■マリアンヌ / 千賀かほる (日本コロムビア)
世の中には所謂「お約束」が夥しく規定されいる中にあって、「千賀かほる=真夜中のギター」という公式が成り立つほどに、彼女は「一発屋」というイメージが強いわけですが、だからこそ、残された他の音源が気になってしまうのは、天邪鬼なサイケおやじだけではないはず!?
―― そんな感じで自分に言い聞かせながらの猟盤活動に勤しんだ結果として、特に気に入ったのが本日掲載のシングル盤A面曲「マリアンヌ」でした。
発売されたのは昭和45(1970)年4月とされていますから、千賀かほる名義の公式シングル作としては3作目でしょうか?
で、作詞:秋川由美&作曲:河村利夫が書き上げた「マリアンヌ」は、一目惚れの美女賛歌という、それだけでは失礼ながら、そんなに面白味のある楽曲ではないんですが、ここでは山屋清の素晴らしいアレンジを得て、極上のソフトロック歌謡に仕上がっているんですよ (^^♪
それはストリングスやフルートを印象的に用いたイントロからボサロック系のリズム&ビートが設定され、柔らかな陽射しの中で歌っているかの様な千賀かほるの清涼&しなやかなボーカルには、これ以上無いと思わせられる相性の良さが感じられますよ (^^♪
極言すれば、フォーク系の歌謡曲にありがちなメッセージ性よりも、どこかしらBGMっぽい心地良さが確かにあると思うんですが、いかがなものでしょう。
冒頭に述べたとおり、この「マリアンヌ」も特段のヒットには至らず、他にも様々に制作発売された彼女のレコード収録曲に接すれば、時には普通の歌謡曲やムード歌謡に近い作品も歌っていた事に煮え切らない気持ちを覚えたのは、サイケおやじの思い込みの強さかもしれません (^^;
そして、もしかしたら、次こそはアタリっ!
みたいな射幸心っぽい気分は、千賀かほるの諸作に限らず、「一発屋」から持ち掛けられる中古猟盤活動のエネルギーなのかもしれません (^^)
ということで、本日は高齢者バンドの練習参加後、久々にブート屋を幾つか急襲(?)してみましたが、それなりに新作ブートが出ていたのは、供給元が欧州メインという実情を鑑みても、コロナ禍も普通の伝声病に落ち着いた証と思いたいところでした。
相撲や野球等々、スポーツ観戦も声出しOKになったみたいですし、これで金儲け主義の戦争が終わる事を祈りつつ、自らの趣味に生きる道の厳しさに精進を重ねる所存でございます <(_ _)>