マンゼたちの演奏できいてきたヴァイオリン協奏曲集、これからきくのはニ短調の2つのヴァイオリンのための協奏曲。「2つのヴァイオリンのため」といっても、すでにきいたBWV1043ではなく、BWV1060がしめすとおり、2台のチェバロのための協奏曲第1番から復元されたものです。BWV1060から消失した原曲を復元するさい、ソロ楽器にはふつうオーボエとヴァイオリンがあてられるのですが、マンゼたちは、2つのヴァイオリンのための協奏曲として復元。
個人的には、「オーボエとヴァイオリン」より、「2つのヴァイオリン」のほうがしっくりするのですが、「オーボエとヴァイオリン」稿があまりにひろまったため、マンゼたちの復元には違和感をもつかたもあるかもしれません。しかし復元稿の問題を無視しすれば(しなくても)、マンゼたちの演奏がおもしろいことはたしか。随所に即興的な音がちりばめられており(チェンバロ稿からも援用しています)、とても刺激的です(ほかの協奏曲も同じ傾向)。
CD : HMU 907155(harmonia mundi)