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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

変ることは難しく、しかし必要不可欠

2017-08-15 20:03:58 | Pops
時代は変る / ピーター・ポール&マリー (Warner Bros. / 東芝)

本日は終戦記念日……、というか現実的には「敗戦の日」なわけですが、それはそれとして、戦争という最高に愚かしい行為を止め、新しい出発を期した日という意味では、殉難された先人達を追悼する慰霊の気持で国民が前を向いていく、それを忘れてはならないと思います。

しかし、世界は……、殊更最近は我が国周辺が異常に緊迫した状況で、それもこれも北朝鮮の常軌を逸した軍事的挑発行動によるものですから、例え何と言われようとも、火の粉を払う必要は不可欠なんですが、それにしても穏やかに出来ないものか……?

これはサイケおやじだけの気持では無いはずで、とにかく北朝鮮という国は所謂家族経営でありながら、指導者の思考は完全に意思の疎通を欠いた時代遅れであり、邪魔になれば兄も叔父も殺害し、自分を助けてくれた側近を排除し、逆らう民は処刑するというんじゃ~、中世の封建君主と何らの変りもないでしょう。

しかも対外的に孤立化の道を邁進している現状に鑑みて、その解決策が核武装しか無いと決め込んでいるあたりは、まさにキチガイに刃物!

そりゃ~確かに、他国が原水爆を保有しているのに何故、自分達は持つ事を非難されるのか?

という疑問に不条理性はあるでしょう。

核保有国が大きな態度で世界を動かしている現実も認めざるを得ないところで、先日も国連で核兵器禁止の決議が出されながら、それに反対はせずとも、参加しないという国の多くが、既に核武装しているという茶番があるのは否定出来ません。

しかし、それでも核兵器を脅しの道具にして、相手を屈服させんとする露骨な行為を表立ってはやらないのが現在の世界情勢であり、何処だって北朝鮮を意図的に潰すなんていう目論見は結局、大した利益にもならないと分かっている現実を認めて欲しいものです。

あくまでも個人的な思いではありますが、孤立化して世界に敵対するよりは、分断されている民族をひとつに纏める方向にエネルギーを使うのが得策じゃ~ないんでしょうかねぇ~~~。

さて、そこで本日は、そんなバカ大将に聞いて欲しいという願いを込めて、ボブ・ディランが1963年に書いたメッセージソングの有名曲「時代は変る / The Times They Are a-Changin'」をピーター・ポール&マリー=PPMのバージョンです。

皆様ご存じのとおり、この「時代は変る / The Times They Are a-Changin'」は、古い考えなんて、若い世代には通用しないという、些か若気の至りみたいな歌詞かもしれませんが、ボブ・ディランには、もうちょっと多角的な思惑があったんでしょうか、一説にはケネディ大統領の就任演説にインスパイアされたと云われてはいるものの、とにかく夥しい歌手やグループにカバーされ、膾炙しているのは周知の事実!

掲載のシングル盤に収録されたPPMのバージョンにしても、初出は1964年ですから、ボブ・ディランのオリジナルバージョンと同時期に世界中でウケていたと思うのは、生硬実直で鋭い感じが強いボブ・ディランに対し、PPMはシンプルな中にも持ち前のハーモニーを駆使しながら、それでも意思の強さを分かり易く伝えようとするあたりに好感が持てる仕上がりなんですねぇ~~。

 さあ、皆集まれ
 何処をふらついていたって
 君達の周りには水嵩が増している それを認めよう
 もう直ぐ 骨までびしょ濡れになるだろう
 今に生きるならば
 救われるために
 泳ぎ始めるんだ
 石のように沈まないように
 時代は変るのさ

というのはサイケおやじの勘違い的ヒアリングなんでしょうが、そんなこんなが積み重なったボブ・ディランからのメッセージに一貫しているのは、煮詰まった考えじゃ~、時代の流れに取り残されるんだよぉ~~等々、しかし……、それじや~~、サイケおやじはどぉ~なんだっ!?

