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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

アラン・プライスがいたアニマルズは最高

2011-03-19 16:35:29 | Rock

悲しき叫び c/w For Miss Caulker / The Animals (EMI / 東芝オデオン)

アニマルズと言えば、とにかく真っ黒で粘っこいエリック・バートンのボーカルが一番の魅力でしょうが、もうひとつ忘れてならないのが初期のリーダーとして音楽的にも重要な部分を担っていたアラン・プライスの存在でしょう。

特にオルガン奏者としては、当時の数多登場した白人R&B系グループの中で、アニマルズを突出したバンドに押し上げた功績が不滅です。

そして一方、その本領はピアノにもあって、例えば本日ご紹介のシングル盤はAB両面ともに、それが実に顕著に表出したがゆえの大ヒット!

まずA面の「悲しき叫び / Brihng It On Home To Me」はご存じ、偉大なる黒人ソウル歌手のサム・クックが十八番にしていたブルース歌謡の決定版を見事にカパーした名唱名演なんですが、その魅力のポイントは終始鳴り続けるアラン・プライスのピアノでしょう。特にヘヴィな間奏はシンプルにして絶大な存在感ですよ♪♪~♪

それがあればこそ、もうひとつの特徴的なオルガンが強い印象を残しますし、エリック・バートンの泣き節ボーカルが、ほどよい鬱陶しさを発揮するのも当然が必然だと思います。

ちなみに邦題が「悲しき~」となっているのは、この前に発売されて我国でも空前の大ヒット洋楽となり、また尾藤イサオの日本語カパーもそれを上回るほど売れまくった「悲しき願い」に因んだ事は言わずもがな、見事な柳の下のなんとやらを達成しています。

そしてB面の「For Miss Caulker」が、これまたアラン・プライスのピアノ無くしては成り立たないという、実にカッコ良いブルースロックで、しかもジャズ風味も強い表現は流石に唸らされますねぇ~♪

とにかくアフタービートを強調したバンドのグルーヴを牽引するアラン・プライスのネチネチしたピアノと図太いエリック・バートンの歌いっぷり、それと同時にアクの強いエレキギターも、一度聴いたら忘れられないと思います。

しかもこれがアラン・プライスのオリジナル曲なんですから、二度吃驚!?!

ということで、やっぱりブリティッシュビートは奥が深いと痛感させられるシングル盤なんですが、アニマルズは全盛期でありながら、これが世界的に大ヒットしていた1965年には金銭的な縺れから人間関係は最悪だったようで、なんとリーダーだったアラン・プライスが追い出されるようにバンドを脱退しています。

しかし当人は間髪を入れずに新バンドのアラン・プライス・セットを結成し、このシングル盤両面を演目にしていたというのですから、なかなかしぶとい人だと思います。もちろん音楽的な充実はアニマルズとは異なるジャズっぽさもありましたから、何れはご紹介したいと思いますが、やはりアニマルズ時代の輝きは別格でした。

それはエリック・バートンが完全に主役となって引き継いだアニマルズにも同様で、以降は時代の流れからサイケデリックロックも志向してのヒットを放ちましたが、純正英国R&B時代の魅力は簡単に打ち消せるものではないでしょう。

ですから個人的にも、この時代のアニマルズには尚更の愛着があって、リアルタイムでは経済的な事情から買えなかったLPはもちろんの事、コンパクト盤やシングルも中古で遭遇する度にゲットしてきましたが、本日掲載の私有盤はご覧のとおりのダメージが痛々しいかぎり……。

それでも愛おしさがつのるのですから、アニマルズは本当に素敵なバンドだったというわけです。

コメント (2)
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