。


山頂から夕張岳神社を見下ろす

山頂で昼食をとり、10:45下山開始。山の神と私の後に山頂に上がってくる人がいなかったので、登山者はわれわれで最後かと思っていたところ、湿原まで下ると、まだまだ登ってくる人も多い。これだけのお花畑があれば、やはり人気が出て当然といったところか。再びお花を堪能し、来た道を戻った。最後往路にとった馬の背コースは下らずに、冷水コースを下った。蒸し蒸しとして単調な道だ。分岐に出て少し登り返し、ヒュッテに置かせてもらった荷物をピックアップ。林道のゲートには、13:57に到着した。

 


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