OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

洋楽和製カバーの潔さ

2015-01-07 13:42:20 | 歌謡曲

涙が微笑みにかわるまで / 美岐陽子 (CBSソニー)

洋楽の日本語歌詞によるカバーは業界の常套手段であり、ならば所謂パクリとは次元の違う評価があって然るべきだと思うんですが、何故か今日では、それがストレートであるがゆえに軽く扱われているような気がします。

例えば昭和47(1972)年春に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「涙が微笑みにかわるまで」は、フランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」を訳詩:万里村ゆき子&編曲:小杉仁三によって美岐陽子が歌った和製カバーなんですが、ここにひとつ、小川知子がやはり同年秋に出してヒットさせた「若草の頃」があるもんですから、事態はやっかい???

詳しくは件の「若草の頃」をご一読願いたいわけですが、なかにし礼&川口真のヒットメーカーコンビが、どの程度この「涙が微笑みにかわるまで」を意識していたのかは、なかなか興味深いものがあります。

ただし、これは聴いていただければ瞭然なんですが、小川知子がアンニュイなムードを優先させているのに対し、美岐陽子は悲しみをこらえて前向きな表現とでも申しましょうか、はきはきと節回すところが妙に琴線に触れるという仕上がりですからねぇ~~♪

バックの演奏も当時の歌謡曲レコードでは耳に馴染んだお馴染みの面々のサウンドになっていて、特にリズムギターとベース&ドラムスのキレが気持ち良いスタイルは、まさにリアルタイムの素晴らしさですよ♪♪~♪

残念ながらヒットしたとは言い難いわけですが、もしも洋楽カバーの歌謡曲コンピレーションアルバムが企画されるのならば、ぜひとも加えられる資格を有する名作と思っています。

そして言わずもがなではありますが、こっちの方がユーミンの書いた例の「まちぶせ」をダイレクトに想起させてくれますよ。

ということで、今年こそは朗らかにやっていこうという年頭の決意が早くも崩れかけているサイケおやじとしては、それでも前向きの気持ちは失いたくありません。

それを自分に言い聞かせながら、これを聴いているのでした。

コメント
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