OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

新宿ぞだちでハードボイルド

2010-11-25 15:55:08 | 歌謡曲

新宿そだち / 津山洋子&大木英夫 (ミノルフォン)

いよいよ今年も宴会シーズンがやって来ますねぇ。

まあ、近年続いている不景気に加え、最近は世情も混沌としていますから、無暗に浮かれてはいられないわけですが、しかしせっかく皆が集まって楽しく騒ぐという大義名分が用意されるのであれば、その趣旨に反するネクラな態度は禁物でしょう。

で、そういう場には必須なのが、カラオケ!?

正直、サイケおやじは決して好きではないのですが、それでも歌う時は鋭意専心というか、機会があればデュエット曲を切望するあたりに本性が剥き出しになってしまいます。

そして恥ずかしながら、十八番が本日ご紹介の「新宿そだち」なんですよ。

ヒットしたのは昭和43(1968)年だったと記憶していますが、レコードが発売されたのは前年秋だったと言われていますから、所謂ロングセラーとして親しまれ、実際に今日まで昭和歌謡のデュエット定番として、人気を集めています。

その曲調は、実に正統派の演歌系なんですが、強いビートとアップテンポのグルーヴがきっちりキマッていますから、なかなかウキウキと歌って楽しく、しかも1&3番を男が、次いで2&4番を女がリードを担当し、真のデュエットパートは、「し~ん、じゅく、そだちぃ~~♪」という最終フレーズだけというのが、ニクイばかり♪♪~♪

作曲は遠藤実、作詞は別所透という、おそらくは当時の専属作家制度による傑作といって過言ではないでしょう。

なによりもリアルタイムで流行していたエレキ歌謡やGS歌謡に対抗出来る、そのビート感とノリの良さが流石のプロデュースだと思います。

それとサイケおやじが、この「新宿そだち」に強い印象を受けているのは、昭和44(1969)年に公開された日活映画「広域暴力 / 流血の縄張」の挿入歌に使われ、特に主演の小林旭がシミジミと口ずさむシーンの素晴らしさが忘れられないからです。

つまりスローで歌うと、なんとも言えないハードボイルドで、せつなさが滲むという、これぞっ、真の名曲なのかもしれません。

そして機会があれば、皆様にはぜひとも鑑賞いただきたい名作映画として、一刻も早いソフト化が望まれますねぇ。

ちなみにサイケおやじが、このレコードを買ったのは、結局は「広域暴力 / 流血の縄張」を後追いで観た印象によるものですから、当然ながら中古です。しかしリアルタイムでだって、テレビやラジオや街角で流れる「新宿そだち」には、何時も不思議な高揚感を覚えていたことを告白しておきます。

ということで、偶さかにしか歌えないデュエット曲であればこそ、拘りたい気分が優先されます。

そして昭和歌謡曲こそ、宝庫だと思うのでした。

コメント
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