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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

街角男は不滅

2016-02-25 15:00:27 | Pops

街角のプレイガール / Del Shannon  (Big Top / 日本ビクター)

オールディズというよりも、洋楽懐メロのスタアの中で、サイケおやじが殊更好きな歌手がデル・シャノンです。

それはキメのパートで用いる特徴的なファルセットもそうですが、もうひとつ、ソングライターとしての才能がサイケおやじの好みにジャストミートしているんですねぇ~~♪

とにかく歌ってくれるメロディが良い感じ♪♪~♪

1963年にヒットした本日掲載のシングル盤A面曲「街角のプレイガール / Little Town Flirt」にしても、そのメロディラインは所謂黄金律であり、同時進行していた英国のマージービートに与えた影響も少なからずという推測は、後にジェフ・リンが主導していたエレクトリック・ライト・オーケストラ=ELOにカバーされたという状況証拠も出ていますし、パクリという段階においては、例えば我が国では吉田拓郎の自作自演、あるいはモップスのカバーバージョンで大ヒットした「たどりついたらいつも雨降り」とか、大滝詠一の「我が心のピンボール」等々、沢山ありますよねぇ~~♪

ちなみにELOのバージョンは名盤「ディスカバリー」のCDボーナストラックで聴けますが、デル・シャノンのオリジナルバージョンを特徴づけていたリズムパターンを巧みにマージービートに変換させたあたりは、相当に好きなんでしょうねぇ~~。

もちろん、さらに後の1980年代末、ジョージ・ハリスンやボブ・ディランと一緒にジェフ・リンが参加していた覆面プロジェクトのトラヴェリング・ウィルベリーズの構成員だったロイ・オービソンの急逝に伴い、補充メンバーにデル・シャノンを押していたのもジェフ・リンだったという噂も忘れ難いところです。

それと毎度の昔話で恐縮なんですが、サイケおやじが学生時代に入れてもらっていたアマチュアバンドでは、ちょうど洋楽ジャンルでブームになっていたオールディズリバイバルの中、グランド・ファンクがリトル・エヴァの代表曲「ロコモーション / The Loco-Motion」をカバーして大ヒットさせた実績に便乗し、同じ様なアレンジを流用させてもらっては、この「街角のプレイガール / Little Town Flirt」もやっていたんですが、もちろん、その下心はモップスの「たどりついたらいつも雨降り」だったという懺悔の告白をさせていただきます。

あぁ、当時、件のELOのバージョンに接していたらなぁ……。

なぁ~んていう恥ずかしい思いは拭いされないわけですが、それはそれとして、もうひとつ気になるのが、この曲の共作者としてクレジットされているマロン・マッケンジーという人物で、残念ながらサイケおやじは詳しい実績等々、知る由もありません。

しかし、マニアックな世界では有名なのかなぁ~?

と思うばかりです。

最後になりましたが、デル・シャノンと言えば、我が国では「街角男」の異名もあるほど、とにかく発売される楽曲の邦題には「街角」という言葉が用いられているんですが、ど~せならば「街角箱」とかの名称でコンプリートな音源復刻を強く望んでいるのでした。

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憧れの蒸気中毒

2016-02-10 17:29:38 | Pops

Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye / Steam (Fontana / 日本ビクター)

あんまり煮詰まってきたんで、昨夜は久々にサウナに行って、汗を絞り出してきました。

好きな場所なんで、それでも昔は月イチ位は行けたんですが、最近はすっかりご無沙汰で、しかし現代のサウナって、それだけじゃ~なくて、岩盤浴とかもあるんですねぇ~~♪

いゃ~、すっかりイイ気分になっちまいましたよ♪♪~♪

夜も溶けるほど深く眠ってしまいましたし♪♪~♪

で、そこで思い出したのが本日掲載のシングル盤A面曲「Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye」で、これはアメリカでは1969年末の大ヒットであり、我が国でも翌年にかけてラジオを中心に流行った人気洋楽だったんですが、演じているスティームは所謂「実態の無いバンド」だったというのが、今日知られている実相です。

