OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

涼雨にもセンスが必要か?

2011-08-07 16:28:29 | Pops

雨のフィーリング / Fortunes (Capitol / 東芝)

天候不順の今年とは言え、やっぱり夏は暑いし、今日なんかは猛暑ですよねぇ~。

しかも所によっては大雨や所謂ゲリラ豪雨になっているらしいですから、こんなに暑くても、「一雨欲しい」なんて、迂闊に言えないのが昨今の異常気象!?

それでも個人的には「雨の歌」ってのが、かなり好きなもんですから、本日はついつい、ほどよい「雨」を求めて、こんなシングル盤を出してしまいました。

演じているフォーチュンズはイギリスのコーラスバンドで、その結成とデビューは1963年頃らしいのですが、もちろん最初は鳴かず飛ばずの下積み暮らし……。

そして、ようやくの初ヒットが1965年の「You've Got Your Troubles」でしたが、これが我国でどの程度流行っていたのかは、後追いで聴いたサイケおやじには知る由もありません。

告白すれば、サイケおやじがフォーチュンズに興味を抱いたのは、この「You've Got Your Troubles」を書いたのが、イギリスのポップス界を代表するソングライターチームのロジャー・グリーナウェイ&ロジャー・クックであったというポイントに尽きるのです。

さらに言えば、そうした衝動に火をつけたのが、本日ご紹介のシングル曲「雨のフィーリング / Here Comes That Rainy Day Feeling Again」であり、関わったソングライターが件のロジャー・グリーナウェイ&ロジャー・クックに加えて、これまたイギリスのポップス界にその人有りと知られるトニー・マコウレイなんですから、後は言わずもがなの素敵なメロディと楽しすぎるウキウキビートは「お約束」以上♪♪~♪

冒頭から弾みまくったリズムのイントロは、これが流行った1971年当時のモータウンサウンドを巧みにパクったニクイものですし、その流れに沿ったボーカル&コーラスがフォートップス調に仕上げられるのも無理がありません。

とにかく一聴して、これがヒットしなければ、ポップスの神様が激怒すると思われるほどっ! 実に楽しくてキャッチーな名曲名演だと思います。

肝心のフューチュンズは、既に述べたように1963年の公式デビューから数次のメンバーチェンジが行われたようですが、リーダーのロッド・アレン(vo,b) は不動であり、この時期にはバリー・プリチャード(g,vo)、アンディ・ブラウン(ds,vo)、デヴィッド・カー(key,vo)、シェル・マクレー(vo,g) が参加する5人組になっていたようです。

尤も実際のレコーディングにはホーン&ブラス、ストリングスやパーカッション等々の助っ人介在は言わずもがなでしょう。

ここでは特にヴァイブラフォンが絶妙のスパイスになっているあたりが、まさにリアルタイムの西海岸モータウンがモロ♪♪~♪

しかもフォーチュンズのボーカルスタイルが、何時ものエコーが効いたようなものから、ここではロックっぽいドライな感じに録られていますから、これが未だに新鮮さを失っていない秘密かもしれません。

と言うよりもフォーチュンズに限らず、この頃の英国産ポップスで世界的なヒットを飛ばしたエジソン・ライトハウスやホワイト・プレインズ、ピケティウィッチ、ホリーズ等々、本当にキリが無いほどのグループや歌手が演じてくれた名曲ポップス群には同じ味わいが濃厚で、それを辿っていくと必ずやロジャー・グリーナウェイ&ロジャー・クック、あるいはトニー・マコウレイという職業作家の名前に出会うのです。

ということで、所謂バブルガムに分類される英国産ポップスにも楽しみがどっさりあるというのが、本日の結論でした。

ただし、このあたりはリアルタイムの我国ではロック全盛期ということもあり、英国といえばハードロックやプログレが流行の対象でしたから、いくらラジオがメインの洋楽ヒットになっていても、それを探求するなんて事は局地的なマニアの研究材料だったのが実情です。

もちろんサイケおやじも、素敵な曲だなぁ~~♪

と思ってはいても、シングル盤を買うのは余程に気に入ったものだけでしたし、幸いにもこの「雨のフィーリング」は、その中の1枚だったとはいえ、系統的に鑑賞するなんて気にもならず、ましてや集中的なコレクションの対象にする覚悟もありませんでした。

そして、それがどうかに実行に移されたのは三十路に入ってからなのが真相であり、既に皆様がご推察のとおり、パンクやニューウェイヴなんてものがチヤホヤされ、聴くものがなくなった結果というわけです。

最後になりましたが、ロジャー・グリーナウェイ&ロジャー・クックは実質的な歌手活動として、ジョージ・マーティンもお気に入りだったディヴィッド&ジョナサンであり、そこでも楽しめる洒落たセンスこそが良質のポップスを生み出す秘訣だったように思います。

コメント
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