OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

本家本元にして決定版

2023-03-28 17:54:22 | 歌謡曲

赤坂の夜は更けて c/w 女の意地 / 西田佐知子 (ポリドール)

そして本日掲載したのが、西田佐知子バージョンの「赤坂の夜は更けて」をA面に入れたシングル盤でして、発売されたのは昭和40(1965)年12月とされていますから、史実としては島倉千代子バージョンが先に出ていたという事にはなるんですが、皆様ご存じのとおり、リアルタイムで爆発的にヒットし、ロングセラーになったのは、この西田佐知子バージョンであり、様々に残されている「赤坂の夜は更けて」と云えば、これが決定版という認識は不動のものと思われます。

それは川上義彦が附したモダンスイング風のジャジーなアレンジが如何にも都会的であり、「赤坂」という地名・地域にジャストミートしていた事に加え、西田佐知子のアンニュイな節回しとの相性も、これ以上は無いという真実はひとつっ!

ちなみにバックの演奏はポリドール・オーケストラと記載されていますが、楽曲構成の1番と2番の間には丸々ワンコーラス分のインストパートがあり、そこで聴かれるクラリネットのアドリブソロやスイングしたリズムセクションのグルーヴ感は正にジャズの醍醐味ですから、件のオーケストラには名人プレイヤーが多数参加していたという推察は易いと思います。

そして実は告白させていただければ、今もジャズが大好きなサイケおやじをその地獄(?)に引き込んだ端緒のひとつが、西田佐知子バージョンの「赤坂の夜は更けて」でありまして、ここで聴かれるジャジーなムードの心地良さこそは、ジャズ歌謡は、こ~あるべしっ!

―― という結論よりも先にサイケおやじをジャズという悪魔の音楽にシビレさせた魅力であり、殊更間奏におけるクラリネットのアドリブソロは完全に刷り込まれて、一緒に口遊めるほどだったんですよ、中学生になった頃には (^^)

また、そんなふうに感化された要因としては、以前にも書いた事があったんですが、サイケおやじの実家にはテレビよりも先にステレオがありまして、それは昭和30年代の事ですから、ちょいと皆様には信じてもらえないかもしれませんが、音楽好きの祖父と新しもの好きの父親の策謀があったのでしょうか、そんなわけですから、休日ともなれば、友人・知人が様々なレコード抱えて我が家に集まり、その鑑賞会みたいな好環境の中で幼少期のサイケおやじが育っていたのは幸せであり、ひたすらに感謝するのみです。

そして、疎覚えではありますが、初めて心に残ったジャズはナット・キング・コールやモダン・ジャズ・カルテット=MJQであり、アート・ブレイキーはドカドカ煩いばっかりに思えていたんですから、未だ小学生の時に聴いた西田佐知子の「赤坂の夜は更けて」に耳を奪われたのも必然だった様に思います (^^;

閑話休題。

ということで、もうひとつ、掲載したシングル盤には「赤坂の夜は更けて」に勝るとも劣らない名曲・名唱がB面に収められておりまして、それが作詞作曲:鈴木道明&編曲:川上義彦という、「赤坂の夜は更けて」と同じ制作スタッフが手掛けたムード歌謡の「女の意地」なんですよねぇ~~♪

これもまた皆様ご存じとおり、西田佐知子が定番の持ちネタにしていたほどの傑作でしたから、カバーバージョンも多数世に出た中にあって、最も有名なのは昭和45(1970)年に平浩二がリバイバルヒット的に歌ったバージョンでしょう。

そして同時期、平浩二に負けじと(?)西田佐知子はニューレコーディングした「女の意地」を発売し、堂々と本家本元のヒット作にしたんですから、たまりませんねぇ~~(^^)

そんなわけで、本日掲載のシングル盤こそは西田佐知子の代表作に留まらず、我が国歌謡曲史に必ずや残るに違いない、残さねばならない名盤と断じて、サイケおやじは後悔するところがありません。

こ~ゆ~歌謡曲の魔法と奇跡を信じればこそ、音楽の魅力に惹きつけられるのでした。

コメント
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