しかしリアルタイムでは我が国でも洋楽雑誌に掲載されたグループショットで、なんとっ! メンバー全員がサウナで寛ぐ(?)というカットがありまして、実はそれも、この「Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye」の大ヒットによって作られたとされるLPジャケ写からの転用だったようです。

もちろん、そこに登場しているのは件の大ヒットから集められた巡業用のメンバーで、一応知られているところではビル・ステア(vo)、トム・ズーク(g)、ジェイ・ベイビンズ(g)、ハンク・スコーツ(key)、マイク・ダニエルズ(b)、レイ・コリーズ(ds,per) という顔ぶれなんですが、既に述べたように、そんなのカンケ~ねぇ~~!

実際にレコードのヒットバージョンに関わっていたのはポール・レカ、ゲイリー・デカルロ、そしてディル・フレイシャーという当時の業界の裏方達で、例えばレモン・パイパーズとか、そんなこんなの所謂バブルガムロックの制作に携わっていたソングライター兼スタジオセッションミュージシャンだったんですねぇ~~♪

そして様々な貢献が認められたことから、彼等にも何かレコーディングさせてみようという、ある意味ではご褒美的なセッションから作り出された中のひとつが「Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye」で、リードを歌っているのはゲイリー・デカルロと云われていますし、もちろん楽曲は前述の3人の合作というクレジットがあります。

ちなみに、そうした事をサイケおやじが知り得たのは1980年代の初め頃だったんですが、洋楽界の裏事情って、調べるほどに密接なサークルが重なり合っていて、ここでの3人にしても、最初は売れないシングル盤を数枚出していた某バンドで一緒だったとか、共に下積みの苦労は身に滲みていたんでしょうねぇ~~。

ということで、既に皆様ご推察のとおり、スティームは直ぐに消えてしまったグループであり、前述のLPにしても、ソングライターの3人が夫々に関わった音源の寄せ集めらしいという事もあります。

しかし、こ~ゆ~ヒット曲があったからこそ、往年の洋楽ポップスは親しみ易く、奥深いと思っています。

さて、今日もサウナに行きたいなぁ~~、という本音の願いは空しいばかり……。

せめても、スティームを思い出して、気持ちを入れ替えているのでした。

 

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シングル盤でクロディーヌを

2015-12-16 15:44:15 | Pops

恋はみずいろ / Claudine Longet (A&M / キングレコード)

冬だというのに暖かいとなれば、本来は涼しさを求めて聴くのが常套の歌や演奏だって、今の時期に聴くのは決して悪い事ではありません。

いやいや、そんな言い訳を弄するまでもなく、お気に入りの素敵な音楽は何時如何なる場合に聴いたって、それはそれは至福が約束されるはずですよねぇ~~♪

そこで本日は、ちょいと場違いという皆様には、あえてサイケおやじの天邪鬼を提示するかのようなご紹介ではありますが、永遠のフェミニンボイスというか、あるいはロリータボイスとでも申しましょうか、例えぶりっ子歌唱と呼ばれようとも不滅のクロディーヌ・ロンジェであります。

ご存じのとおり、彼女はフランス人であり、ダンサーとしてアメリカはラスベガスで働いていた時に有名歌手のアンディ・ウィリアムズから寵愛されて以降、広くメジャーな芸能活動が出来るようになったという流れの中、ちょうどA&Mレーベルを発足させたばかりのハープ・アルパートに誘われてレコードデビュー♪♪~♪

もちろんその内容は彼女の声質を活かしたソフトロックやボサロックを包括したイージーリスニング系のボーカル作品であり、そこには「歌」ばかりではなく、楽曲アレンジや演奏までも同等に楽しめるというナチュラルな心地良さがいっぱい♪♪~♪

ですから、本当に耳触りの良いサウンドに満ちたクロディーヌ・ロンジェのレコードは、そのまんまオシャレなアイテムの代名詞になったわけですが、そういうものが嫌いな人達にとっては、なかなかイヤミの標的でもあった気がします。

つまり、彼女の歌や存在そのものを否定することが、ある意味では硬派の証明だった時期が確かにあったようにサイケおやじは思うんですよ。

それは例えば掲載のシングル盤A面曲「恋はみずいろ / L'amour est bleu」にしても周知のとおり、楽曲そのものはアンドレ・ポップが書いたフレンチポップスの有名なメロディがポール・モーリアのオーケストラバージョン、あるいはピエール・クールの作詞によるヴィッキーのボーカルバージョン等々で広く世界中で大ヒットしていますから、その1967年以来、夥しい競作&カバー作品が溢れ出てきた事は百も承知!?

