この1週間をしめくくるのは、世俗カンタータ「悲しみのいかなるかを知らず」。このBWV209は、バッハにはめずらしいイタリア語のカンタータで、バッハの弟子であったローレンツ・クリストフ・ミツラーの送別のためとも、トーマス学校長であったヨーハン・マティーアス・ゲスナーの送別のためとも(両説はいずれも1734年)。ネーメト(フルート)指揮のカペラ・サヴァリア、そしてザードリ(ソプラノ)の演奏は、20年ほどまえの録音で、いまきくと、ちょっと不満がのこるかもしれません。ちなみに、先日きいたロ短調のフルート協奏曲(記事は「バッハではないバッハのフルート協奏曲」)の第1楽章は、このカンタータのシンフォニアでした。
CD : QUI 903010(QUINTANA)