OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ラジオでシビレたファンキーソウル

2016-10-26 19:45:03 | Soul
Tighten Up / Archie Bell & The Drells (Atlantic / 日本グラモフォン)
 
少年時代からラジオで音楽に親しんでいたサイケおやじだからでしょうか、その時分に馴染んでいたヒット曲をステレオで聴くよりも、ラジオから流れて来た時に浮かれてしまうのは、所謂パブロフの犬ってやつでしょうか。
 
アーチー・ベルとザ・ドレルズが演じる本日掲載のシングル盤A面曲「Tighten Up」も、その中のお好みヒットであり、シンプルでキャッチーなギターのコードストロークによるリズミックなイントロが流れ出てくれば、気持ちは瞬時にラジオが必須アイテムであった「あの頃」にどっぷり♪♪~♪
 
曲名や演奏者は知らずとも、おそらくは皆様も一度は聞いた事があるにちがいないと思うばかりの「Tighten Up」は、ファンキーなダンス曲であり、歌というよりもラップの元祖みたいなボーカルの掛け合い(?)やベース、ドラムス、ギター、ホーンセクションや手拍子までもが順次一緒になって盛り上がっていく楽しさこそが、ヒットの要件でありましょう。
 
このあたりは実際に聴いていただくのが一番でしょうし、後にはYMOがカバーしていたり、数多のハコバンがテーマ代わりに演奏していたのも昭和の音楽シーンだったと思います。
 
告白すれば、サイケおやじもここまでスマートにはやれませんでしたが、インストのパートだけは学生時代に入れてもらっていたバンドで楽しんでいたほどです。
 
さて、そこで肝心の主役たるアーチー・ベルとザ・ドレルズは本来ボーカルグループだったようで、実はサイケおやじはこの「Tighten Up」の印象があまりにも強かったので、てっきりアーチー・ベルとザ・ドレルズは、ブッカーT&MGs みたいなソウルインストのバンドだと思い込んでいたんですが……。
 
後に知ったところによると、アーチー・ベル&ザ・ドレルズはアーチ・ベル、ジェームス・ワイズ、ウィリー・パーネル、ビリー・バトラー等々が出入りしていたテキサス州出身の黒人コーラスグループで、他にもアーチー・ベルの兄弟というユージン・ベルやジョー・クロス等々も参加していた時期もあったらしく、サイケおやじはイマイチ、そのグループのメンバー構成やキャリアは把握出来ていません。
 
しかし、その始まりは1964年頃だという説もあり、1967年に地元のマイナーレーベルに吹き込んだ本格的なデビュー曲「Tighten Up」にしても、実はそれ以前のデモ音源を再利用したものだとか!?
 
ちなみにほとんど主役の演奏パートはトルネードスという地元の白人バンドだったらしいのですが、それも不勉強なサイケおやじには知る由もありません。
 
それでも出来上がった「Tighten Up」の調子の良さ、ノリの素晴らしさは忽ち全米規模でウケまくり、ついにはアトランティックが配給することで、1968年春~夏に大ヒット! 百万枚を超える売り上げを記録したのも当然が必然と思うばかりです。
 
ところが好事魔多しというか、なんとっ! その時点でアーチー・ベルは徴兵されてのベトナム送りになっていて、実際の巡業には全く別のグループがアーチー・ベル&ザ・ドレルズを名乗って活動していたというあたりは、如何にもアメリカの芸能界らしさでしょうか。
 
また、それでもなんとか兵役中の休暇を使い、新作のレコーディングに臨んだアーチー・ベルの心意気が空振りしたのも現実の厳しさ……。
 
結局は一発屋という称号が与えられるのも、この「Tighten Up」があまりにも大ヒットしてしまった功罪なのかもしれません。
 
ただし、後にフィラデルフィア・ソウルのソングライターコンビとして名を上げるケニー・ギャンブル&レオン・ハフと組んだシングル曲「Do The Choo Choo」は、イケてますよ♪♪~♪
 
ということで、現代はPCやスマホで音楽を聴く事が、大昔のラジオと同じ役割と楽しみなんでしょうから、サイケおやじと同じ感覚を味わっている皆様も大勢いらっしゃると思います。
 
うむ、ヒットの法則も輪廻転生とまでは申しませんが、繰り返す楽しみの連鎖は不滅かもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする