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サイケおやじの生活と音楽

倉田保昭! 衝撃の登場!

2023-09-01 10:52:46 | Movie

闘え!ドラゴン / 子門真人 c/w ロンリー・ドラゴン / 倉田保昭 (ワーナーパイオニア)

映画界の本格アクションスタアとして、倉田保昭は絶対に忘れられません。

実際、「和製ドラゴン」としての登場は如何にも衝撃的であり、その我が国における大ブレイクの端緒は昭和49(1974)年に公開された香港制作のアクション作品「帰ってきたドラゴン」だったんですが、もちろん、これはブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」が前年末に公開されるや、忽ちにして爆発的な大ヒット・大ブームを巻き起こした流れを受けての興行でありましたから、そこへ日本人のカンフースタア=倉田保昭が出演しているという話題は沸騰!

ただし、この時点での日本における倉田保昭の知名度は知る人ぞ、知る!?

しかし、封切られた前述「帰ってきたドラゴン」は、ブルース・リャンとの猛烈なカンフーアクションが冴えまくり、正に手に汗握る大興奮の仕上がりでしたから、それこそ、一夜にして倉田保昭は日本中に名前を売ったわけです。

そして当然ながら、日本の映画演劇界からの出演依頼も相当に多かったわけですが、その頃の倉田保昭は香港映画界では悪役として絶大な存在感があり、撮影スケジュールも厳しかった中にあって、それでも我が国の宣弘社が制作したのが、昭和49(1974)年7月から放映された30分枠のテレビドラマ「闘え!ドラゴン(東京12ch)」であり、掲載したのは、その主題歌とラストテーマを収録したシングル盤なんですが、それはそれとして、まずは件のテレビドラマ「闘え!ドラゴン」は、とにかく倉田保昭のカンフーアクション全開を第一義とした作風が当然の狙いであり、それゆえに前述「帰ってきたドラゴン」で共演したブルース・リャン等々の香港スタア俳優、そして我が国からも現役プロレスラーだった羽田光男や伊藤正男、さらには志穂美悦子の主演作「女必殺拳」やテレビ特撮ドラマ「カゲスター」での素敵なパンツ見せでファンを熱くさせた早川絵美の他にも時代劇や特撮ドラマでお馴染みの顔ぶれが続々登場したという人気作でありました。

もちろん、主役・倉田保昭の溌剌としたカンフーアクションは最高の極みなんですが、倉田保昭の凄いところは本人が幼少期から修練を積んでいた空手の有段者であり、加えて柔道や合気道においても段位を持っているという本物の格闘家としての実力があればこそ、アクション演技においては相手に「当てる」「当てない」という所謂殺陣の「お約束」があろうとも、そこでのキレやキメには偽りがありません。

このあたりは、件の「闘え!ドラゴン」が、しっかりとパッケージ化されておりますので、ぜひとも、皆様には、お楽しみいただきたいところです。

ちなみに倉田保昭が香港映画界において確固たる地位を築いたのは、我が国でも一応は役者としての活動はあったものの、それは端役ばかりだったところに香港の映画会社「ショウ・ブラザーズ」のオーディションの話が舞い込み、即合格から単身香港へ!

それが昭和46(1971)年からの伝説のスタートとして、その頃からの出演作が前述した「帰ってきたドラゴン」を筆頭に、後に我が国でも続々と封切られていったわけですが、日本人俳優は基本、当地では悪役であり、それが強ければ強いほど、ラストのカタルシスが大きいというポイントからしても、武道に秀でていた倉田保昭の半端無い強さは、抜群の存在感を発揮していたわけです。

さて、そこで、よ~やく掲載盤のご紹介ということで、まずはA面収録の「闘え!ドラゴン」は作詞:伊上勝&作曲:菊池俊輔が提供したアップテンポのスリリングなアクション歌謡であり、それを歌っているのは説明不要、子門正人ですから、ロッキンソウルなファイト節がハナからケツまで、リスナーをシビレさせてくれるわけですよ (^^♪

実際、サイケおやじは日常生活のおいて、ヘコタレそ~になった時、この「闘え!ドラゴン」のテーマ曲が頭の中に鳴り響く瞬間さえあるほどです (^^♪

そして一方、B面収録の「ロンリー・ドラゴン」は、やはりA面と同じ制作スタッフが提供した番組ラストテーマですから、スローテンポで哀愁に満ちた歌詞の世界と泣きメロが心に染み入る名曲であり、しかも、歌っているのがドラマの主役を演じた倉田保昭ですから、たまりません。

それは正直、決して上手いとは言い難い、「味の世界」の歌唱力で聴かせる仕上がりですから、その朴訥とした歌いっぷりに好き嫌いがあるのは当然だとしても、激しいアクションとスリルに溢れた劇中本篇を堪能した後には、これほどジャストミートするラストテーマは有りますまいっ!

このあたりも、皆様には、ご確認いただきたいところです。

ということで、冒頭で述べたとおり、やはり倉田保昭は世界的なアクションスタアという位置付けが今日では一般的かもしれませんが、もうひとつ、決して忘れてはならないのが俳優としての本質的演技の素晴らしさでしょう。

それは昭和50(1975)年からスタートした人気テレビドラマ「Gメン '75」にレギュラー出演しての草野刑事としての活躍であり、件のドラマが単なる警察アクションというよりは、犯人側の人間模様や被害者夫々の深い事情等々までも遠慮せずに抉り出す作風でしたから、そのハードボイルドでありながら、人情劇をも含む演出の中で、常々アクション第一主義と思われていた倉田保昭が披露した演技は、原田大二郎や岡本富士太、夏木陽介等々の共演者の中にあっても、強い印象を残しているのです。

そのあたりは現在、デアゴスティーニから鋭意復刻中の「Gメン '75」のDVD諸作をご覧くださいませ (^^)

ということで、倉田保昭の偉大さについては、まだまだ語りつくせるものではありませんし、サイケおやじの稚拙な筆では、尚更です <(_ _)>

しかし、倉田保昭の出演作は何れも面白く、香港映画作品においては絶対的な悪役に徹しながら、その強さは半端無く、主人公よりも強烈な印象を残すほどです。

例えば、サモ・ハン・キンポーやジャッキー・チェンと共演した傑作「七福星」では、なんとっ!

大スタアのジャッキー・チェンに勝ってしまうという大暴れ (^^♪

そんなこんなの大活躍は多くの映画で楽しめるわけですが、もうひとつ、これまた大きな功績が自ら設立したアクションクラブにおいて、多くの俊英アクション監督や俳優を育て上げたという、それも古希を過ぎた現在でも元気に活動しておられる倉田保昭の素晴らしい仕事だと思っております。

うむ、ドラゴンの闘いは、今も続いているんですねぇ~~ (^^)

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