■恋のしずく / 伊東ゆかり (キングレコード)
昭和の芸能風物詩のひとつに所謂新曲キャンペーンがありました。
これは当時、デビュー期の新人はもちろん、かなり売れていた歌手であっても、新譜レコードを出す度に街頭や大小レコード店、デパートの屋上やスーパーの駐車場等々で、新しい歌を披露し、その場でレコードを買ってくれたファンやお客さんには直筆サインや握手をサービスするという、なかなか嬉しい企画が日常的に行われていたんですねぇ~♪
もちろん話題作りがメインという事から、取材のマスコミ陣が同行している事も多く、それゆえに神社へのヒット祈願とか警察や消防の一日署長とか、そんなこんなが映画やテレビの芸能ニュースや雑誌及びスポーツ紙の芸能欄で報道される時、諸々の映像や写真は悲喜こもごもでありました。
何故ならば、そこに偶然とはいえ映りこんでしまった通行人や見物人の中には、自らの存在を秘密にしておきたかった者がですねぇ……。
その一例として、本日掲載した伊東ゆかりのシングル盤は昭和43(1968)年冬~春にかけての大ヒット曲「恋のしずく」がA面収録という事で、そのキャンペーンが日本全国のあちらこちらで展開されたんですが、なんとっ!
その頃、サイケおやじの実家の近所にあったクリーニング屋の店主が、その背景に若い女連れで歩いている姿がっ!?
なぁ~んていう噂とも真実も判別しかねる状況証拠があったそうで、結局はゴタゴタの末に家庭争議になってしまったという話は当時、中学生だったサイケおやじにも、世の中の怖さを教えてくれた逸話として、強い印象を残したんですよ。
う~ん、今だって、そういう事はあるんでしょうねぇ~~~、と自戒を胸にするサイケおやじではありますが、さて、肝心の伊東ゆかりが歌う「恋のしずく」は既に述べたとおり、作詞:安井かずみ&作曲:平尾昌晃、そして編曲:森岡賢一郎というヒットメーカートリオが提供した、まさに昭和歌謡曲を代表する正統派のメガヒットにして、彼女の絶対的な名唱と思うばかり♪♪~♪
なによりも思わせぶりな節回しと意図的であろう甘い声質には、齢を重ねる毎にメロメロにされるサイケおやじです。
ということで、世の中は誰に見られているか、壁に耳あり、なんとやら!?!?
ですから、自らの行動には慎重さが尚更に求められるという、些か息苦しい時代のようです。
実際、今は動画や写真がデジタルで簡単に撮影送付出来ますから、油断は禁物でしょう。
このまんまだと簡易変装セットとか、そんな変身(?)キットが売れるような気がしているほどです。
えっ、もしも既にあるんだったら?
もちろん速攻で欲しいのがサイケおやじの本音であります。