OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ちょっぴりでも光明だったピンナップス

2021-09-04 16:58:18 | 日本のロック

抱きしめてBABY / ピンナップス (invitation / ビクター)


 
基本的にパンク~ニューウェイブはNGのサイケおやじではありますが、もちろん、その全てを否定するものではありません。

なぁ~んていう、聊か居直った言い訳を弄したところで本日ご紹介するのは、昭和56(1981)年にメジャーデビューしたピンナップスが2nd シングルのA面曲として出した「抱きしめてBABY」です。

ちなみにサイケおやじが抱いている「ニューウェイブ」という音楽ジャンルは、エルヴィス・プレスリーやビートルズによって世界中の文化を変革させた「ロック」が、あらゆる音楽様式を取り込みながら肥大化し、それが一回りして後にスタートした温故知新の白人音楽というイメージですから、ちょいと先日も触れましたXTCあたりがやっていたモダンポップなスタイルが象徴的なところと思っているもんですから、ここに掲載したジャケ写のキッチュな感覚は、それだけでジャストミート!?

そして肝心の「抱きしめてBABY」は、オールディズ歌謡にバブルガム風味を塗した楽しいポップロックなんですねぇ~~♪

そこで制作クレジットを確認すると作詞作曲はピンナップス、そしてアレンジには近田春夫が参画しているというのですから、さもありなん?

と言うのも、近田春夫はGSブーム末期にプロ活動をスタートさせたキーボード奏者で、ロック・パイロットやクニ河内のバンド等々の他に歌謡曲やアイドルシンガーのバックバンドで稼ぎながら、ハルヲフォンと名乗る自己のグループもやっていたんですから、芸能界の酸いも甘いも知り尽くしていた異才?

なんでしょうが、平たく言えば、業界の裏方的な仕事も普通にやれていたのでしょう、あのジューシィ・フルーツを誕生・ブレイクさせたのも、近田春夫の功績が大きかったと云われています。

で、このピンナップスなんですが、メンバーは野元貴子(vo)、江蔵浩一(g)、堀井隆之(b)、今井智(ds) という4人組で、野元貴子にはリタと名乗ってガールズに参加していた履歴がありますから、それなりに最初っから固定のファンが付いていたのかもしれませんが、それはそれとして、音楽的には当時人気が高かったデボラ・ハリーとブロンディの路線を狙っていたと思うんですが、いかがなものでしょう。

実際、ライブステージではモータウン系のヒット曲に日本語歌詞を乗せた様な替歌洋楽(?)をガレージロックなサウンドでやっていましたからねぇ~~、この「抱きしめてBABY」の強いビート感には、思わず納得させられてしまいます。

しかし、残念ながらピンナップスは大きなブレイクもないままにフェードアウトしてしまったというか、確か翌年には近田春夫と野元貴子が新バンドを結成したという記憶もありますし、本家(?)ブロンディにしても、同じ頃に解散してしまった事も、なんらかの影響があったのかもしれません。

それでもピンナップスとして残した2枚のLPは、アメコミ風のジャケットデザインが今も人気のアイテムであり、収録楽曲も楽しさ優先のトラックばかりなので、再評価を望みたいバンドのひとつであります。

ということで、有名な歌のセリフになっちまいますが、古い奴こそ、新しいものを欲しがるもんでございます、とはサイケおやじの極めて片隅の心情吐露であり、だからこそ、鼻白んでいたパンク~ニューウェイブの音楽的流れの中に、ひとつの光明を見つけたいと願っていたのは偽りのない本音でありました。

そしてピンナップスは、そ~した気分のサイケおやじには、ホッとさせられたバンドだったのです。

もちろん、失礼ながら、毎日とか、何時も聴きたいバンドではありませんが、たまぁ~~に耳にすると、我知らず浮かれた気分にさせられるのが、ピンナップスの「抱きしめてBABY」というわけです。

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