OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

プロレス&ミュージックの熱い名著

2021-11-06 17:06:13 | Book

昭和プロレステーマ曲大事典 / コブラ (辰巳出版)

最近は何事に対しても、以前の様な情熱が薄れているという、これって「ボケの始まり?」なぁ~んていう自覚症状も顕著なサイケおやじを久々に熱く燃えさせてくれたのが、本日ご紹介の「昭和プロレステーマ曲大事典」です。

その内容はスバリッ!

昭和のプロレス会場で流されていた、「レスラーの入場テーマ曲」を徹底解説した、これぞっ!

究極のマニア本というのみならず、全てのプロレスファン、そして音楽好きならば必読の名著と断じて、サイケおやじは後悔いたしません。

それは説明不要かとは思いますが、当時のプロレスはテレビのゴールデンタイムで高視聴率が当たり前という人気ジャンルであり、必然的に各団体、つまり新日本プロレス、全日本プロレス、国際プロレスというメジャーなシリーズ興行が試合会場から中継されていましたから、そこで流されていた前述「レスラーの入場テーマ曲」も、視聴者の耳に届いていたのが自然の成り行きで、だからこそ、それに着目したレコード会社が所謂「プロレスレコード」を制作発売しており、中には一般的(?)にヒットした楽曲も幾つか出ていた事は、皆様ご存じのとおりです。

しかし、同時に、これは必要悪とは申しませんが、レコード会社の勝手な思惑や権利関係諸々の事情から、実際に興行会場で流され、テレビの中継放送で耳にしていた楽曲のバージョンやテイクと異なるトラックが収められたレコードが、これまた少なからず存在していたのも、せつない事実……。

著者のコブラ氏は、小学生の頃からプロレス観戦を楽しみながらも、その「レスラーの入場テーマ曲」の存在にも魅せられ、今日まで夥しい音源を蒐集分析しているコアなマニアであり、その基本姿勢は、徹底したオリジナルバージョンの追求にある事は、この名著の序文「まえがき」でコブラ氏が述べているとおりであり、サイケおやじは、ここだけで胸が熱くさせられました (^^)

実は、サイケおやじがコブラ氏の研究に最初に接したのは、ネットでミック博士が運営の人気サイト「昭和プロレス研究室」から発行されているファンジン「昭和プロレスマガジン第20号(April 2010)」に掲載の「プロレス・レコード・レビュー」と題された熱烈な研究報告であり、以降同誌において、同系のレポートを発表し続けた、その成果のひとつが、ご紹介の「昭和プロレステーマ曲大事典」でありましょう。

いゃ~~、とにかく内容の濃さは驚異的で、なにしろ既に述べたとおり、徹底したオリジナルバージョンへの拘りは、使用されたレコード音源のみならず、それが、どの様に編集されているのか!?

また同じトラックでも、シリーズ毎に流される場面(?)の区別、さらにはレスラーが団体を移籍して参加した場合の違い等々、読むほどに納得して感服させられるばかりか、当該レコードのジャケ写までもがカラーで掲載されているのですから、思わず中古屋で猟盤活動に勤しみたくなるのは、サイケおやじだけではありますまいっ!

ちなみに本書の構成は、レスラー名の「あいうえお」順であり、それは外人レスラーであっても、ここは日本だぁ~~!

なぁ~んて、サイケおやじには嬉しい仕様であり、今では「外国人」と称される言葉も、やはり昭和プロレスの場合は「外人」ですよねぇ~~ (^^ゞ

閑話休題。

また、前述した団体の他に、第一次UWFとジャパンプロレスという、昭和プロレスを語る場合には絶対に外せないお騒がせ(?)団体も取り上げているのは嬉しいところでしたし、各団体がリーグ戦や特別興行開催時に用いたシリーズテーマ曲等々にも触れているのは流石だと思いました。

もちろん、全篇を読み進めるうちに、主題そのものの歴史や変遷、各局テレビ放送の内部事情等々が自然に知識として蓄えられるのも、こ~ゆ~類の書籍の中では、ダントツの濃密さですよっ!

ということで、冒頭で述べたとおり、これは決してプロレスファンだけのマニア本ではなく、広く音楽愛好者や昭和のテレビ放送等々に興味を抱く全ての皆様に強くオススメの名著 ♪♪~♪

あぁ~~、久々に血が騒ぐと申しましょうか、基本的に音楽関係の資料本は読まない・買わない主義のサイケおやじではありますが、これは座右の1冊とさせていただきます (^^♪

そして著者のコブラ氏のディープな情熱に感謝感服の次第であります (^^)

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1 コメント

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Unknown (グレートバンビ)
2021-11-07 03:19:03
あちらの掲示板から飛んでまいりました。というか、なんと素晴らしいブログでしょう。私もかつて某私大有名ビートルズサークルに籍を置き、リッケンバッカー325やエピフォンカジノに囲まれて生活するものです。ポール御大の来日時はある種の宗教的儀式と思い毎回参加しております(うち一回は東京ドーム最前列)。この記事への書き込みとしては甚だ申し訳ないのですが、改めてご挨拶させていただきました。
もちろん本書は本日拝読し、その熱量に圧倒される思いでした。

追伸:神保美喜嬢とは一度一緒にお酒を飲むという僥倖に授かりました。嬢と呼ぶには些か貫禄過多ではありましたが。
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