それでも1968年に出されたクロディーヌ・ロンジェのバージョンが決して忘れられないのは、ナチュラルなフランス語とカタコト系英語の微妙なミックスによるキュートな節回しと持ち前の抑揚を抑えたボーカルスタイルが絶妙にクールだからでしょう。

そこにはアレンジーとしてのニック・デカロ、さらにはプロデューサーとしてのトミー・リピューマという、後にソフト&メローとか、AORとか称される都会派ポップスの源が既に存在しており、だからこそのエバーグリーンな輝きは失せるものでは無いのです。

ただし、繰り返しますが、当然ながら彼女は同系のサウンドに彩られたアルバムを何枚も出していて、その何れもが売れていた現実の裏返しというか、確かにサイケおやじとしても、LP片面を聴きとおしてしまうと、些かの辟易感は否めません。

極言すれば、彼女の歌はシングル盤で聴くのにちょうど良くて、何かの機会にテレビやラジオから流れるオシャレなボーカル、あるいは喫茶店やブティック等々のBGMで偶然に接した時のフィ~ル・ソ~・グ~っな気分の仄かな高揚感みたいな場面で、最高に効果が発揮されるのかもしれません。

その意味で、彼女が残したレコーディグは圧倒的にカバーソングが多く、中でも殊更に知られている「恋はみずいろ / L'amour est bleu」がウケまくったのも当然が必然!?!

数多作られた同曲のレコードの中では、個人的に前述したヴィッキーのビートの強いバージョンもさることながら、このクロディーヌ・ロンジェの気怠いセクシーフィーリングも大好きなんですよ♪♪~♪

ハープシコードやハープを用いたセミクラシック調のアレンジや中間部の蠱惑的な語りも、たまりませんねぇ~♪

しかし、説明不要かもしれませんが、彼女はアンディ・ウィリアムズとの結婚~離婚後、数年を経て愛人射殺事件の容疑者となり、1970年代中頃からは芸能界を引退……。それに伴ってレコードも一時は市場から消えていた頃もあったんですが、現在ではソフトロックの王道定番物として復権を果たしています。

最後になりましたが、彼女には日本語で吹き込まれた歌があるはすで、サイケおやじは現物を確認していませんが、かなり昔にラジオで聴いた記憶もありますので、地道に探索中です。

まあ、そうは言っても既に述べたとおり、シングル盤で1曲毎に聴くからこその魅力がクロディーヌ・ロンジェの存在感だと思っておりますので、コンプリートな箱物が出ていたとしても入手はしない事を、あえてここに宣言させていただきとうございます。

暴言ご容赦下さいませ。

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北風の哀愁と心地良さ

2015-12-15 15:56:49 | Pops

悲しき北風 / The Cascades (Valiant / 東芝)

今年の冬は暖かい!?

実際、雪国のスキー場には肝心の雪が極めて少ないらしく、また野菜の価格も安値安定、おまけに冬物衣料が売れず、既に春物を並べている店もあるほどの悲喜こもごもではありますが、やっぱりそれなりの四季の移ろいを感じてこその味わいは大切にしたいと思いますので、本日は些か確信犯的なご紹介として、カスケーズが1963年に出した「悲しき北風 / The Last Leaf」を掲載致します。

もちろん、きっちり哀愁が滲むメロディラインとボーカル&コーラスのコラボも絶品ながら、お約束とも言える「木枯し」のSEだけでツカミはOKですよ♪♪~♪

ちなみに「悲しき北風 / The Last Leaf」は本来、「内気なあの娘 / Sht Girl」のシングルB面曲だったというのが本国アメリカでの真相らしく、しかし現実的には、こっちが流行ってしまった事情は世界各国共通の認識らしいですよ。

