オッターヴィオ・ダントーネ(チェンバロ)による「平均律クラヴィーア曲集」。第1巻と第2巻をあわせた48曲のプレリュードとフーガを、ベーラ・バルトークの実用譜の配列順に、8週にわたってきいてきました。バルトーク版の最後(つまり第2巻に収録された第48番)は、オリジナルの第2巻第23番(BWV892)。バルトークが前番の第47番(BWV885)や、前々番の第46番(BWV891)ではなく、BWV892を最後にもってくるあたり、バルトークの音楽観があらわれているということなのかもしれません。
CD : 47657-2(ARTS)
練習曲という観点での捉え方には、それぞれの編纂者の音楽館など見識が現れるのでしょう。すべての曲をハ長調に移調して、「調性の呪縛」を排除した、等という乱暴な例もありますから・・・。
いずれにして、毎回「つぎはどの曲かな・・・」と思いながら拝見した2ヶ月でした。
バルトーク版は20世紀前半のバッハ理解を知る上でおもしろいのでは、と思ってききはじめました。とはいえ、同版にもとづく演奏ではないので、バルトークの意図を音で確かめるというわけにはいきませんが、それなりに楽しめました。
バッハが「平均律」で弟子に教えるさい、何を基準にしていたのでしょう。弟子のH.N.ゲルバーに「三回も通して」弾いたという記録がありますが、その時はどうしていたのでしょうか。興味は尽きません。
ところで、ご存知かもしれませんが、「音楽の大福帳」http://blog.goo.ne.jp/nybach-yokoというブログがあります。「平均律クラヴィーア曲集・アナリーゼ講座」を開催されていた、作曲家の中村洋子さんのブログですが、興味深い記事がありますね。