■恋と涙の17才 / つちやかおり (東芝)
掲載したのは昭和57(1982)年お6月に発売された、つちやかおりの歌手デビュー作となったシングル盤で、ここにA面収録されたのはタイトルからも皆様ご推察のとおり、レスリー・ゴーアが1964年初頭に全米に次いで、我が国でも大ヒットさせた「You Don’t Own Me / 恋と涙の17才」の日本語バージョンではありますが、ジョン・マダラ&デイヴィッド・ホワイトが作詞作曲した本家オリジナルバージョンの歌の世界が、女性の自立と申しましょうか、自分の女を私物化しようとする男への反抗を主題としたものとは別に、湯川れい子が附した歌詞は、自分に何もしてくれない憧れの男への期待と不安を吐露する乙女心(?)のアンバランスな心情?
という感じの、如何にも危ういムードを「売り」にしたアイドルソングなんですから、サイケおやじにとっては、いやはやなんとも……。
しかし、これをゲットしたのは以前にも書きましたが、ある時期に「台詞入り」の楽曲を蒐集していたという、その一環からの結果でありまして (^^;
それでも聊かマイナームードのジャケ写ポートレートは、なかなか自分の趣味に合致していますし、レスリー・ゴーアのオリジナルバージョンで強い印象を残した所謂「三連バラード」を現代風(?)に移し替えた椎名和夫のアレンジも上手く、つちやかおりの切々とした節回しが持ち前の細身のハイトーンボイスとジャストミートの仕上がりは、それなりに期待を裏切っていないと思うんですが、いかがものでしょう。
お目当て(?)だった「台詞」のパートも、如何にもの芝居っ気が憎めませんし、結果的に大ヒットとまでは言い難いデビュー曲ではありましたが、続く傑作「哀愁のオリエント急行」への助走としては、良かったのかもしれません (^^;
ということで、既に述べたとおり、これがもしも「台詞入り」じゃ~なかったら、サイケおやじはスルーしていた1枚?
かと問われれば、実は決して……、そ~ではありません。
何故ならば、サイケおやじはレスリー・ゴーアが大好きですから、つまりはクインシー・ジョーンズがプロデュースしている彼女のレコードや関連作を集めている過程での遭遇が、つちやかおりの「恋と涙の17才」だったという真相もあるのです (^^ゞ
いゃ~~、好きなものに拘るってのは、やっぱり快感だと思うばかりです。