もちろんサイケおやじとしても、昭和40年代からのラジオでは、カスケーズの代表曲として「悲しき雨音」に続き、この「悲しき北風 / The Last Leaf」にはすっかり刷り込まれた印象があり、前者が「梅雨時」ならば、後者は「晩秋~冬」という、所謂パブロフの犬みたいな定番洋楽になっています。

しかし、掲載の私有盤をゲットしたのは決してリアルタイムではなく、実は1年ほど前に知り合いから頂戴したものですから、ありがたやぁ~~♪

ジャケット裏には書き込みが相当にありましたが、レコードそのものはしっかりと健在でした♪♪~♪

また、この「悲しき北風 / The Last Leaf」は故・大瀧詠一のお好み曲という事で、本人も多羅尾伴内楽団名義でインストカバーを出していますし、作曲クレジットがどうあろうとも、小林旭の大ヒット「熱き心に」の元ネタという逸話は今や有名なはずです。

う~ん、哀愁サウンドには洋の東西なんてカンケ~ねぇ~~っ!

てっことなんでしょうねぇ~~~♪

興味を抱かれた皆様であれば、カスケーズのオリジナルバージョンと共に、件の大瀧詠一=多羅尾伴内楽団のインストアルバム「Vol.1」に収録のインストバージョンをお楽しみ下さいませ。

そこには所謂北欧エレキインストの味わいに拘ったトラックがぎっしりの中に、低音域への執着も好ましい「悲しき北風 / The Last Leaf」が存在感を強めていますよ。

ということで、こんなに暖冬だと、後が怖いという思いは万人の気持ちかもしれません。

願わくば穏やかな師走が年末年始へと続きますように!

そして最近はちょいと再び、洋楽ポップス趣味が蘇っているサイケおやじであります。

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こんな歌を思い出し

2015-12-04 15:03:14 | Pops

イスラエルちゃん / Desmond Dekker (Odeon / 東芝)

現在、世界を心配というよりは呆れさせているんじゃ~ないか?

と思わせるのがロシアとトルコによる出来の悪いヤクザ映画みたいな争いで、ほとんど縄張荒らしと利権争い、代々脈々と続いてきた因縁、さらには宗教や生活様式にまで及ぶ誹謗中傷の応酬は、誰が仲裁に立っても拗れるばかりという推察が易いでしょう。

要するに双方とも自らの主張を譲れないのは、被害者意識と自尊心のバランスが悪いからかもしれず、しかし、もしもこれが我が国と某隣国の間で同様の事態となったならば、こんな物分かりの良い事を書いているサイケおやじにしても、何やら吝かではありません。

さて、そんな思いの中、不謹慎にも蘇ってきたのが本日掲載のシングル盤A面曲「イスラエルちゃん / Israelites」で、流行ったのはイギリスを中心に1969年だったんですが、今となっては元祖レゲエのポピュラーヒットの草分けみたいな評価もありますし、何よりも歌っているデズモンド・デッカーのメロディメーカーとしての才能、またライトタッチの節回しの心地良さ等々が、なかなか隠れファン(?)増殖の要因になっているんじゃ~ないでしょうか。

もちろん、こういう元祖レゲエは何もデズモンド・デッカーの発明品ではなく、つまりはレゲエのリズムやビート感を取り入れた楽曲がそれ以前は「スカ」とか「ロック・ステディ」という業界用語で括られては、様々な流行歌になっていました。

中でも一番に知られているのは、それを意識せずとも、おそらくはビートルズの「Ob La Di Ob La Da」であり、歌詞の中に出てくる[Desmond」は、このシングル盤の主役たるデズモンド・デッカーに因んだという説があるほどです。

で、そのデズモンド・デッカーはジャマイカの出身という事で、当地のジャズから派生したと言われる本物の「スカ」を体現していたのでしょうが、このシングル盤の紹介には「R&Bにカリプソを入れた云々」という解説なんですから、それが正解でもあり、また勘違いでもあるあたりに、当時の我が国の洋楽事情があったというわけです。

