3月2日からほぼ1カ月をかけてきいてきた、レオン・ベルベンによる「クラヴィーア練習曲集 第3部」。これからきくのは、曲集劈頭のとプレリュードと、掉尾のフーガをあわせた、変ホ長調のプレリュードとフーガ(BWV552)です。ベルベンは、ムジカ・アンティクヮ・ケルン(MAK)でチェンバロを弾いていたということから想像するほどには、突出した個性を感じることはありません。が、それでもこのBWV552のような自由曲だと、リズム処理の鋭さや、フーガにおける推進力などは、やはりMAKの奏者だったと思わせるところでしょうか。師である、ボブ・ファン・アスペレン、トン・コープマン、グスタフ・レオンハルトの個性が、うまく混合されたといえるかもしれません。
CD : RAM 1305(RAMÉE)