■涙と恋のブルース c/w 燃えて燃やして燃えつきて / 石川美沙 (テイチク)
ジャケ写を見る限り、相当に無国籍な面立ちの石川美沙ですが、プロフィールには石川県金沢市出身とあるので、芸名もそれに因んでいるのでしょう。
しかし、それはそれとして、昭和44(1969)年11月に発売された掲載のデビューシングルは、歌謡曲マニアには昔っからの人気盤として、彼女の名前を忘れられないものにしているようです。
と書いたのも、実はサイケおやじはリアルタイムはもちろん、後追い蒐集の奥の細道に入って以降も石川美沙については何も知らず、ようやく今世紀になって纏められた復刻オムニバスＣＤによって彼女の歌声に接し、どうにか某ネットオークションでゲット出来たという、なかなか精進が必要とされた１枚ですから。
まずは作詞：谷口守見＆作編曲：浅井 修三によるＡ面「涙と恋のブルース」に針を落とせば、これがとろ火で煮詰められたような濃いめの歌謡ブルース♪♪～♪
うむうむと納得して鑑賞するのが王道かとは思いますが、ちょっぴり息苦しさも感じてしまうのはサイケおやじが今でも若いという証なら、それは嬉しいわけですが……。
一方、Ｂ面収録の「燃えて燃やして燃えつきて」は作詞：もず唱平＆作曲：山室敏男、そして編曲：山倉たかしが石川美沙のアルトボイスを活かしきった歌謡ソウルを狙ったのでしょうか、とにかくビートの効いたアレンジには既にしてニューソウルっぽいストリングまでもが使われているのですから、彼女のアクの強い節回しやコブシの妙がセクシーフィーリングを滲ませてしまうのも必然と思います。
もちろん、これが前述した復刻オムニバスＣＤに採られたのもムベなるかな、かなりＫＯ率が高い必殺の一撃とは、失礼ながらヒットしていない楽曲に多いという歴史の現実があればこそでしょう。
あぁ、昭和歌謡曲よ、永遠なれ！