ただし、繰り返しますが、この「イスラエルちゃん / Israelites」には妙に和んでしまう味わいが確かにあり、なにしろ基本的にはレゲエに馴染めないサイケおやじが、なかなかにこれが好きという告白すら出来てしまうんですよっ、恥ずかしながら。

極言すれば今日まで、レゲエにもハードなものから、ラバーズとか言われる雰囲気優先の歌や演奏まで幅広くあるわけで、だからこそ、こうした歌が忘れられないのかもしれません。

ということで、最後になりましたが、それにしても「イスラエルちゃん」という邦題は噴飯物というよりも、国辱とか侮蔑にも繋がりかねない危なさがありますよねぇ~~。

一応、サイケおやじの拙いヒアリングでは、貧しく苦しいジャマイカの生活を旧約聖書に出てくるイスラエルの民に準えているみたいな歌詞があるとはいえ、それじゃ~、尚更じゃ~ないです??

いやはや、それでもこれを思い出してしまったサイケおやじは、笑ってごまかす事も出来ない心境であります……。

失礼致しました。

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ハプニングスの涙のくちづけ

2015-03-29 15:41:39 | Pops

涙のくちづけ / The Happenings (London / キングレコード)

今日ではオールディズマニアやソフトロックのファンから人気を集めるハプニングスも正直、サイケおやじにとっては些か中途半端な存在感が逆に魅力のコーラスグループです。

と、例によって天邪鬼なご紹介になっているのは、最初に邂逅したレコードが掲載のシングル盤だったからに他なりません。

だって、ご覧のとおり、この強烈にサイケデリックなフィーリングが表出したジャケットデザインに接すれば、少なくとも内容はミステリアスなムードが横溢した、所謂フラワーポップな洋楽ヒット!?

そうにちがいないと思うでしょう~~~。

ところが実際はファルセットボーカルを大きく使った、これが日本で発売されていた1969年当時としては、ちょっぴり古い感じの正統派な仕上がりになっていたんですから、まさに大きな肩すかし!

しかし、これにはちゃ~んと裏があり、実は皆様ご推察のとおり、A面収録の「涙のくちづけ / Sealed With A Kiss」は同時期の我が国において、レターメンが大ヒットさせていたリバイバルカバーの人気曲でありましたから、他社が後追いで「柳の下」を狙った企画だったと思われます。

そして、これはこれで、なかなか素敵な名唱なんですよ、残念ながら表立ったヒットにはなりませんでしたが。

もちろん、サイケおやじがハプニングスに興味を抱いたのは言うまでもありません。

それが1977年頃の個人的体験であり、実は既にリアルタイムではハプニングスは消滅していたらしいんですが、ちょうど我が国ばかりか、世界的にもアメリカン・グラフティーに端を発したオールディズブームがあった事から、このアメリカのコーラスグループのレコードや諸々の情報が比較的すんなりと入ってきたのは幸運でした。

で、ハプニングスは有名なトーケンズの庇護を受けたグループとして、中心メンバーのボブ・ミランダ以下、トム・ジュリアーノ、ラルフ・デヴィート、デイヴィッド・リバートが全盛期の顔ぶれだったそうで、1965年の公式デビュー以来、数曲の大きなヒットも放っていたわけですが、このジャケ写にはメンバー入れ替え後の5人組時代のポートレートが用いられていながら、問題(?)の「涙のくちづけ / Sealed With A Kiss」は、1966年頃のレコーディングという真相があったのです。

つまりハプニングスも時代の流行と共に、グループとしての音楽性を変化させていたわけで、デビュー当時は前述のようにトーケンズのプロデュースで出していたレコードを順調にヒットさせていながらも、1968年頃からはソウルっぽいコーラスワークやアレンジを用いた作品を作るようになり、翌年にはレコード会社も移籍し、ますますハイブラウ(?)な活動を目指したのですが……。

そのジャズ系ハーモニーやファンキーなビート感までも入れたスタイルは大衆から遊離した境地であり、当然ながらヒット曲は出せず、1977年頃には解散したと言われています。

