■甘い予感 / 団次郎 (日本コロムビア)
俳優、そしてトップモデルとして活躍した団次郎=現・団時朗の訃報に接しました。
故人のキャリアの中では、もちろん男性化粧品「MG5」のイメージモデルとして、その日米ハーフならではの長身と堀の深い面立ち、さらには私生活でも抜群のファッションセンスを見せていただけに忽ち大ブレイク!
当然ながら、商品そのものもバカ売れしていた事は、例えばベタベタしないヘアトニック等々、サイケおやじも一時期使っていたという、その長髪向けの仕様も良かったわけですが、そんなこんなを実践的にリードしていたのが、団次郎のカッコイイ佇まいと振舞いでありましたから、そ~ゆ~スタアが映画やテレビドラマに多数出演していくのも自然の成り行きでありましょう。
それが昭和43(1968)年頃からの故人の本格的芸能活動のスタートだったのかもしれませんし、特に昭和46(1971)年から放送開始となった「帰ってきたウルトラマン(TBS)」における主人公・郷秀樹としての活躍は、歴代シリーズの中でも最高にダンディな当たり役だったわけですし、番組そのものが所謂「第二次怪獣ブーム」を牽引していたという歴史認識共々、忘れがたい印象を残したんですが、故人のキャリアは決してそれだけではなく、前述したとおり、テレビドラマや映画演劇への夥しい出演作に加え、歌手として残してくれたレコーディングにも素敵なレコードが幾枚かあります。
本日掲載したのは、その中の1枚として、昭和45(1970)年に発売された人気作で、とにかく作詞:山上路夫&作曲:村井邦彦、そして編曲:東海林修という、和製ソフトロックをリードした制作陣から提供されたA面曲「甘い予感」はボサノバ歌謡の大傑作 (^^♪
それはジャジーなアレンジが附されたミディアムテンポのオシャレな歌謡世界であり、曲タイトルどおりに甘い声質で抑揚に拘らない節回しを披露する団次郎は、決して素晴らしい歌唱力とは申しませんが、雰囲気の作り方も含めて、「団次郎」そのものを表現している感じでしょうか、正にジャケ写ポートレートのムードがそのまんま♪♪~♪
CD化されているかは不明ですが、未聴のポップス歌謡ファンの皆々様には、ぜひともお楽しみいただきとうございますし、そんな願いも故人への供養としたく思います。
合掌。