OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

オールマンズは二度死ぬ

2017-01-29 17:51:21 | Allman Brothers Band
Restoration / The Allman Brothers Band (FM Concrt Broadcasts Ltd. = CD)

 01 Introduction
 02 Midnight Rider
 03 Blue Sky
 04 One Way Out
 05 Statesboro Blues
 06 Southbound
 07 Jessica
 08 Good Lovin'
 09 Key to the Highway

その長いキャリアの中で何度も離散集合を繰り返してきたオールマンズではありますが、殊更1986年の短期リユニオンツアーには久々にチャック・リーヴェル(p) の参加が目玉でしたから、そのライブの現場に参集が叶わなかったファンにとっては、本日ご紹介のCDは嬉しいプレゼントでしょう。

それは同年10月31日、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催された「CRACKDOWN」と冠されたベネフィットコンサートに出演したステージからのライブ音源を収録したブツで、ネタ元はFM放送用のソースですから、音質もそれなりに普通に聴けるレベルですし、プログラムも上記したとおり、往年のオールマンズの十八番演目が楽しめるんですねぇ~~♪

しかも件のコンサートにはオールマンズ以外のミュージシャンが大勢登場していたので、適宜ゲストが入っての演奏も聴けるのは興味津々♪♪~♪

とはいえ、やっぱり本当に惹きつけられるのは前述したとおり、チャック・リーヴェルの復帰でありましょう。

というのも、ここまでのオールマンズはデュアン・オールマン(g) とベリー・オークリー(b) という結成時以来のメンバーを事故で失うという危機を乗り越え、1973年に出したアルバム「ブラザーズ&シスターズ」の爆発的な大ヒットから新たな全盛期を迎えながら、グループ内はメンバー間の確執と不仲、さらにはグレッグ・オールマンの悪いクスリによる逮捕から、ついには1976年に分裂解散……。

それでも1979年には再結成の運びとなり、1982年までの間にLP3枚と公式ライブ映像等々を残すのですが、所属レコード会社の閉鎖や様々なゴタゴタがあったようで、再び活動停止に追い込まれていたわけですし、そんな紆余曲折の中にはチャック・リーヴェルが加わっていなかったのですから、ファンにとっての1986年のリユニオンは待ちに待ったという思いです。

で、ここでのメンバーは冒頭に収録されているMCにより、グレッグ・オールマン(vo,org)、ディッキー・ベッツ(vo,g)、ダン・トーラー(g)、チャック・リーヴェル(p)、ブルース・ウェイベル(b)、ブッチ・トラックス(ds,per)、ジェイモー(ds,per) という顔ぶれなんですが、新顔のブルース・ウェイベルは当時のグレッグ・オールマンのバックをやっていたらしく、なかなか堅実なプレイは違和感がありません。

また、ダン・トーラーはオールマンズの最初の解散からディッキー・ベッツが正式に率いたグレイト・サザンのレギュラーでしたから、ベッツ親分とのコンビネーションも良い感じ♪♪~♪ この音源では左サイド寄りにダン・トーラー、センターから右サイド寄りにディッキー・ベッツのギターがミックスされていますので、そのあたりも存分に♪♪~♪

ですから、初っ端の「Midnight Rider」は幾分ギクシャクしながらも、バンド全体から発散されるどっしりしたグルーヴが素晴らしく、続く「Blue Sky」でチャック・リーヴェルのピアノが飛び出す頃には、すっかり気分は綻んでしまいます。

そして「One Way Out」には最初のゲストとしてポール・バターフィールド(hmc)が入り、そのなかなかにカントリー&スワンピーなブルースロックには、思わず腰が浮いたりします♪♪~♪ ただし、これにはデュアン・オールマンの超名演が残されていますからねぇ……、ギターが物足りないと思うのも正直な気持ち……。

それでも、そんなバチアタリの不満を補ってくれるのがグレッグ・オールマンの入れ込んだ(?)ボーカルで、お待たせしました、皆が大好きな「Statesboro Blues」では例の「I'm goin' to the country, baby do you wanna go?」の一節の熱さ、そして「Southbound」においては、ディッキー・ベッツを打ち負かさんとするが如き力みは最高ですよっ!

となれば、当然ながらこの「Southbound」の熱演は半端無く、そりゃ~もう、凄いの一言!!

転がりまくるチャック・リーヴェルのピアノ、ジャジーなフレーズも入ったダン・トーラーのギターに負けじと奮闘するディッキー・ベッツは、殊更後半のツインリードで熱くさせてくれますし、リズム隊の突進力は言わずもがな、もう、このトラックを聴けただけで、このブツの存在価値は充分に高いと思うばかりです。

そしてオールマンズと云えば、今や欠かせない人気演目となっている「Jessica」においても、きっちりお約束のフレーズを弾いてくれるチャック・リーヴェルは看板スタアの存在証明! この楽しさもまた、オールマンズ不滅の魅力でしょう。

こうしてステージはいよいよ大団円!?

オールマンズにしては馴染の無い「Good Lovin'」は、もちろんラスカルズが1966年に放った懐かしのロックヒットではありますが、ここではなんとっ! そのラスカルズの中心メンバーだったフェリックス・キャバリェがゲスト参加して、律儀に歌っています。

さらにオーラスのブルース大会「Key to the Highway」にはミック・テイラー(g)、カルロス・サンタナ(g)、スティーヴン・スティルス(g) 等々が入ってのセッションが繰り広げられますが、こちらは音の整理がゴッタ煮状態で、ちょっぴり煮え切らなさが勿体ない……。

やっぱりこれは、チャック・リーヴェルが一時的にせよ復帰したオールマン・リユニオン・バンドを楽しむのが本筋のような気がします。なにしろ1989年から現在に続く復活オールマンズには、チャック・リーヴェルが入っていないのですからっ!

ただし、このCDには個人的に大きな不満があって、それは収録トラック毎に打たれたチャプターの所為で、曲間の変わり目で一瞬音が途切れるというのは、せっかくノリが良いライブの流れをシラケさせての大減点!

それを改善した別商品も既に出回っているかもしまれせんが、ご紹介したブツに関しては、サイケおやじの使っている様々なオーディオ機器全てでそんな状況ですので、皆様にはお知らせした次第です。

しかし、それでもサイケおやじは、ここに聴けるオールマンズが気に入っています♪

実はネットでも同じ音源は聴けますし、同じメンバーによる別な日の演奏の映像もアップされていますが、やっぱりオールマンズに関しては何故か、パッケージ化されたソフトを持っていたいんですよ。

それもファン心理のひとつとご理解いただければ、幸いでございます。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山川ユキの確実な存在感 | トップ | PCの気持はど~なんだろう »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この人も・・・ (アンディP)
2017-05-28 18:45:03
グレッグ・オールマン逝く。
享年69。
今夜は、"Whipping Post" のソウルフルなボーカルでも聴きながら、冥福を祈ることにします。
合掌。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Allman Brothers Band」カテゴリの最新記事