しかし、後追いでハプニングスに出会ったサイケおやじにすれば、フォー・シーズンズの影響も色濃い初期のスタイルよりは、後期のファンキーロック調なコーラスバンド時代も侮れずに好きなんですよ♪♪~♪

ということで、ハプニングスは基本的には有名曲のカバーを自分達色に演じるコーラスグループであり、恐らくは現在の人気は初期のレコーディングに依存しているのかもしれません。

もちろん、この「涙のくちづけ / Sealed With A Kiss」も数多世に出た同曲のカバーバージョンの中では、それなりの無難な仕上がりかもしれませんが、ファルセットに被さるコーラスワークの意外な面白さがジワジワと染み入ってくるあたり、既に後年の先進的なフィーリングが潜んでいるように感じます。

うむ、纏まっているのならば、ハプニングスのCD、買おうかなぁ~~♪

好きな後期ハプニングスのレコードは追々にご紹介させていただきますが、アンソロジーとか、探してみようっ!

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コニー・フランシスの日本語ロックなフィーリング

2015-03-25 15:10:21 | Pops

離さないで c/w ハートでキッス / Connie Francis (MGM)

コニー・フランシスは説明不要、1950年代後半からのアメリカンポップスを代表する女性シンガーであり、幾多放ったヒット曲の数々は我が国でも日本語歌詞に変換(?)された和製洋楽の元ネタ歌手として、例えば中尾ミエ弘田三枝子伊東ゆかり森山加代子青山ミチ等々がスタアとして認められたのも、全く彼女の存在抜きには語れないでしょう。

しかも驚くべきは、そのコニー・フランシス本人が堂々の持ちネタ日本語バージョンのレコードを制作発売していた事ですっ!

本日掲載のシングル盤も、まさにそのひとつとして広く当時の日本に流布した人気作でしょう。

特にA面収録の「離さないで / Don't Ever Leave Me」は1964年末から翌年にかけてのヒット曲として、彼女にとっては全盛後期の名作であり、時代の流行を強く意識したと思わずにはいられないガールグループ系ポップス調の仕上がりが素敵なオリジナルバージョンの味わいは、お馴染みの漣健児が訳して附した日本語バージョンでも損なわれていません。

というか、これの作曲&プロデュースを担当したジェフ・バリー&エリー・グリーンウィッチの意図を充分に把握解釈したコニー・フランシスの幾分クールな節回しが、日本語バージョンでも楽しめるんですから、彼女の才能は凄いと思いますねぇ~~♪

しかし、その意味では、もっと有名であろうB面収録「ハートでキッス / Looking For Love」が尚更にソウルフルな曲調であるがゆえのカタコト感にも、なかなか心が惹かれてしまいますよ♪♪~♪

ちなみにコニー・フランシスと言えば、世界各国でご当地バージョンを出していた事から、案外とコレクター泣かせの大物シンガーではありますが、流石は人気の高い彼女の音源が復刻される場合、常にそれらがそれなりに纏められるのは慣例以上の尊崇の念なのでしょう。

もちろん、そういうふうに思えば、軽んじる事は禁物です。

そしてあくまでもサイケおやじの独断と偏見ではありますが、案外と日本語のロックのルーツに関わる事情として、コニー・フランシス自らが歌う日本語バージョンは侮れない気がしています。

つまり、それほどロックの本質が彼女のパフォーマンスから発散されているんですよっ!

