これからきくのは、ザムエル・クンマーによる「フーガの技法」(BWV1080)です。クンマーは1968年生まれのドイツのオルガン奏者。「フーガの技法」の録音は2020年で、弾いているオルガンは、ツァハリアス・ヒルデブラントによる、ナウムプルクの聖ヴェンツェル教会のそれです。オルガンの建造は1743年から1746年、1993年から2000年にかけて修復が施されています。この録音で注目されるのは、その秀逸な録音。堂内をゆるがす音の偉容を堪能できます。そしてなにより、未完成の「3つの主題」によるフーガが補完されていること(収録は未完のフーガ、「汝の御座の前に、われいま進み出で」のあと)。補完はクンマーがおこなっており、「フーガの技法」のはじめの主題と結合され、「4つの主題」によるフーガとしています。
CD : AE-11291(AEOLUS)