■友達よ泣くんじゃない / 森田健作 (RCA)
新年早々、暗い話とは思ったんですが、友人の訃報について、昨日は書かずにいられませんでした。
あまりにも内輪の話ではありますが、故人は地味な人柄に熱血を秘めていたところがあって、特に困っている者を捨て置かないという美徳の持ち主でしたから、なかなか貧乏籤を引かされることが多く、だからこそ軽く見られてはいても、人望がありましたですねぇ……。
それが正反対のサイケおやじと妙にウマがあったのは、やはり故人の度量の大きさであり、それに甘えていたサイケおやじは、昨年秋頃から体調を崩していたという友人の近況を知りながら、入院後も見舞いに行くことが一度もなく、自らの多忙を言い訳にしていた情けなさは悔恨の極みです。
通夜の席上、故人を悪く言う者などは皆無であり、それは社会常識を差し置いても、集った者全ての気持ちであったと思います。
で、掲載した森田健作のシングル盤は、故人がカラオケの十八番にしていた「友達よ泣くんじゃない」をA面に収録した昭和47(1972)年のヒット作なんですが、阿久悠の綴った歌詞も、また鈴木邦彦が書いたソフトロック歌謡がど真ん中という胸キュンメロディも、知っている皆様には言わずもがな、一度聴けば、これこそ故人に相応しいハートウォームな歌であります。
昨夜は帰宅後、久々にこれを取り出して、繰り返し針を落としました。
それが一番の供養とは言うつもりもありませんが、そうせずにはいられなかったのが正直な気持ちです。
もちろん社会に出てから知り合った友でありますし、あまりにも早く逝ってしまったことを思えば、諸行無常という、この世の心理が厳しく染入るのでした。