ということで、最近のサイケおやじは皆様からのコメントにお返事も書けず、ご厚情に甘えるばかりの生活態度、情けないかぎりと反省しております。

その根底にあるのは、公私ともに煩雑な心身不安定であり、追い込まれている感じが……。

どうか、これからも長い目で、拙ブログとおつきあい願えれば、幸いでございます。

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本当に青いジュディの目

2015-03-16 15:08:04 | Pops

青春の光と影 / Judy Collins (Elektra / 日本ビクター)

美人ボーカリストのジュデイ・コリンズ、と書けば、各方面からのクレームは覚悟しなければなりませんが、問題は彼女が「美人」という真実ではなく、「ボーカリスト」と普通に括られる事かと思います。

ご存じのとおり、彼女はフォークシンガーとしての名声、そしてシンガーソングライターとしても名曲を自作自演していますから、決して一介のポップスシンガーでは無いわけで、しかし彼女の歌声によるヒット曲の数々が自作ではないところに、あれやこれやの話題や論争(?)が尽きないというのが洋楽ファンの気持ちだった頃が確かにありました。

例えば本日掲載のシングル盤A面曲「青春の光と影 / Both Sides Now」はジュデイ・コリンズを代表する有名ヒットであり、誰もが一度は耳にしたに違いないそのメロディと爽やかにして不思議な説得力に満ちた歌声の魅力は、永遠に色褪せることはないでしょう。

ところが、この「青春の光と影 / Both Sides Now」は才女の誉れも高いジョニ・ミッチェルが書いたもので、当然ながら作者の自演バージョンも吹き込まれています。

しかし既に述べたとおり、それは如何にも哲学的(?)な歌詞に相応しい、ちょいと内向的なメロディ解釈と歌唱表現が顕著であって、これはサイケおやじも同じ道を歩んだというか、ポップなジュディ・コリンズのヒットバージョンを先に聴いてしまえば、ジョニ・ミッチェルの真正オリジナルバージョンには???が必至と思いますねぇ~~。

そして同時に強く感じるは、ジュデイ・コリンズのツボを外さない節回しの上手さであって、そりゃ~、ジョニ・ミッチェルが紡いだメロディや和声感覚にはサイケおやじも大好きな特有のイカシたフックがあるにせよ、極言すればジュデイ・コリンズの卓越したポップなフィーリングがなければ、果たして「青春の光と影 / Both Sides Now」という楽曲が広く人々に受け入れられたかは疑問符が……。

実は告白すれば、この歌を初めてラジオで聴いた中学生当時、てっきりジュディ・コリンズのオリジナル曲と思い込んでおりまして、後にジョニ・ミッチェルに興味を抱いた時には、その真相に妙に納得させられた記憶が今も鮮明です。

そうした事象は、まさにジュディ・コリンズの唯一無二の個性でもあり、ジョニ・ミッチェル以外にもレナード・コーエンやビリー・エド・ウィーラーあたりの玄人ウケするソングライターの楽曲を真っ向から歌い、それらを世間に知らしめた功績(?)にも顕著でしょう。

ちなみにCS&N、あるいはCSN&Yでお馴染みのスティーヴン・スティルス作品「青い目のジュディ / Suite.Judy Blue Eyes」とは、まさに彼女の事であるという逸話は有名過ぎるかもしれませんが、思えばサイケおやじがジョニ・ミッチェルに惹かれたきっかけも、彼等のヒット曲「Woodstock」であったのですから、その運命の轍には相当に深いもの感じてしまいます。

そしてジュディ・コリンズの目は、本当に「青い」んですから!

ということで、サイケおやじにとっての彼女は上手いボーカリストであり、自己主張の強いポップス歌手でもありますが、今となっては愛すべき美人シンガー♪♪~♪

そんなわけですから、各方面から非難の集中攻撃があろうとも、それはジュディ・コリンズの歌声に免じて、自己完結させていただく所存です。

ジュデイ・コリンズ、最高ぉぉぉ~~♪

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彼女が好きって言います!

2015-03-06 14:52:58 | Pops

言わなきゃダメよ / Alma Cogan (Odeon / 東芝)

外タレが、あえて日本語で歌った持ちネタのヒット曲、所謂日本語バージョンには常に賛否両論があるわけですが、その中の一番の問題点は、何を発音しているのか?

その「わからなさ」であり、それが魅力か否か!?

じゃ~ないでしょうか?

もちろんファンとしては、憧れの洋楽スタアが日本語で歌ってくれる事そのものは尚更の親近感と優越性に浸れるわけですから、悪い気持ちはしないんですけどねぇ~、それゆえに!?

