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サイケおやじの生活と音楽

今こそ復活の日へ向かって

2020-04-05 17:36:15 | Movie

復活の日のテーマ / ジャニス・イアン (日本コロムビア)

もはや世界中に蔓延したコロナウイルスの脅威により、小松左京の傑作SF小説「復活の日」、またはそれを原作とした同名映画を思い出した皆様も大勢いらしゃると思います。

なにしろストーリーの根幹はスパイによってイギリスの軍事研究所から盗まれた猛毒のウイルスが、飛行機事故によって雪山に墜落拡散した事により、人類が滅亡の瀬戸際に追い込まれ、辛うじて生き延びた南極観測基地の隊員が国家間の枠組みを取っ払い、復活の日を目指すという発端から、大地震による核ミサイルの脅威を防ぐために、主人公がホワイトハウスに赴き、そして……!?

という展開で、もちろんクライマックスには大きな悲劇とドンデン返しが用意されいるのですが、この物語を小松左京が発表したのは昭和39(1964)年だったのですから、おそらくは日本でも全く初期のハードSFでしょう。

そして、これを映画化したのが角川春樹事務所とTBSの共同制作による昭和55(1980)の東宝配給作品「復活の日」で、草苅正雄や渡瀬恒彦、そして千葉真一や森田健作、多岐川裕美、中原早苗、丘みつ子といった日本側のスタアに加えて、ボー・スベンソンやジョージ・ケネディ、チャック・コナーズ等々の海外の有名俳優陣も多数出演し、監督が深作欣二という事でしたから、既に公開前から大きな話題になっていました。

しかも、今や伝説とも云える角川春樹事務所主導によるテレビCMをメインにした大宣伝や当時我が国でも人気が高かったジャニス・イアンが主題歌を担当するという強力なウリは効果絶大!

同年初夏に封切られるや、賛否両論はあったにせよ、日本では大きなヒットになったんですが、これが海外ではコケまくり……。

その大きな要因はアメリカ人スタッフにより編集された海外版の不出来とか、様々に理由はあろうかとも思いますが、個人的には日本人的な感性とのズレもあったのかもしれません。

しかし、それはそれとして、きっちり海外ロケも敢行されていますし、特に実際に南極で撮影してしまった本物追求の姿勢は流石、深作欣二監督の拘りが全開したものでしょう。

ですから、製作費用も莫大ならば、宣伝費も多額となり、結果的に赤字を計上したと云われてはいるんですが、こ~した映画に対する愛情が滲み出た商業主義を、サイケおやじは否定する気にはなりません。

そして現在のウイルス禍による外出自粛であればこそ、個人宅で映画「復活の日」を鑑賞するのも、決して悪くはないと思います。

さて、そこで本日ご紹介は、そのジャニス・イアンが歌った主題歌「復活の日のテーマ / You Are Love」で、作詞はジャニス・イアン、そして作編曲とプロデュースを担当したのが、アメリカの大プロデューサーであるテオ・マセロなんですから、これぞ正しく超大作の存在証明!?

と書いたのも、サイケおやじとしては、この幾分大袈裟なドラマチック感にイマイチ馴染めず、悪い予感に満たされたAメロから暗い中にも希望が垣間見えるサビの展開で、ようやく音楽を聴く楽しみに遭遇出来るという、苦し紛れのレコード鑑賞になっていたのが、リアルタイムでの率直な気持ちでした。

しかし、本日あらためて聴いてみると、これが不思議と心に染み入る名曲名唱と思えたんですから、時の流れは偉大(?)です。

ということで、映画「復活の日」は当然ながらソフト化されておりますので、どうかこの機会にお楽しみくださいませ。

こんな物語は、絶対に回避出来ますように祈っている事は、言うまでもありませんが。

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