今週後半にきいてきたのはロシアのオルガン奏者、アレクサンドル・フィセイスキーの「Johann Sebastian Bach: Alexander Fiseisky, organ」(Melodiya MEL CO 1543)です。アルバム収録曲から4曲の自由曲を順にきいてきて、最後に楽しむのはニ短調のトッカータとフーガ(BWV538)。ニ短調のトッカータとフーガといっても、こちらは有名でないほうで、区別して「ドリア調」と呼ばれます。フィセイスキーの解説によると、トッカータはアントニオ・ヴィヴァルディの協奏曲の影響が、そしてフーガはドイツ語クレド「われら皆一なる神を信ず」(BWV680)との類似がみられるということです。使用楽器は1984年建造のW. ザウアー・オルガン工房のオルガン(ウクライナのヴィーンヌィツャのオルガン・室内楽ホール)。録音は1990年です。