そこでサイケおやじの立場としては、如何にも馴染んだコニー・フランシスやカテリーナ・ヴァレンテも大好きですが、勢いと雰囲気さえあれば、カタコトでタドタドしい日本語バージョンも大歓迎♪♪~♪

例えば本日掲載したのはイギリスのポップス歌手として「恋の汽車ポッポ / Train Of Love」等々のヒットを放ち、1960年代前半には我が国でも人気が高かったアルマ・コーガンの日本語歌唱をA面に入れたシングル盤ということで、往年のラジオからも頻繁に流れていたのが件の「言わなきゃダメよ / Tell Him」でした。

ちなみにこの曲はアメリカの黒人ボーカルグループとしてマニアックな人気も高いエクサイターズのオリジナルヒットでありながら、サイケおやじとしてはアルマ・コーガンのカバー、それもご紹介の日本語バージョンに一番親しみがありまして、それも刷り込まれた三つ子の魂なんとやらでしょうか、とにかく今でも好きなんですねぇ~♪

そして何が好みかって言えば、ホセしばさきの訳詩が江戸っ子風の言い回しという事もありましょうが、随所に意味不明ながらも、これがロックの気持ち良さという語感の耳触りが抜群なんですよっ!

これは笑って聞き流せるという意図だってあるに違いない!?

と書けば贔屓の引き倒しになるとは思いますが、勢いがある全篇のサウンドとアルマ・コーガンの歌いっぷりの潔さはたまりません♪♪~♪

ですから、これをそのまんまコピーカバーして歌っていた日本人歌手も居た様な記憶さえあるんですが、とすればアルマ・コーガンが日本語バージョンを吹き込んだ時期は昭和37(1962)年の来日時なんでしょうかねぇ~~~。

いやはやなんとも、当時の洋楽事情は伝えられる情報量の少なさゆえに、後年になってもひとつの楽しみになっていしまうミステリ的な魅力がありました。

また、彼女は1960年代中頃に早世してしまったので……。

今となっては些か忘れられた存在かもしれませんが、サイケおやじには懐かしさよりは印象が強過ぎるボーカリストであり、特に日本語バージョンの「言わなきゃダメよ / Tell Him」は必殺の記憶媒体というわけです。

機会があれば、皆様もお楽しみ下さいませ。

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そよ風にのってみたい

2015-02-08 15:44:22 | Pops

そよ風にのって / Marjorie Noel (Barcly / キングレコード)

1960年代のフレンチポップスの女性歌手としては、なかなか日本でも人気のあったひとりがマージョリー・ノエルでした。

掲載したシングル盤A面収録の「そよ風にのって / Dans Le Meme Wagon」は彼女の代表的なヒット曲であり、日本でも1965年末に大ヒットし、翌年には日本語バージョンも発売されたほどの実績は、往年の洋楽ブームを今に伝える逸話でしょう。

あくまでも個人的な感想ではありますが、彼女もまた持ち前の声の魅力とでも申しましょうか、ポップスやロックというよりも、むしろ落ち着いたクラブ歌手の如き大人のフィーリングが滲むあたり、少年期から今に至るもロリ趣味の無いサイケおやじにはジャストミートの嗜好品♪♪~♪

しかし、この「そよ風にのって」は流石に溌剌とした明るいテンポのキャッチーさが妙に胸キュンなところも併せ持っているという優れもので、これがウケなかったらヒット曲の神様は激怒されるに違いないわけです♪♪~♪

皆様にしても、曲名は知らずとも、一度は耳にしたことがあるはずのメロディと彼女の歌声は、まさに至福ですよねぇ~~♪

ということで、春が近づくと、サイケおやじは彼女が歌う「そよ風にのって / Dans Le Meme Wagon」が恋しくなり、車の中や仕事場でリフレインで鳴らしては、周囲を呆れさせているのですが、いいじゃ~ないですかっ!

好きなものを好きと言える世界こそ、素晴らしいっ!

ということで、実は本日も朝から仕事で苦しめられているんですが、マージョリー・ノエルの歌声が傍にあるかぎり、落ち込んではいられないというわけです。

明日が、最終決戦!

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