言い訳を繕う事も出来ないほど、OLDWAVE な体質にどっぷり、保守的なところは子供の頃から変わっていません。

ただ……、趣味の世界はともかくも、社会生活においては、自分なりに筋をとおすべく頑張って、嫌な時でも頭を下げる事に卑屈な態度は極力見せないようにはしているわけで、それを節操がないと批判されるのは何時もの事ではありますが、なんとかなっているのは周囲の理解があればこそと、感謝するばかりです。

ど~か、緊張極まる世界情勢の中、指導者各々は柔軟な思考で問題に対処していただきたいものです。

平和を強く祈念しております。
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ポルナレフの夏の歌とその本質は…

2017-08-02 19:57:22 | Pops
渚の想い出 / Michel Polnareff  (Disc'AZ / エピックソニー)

やっぱり季節を考慮すれば、本日は夏の歌のご紹介ということで、掲載したのは1972年に我が国で発売されたミッシェル・ポルナレフのせつないヒット曲「渚の想い出 / Tous Les Bateaux,Tous Les Oiseaux」をA面に入れたシングル盤です。

しかし、この「渚の想い出 / Tous Les Bateaux,Tous Les Oiseaux」は決してリアルタイムでミッシェル・ポルナレフが吹き込んだ歌じゃ~なくて、しかも作詞:ジャン・ルー・ダバディ&作曲:ポール・ドゥ・センヌヴィルというクレジットを確認すれば、本人の自作曲でもないという真相は、つまりは当時の日本におけるミッシェル・ポルナレフの爆発的人気を逆説的に証明するものでしょう。

ご存じのとおり、ミッシェル・ポルナレフは前年の「シェリーに口づけ / Tout, Tout Pour Ma Cherie」のメガヒットから一躍我が国で大ブレイク!

如何にもフランスという、日本人にとってはロマンチックでオシャレなイメージのお国柄を相当に濃~いはキャラで歌って演じた才能は、局地的に顰蹙や笑いのネタにされていた事も否定は出来ないながらも、とにかく発売するレコードは次々にヒットしていたわけで、それが前述「シェリーに口づけ / Tout, Tout Pour Ma Cherie」以下、「愛の願い」「哀しみの終わるとき」「愛のコレクション」と続いたところで、いよいよ「渚の想い出 / Tous Les Bateaux,Tous Les Oiseaux」となったんですが、実は本国フランスでは既に1969年にヒットしていたという、つまりは蔵出しというか、とにかくミッシェル・ポルナレフが歌っている、とにかく「らしい」がシングル曲をっ!?!

というレコード会社側の思惑が見事に的中したというのが、これだったというわけです。

しかも、もう一丁凄いのは、ジャケットスリーブに記載された「来日期待盤」という、トンテモ系寸前の煽りコピー!?!

そうです、ありがちな「来日記念盤」じゃ~ないところにも、当時のミッシェル・ポルナレフの破格とも云える人気ぶりが証明されているんですねぇ~~~!?!

そして願いは叶い、いよいよ1972年晩秋には興奮度絶頂の初来日公演が敢行されたのは今や歴史となり、しかもその前段として、この「渚の想い出」に続き、「愛の休日」がウルトラ級のメガヒットになっていたのですから、このあたりがミッシェル・ポルナレフの全盛期だったような気がします。

で、今回気がついたんですが、ミッシェル・ポルナレフは決して純粋な(?)シンガーソングライターではなく、この「渚の想い出 / Tous Les Bateaux,Tous Les Oiseaux」は既に述べたように他の作者からの提供曲ですし、件の「愛の休日」にしても、同じく作詞はジャン・ルー・ダバディだったんですねぇ~~~。

つまり、ミッシェル・ポルナレフはその派手な部分が既にしてポップスタアの素養であり、だからこそシンガーソングライターという、ある意味では内省的なイメージを覆す存在だったとすれば、例のケツ出し騒動も含めて、同時期にスタアの座を射止め、ついにはド派手なポップスタアに成り上がったエルトン・ジョンにも影響を与えたと勘繰るのは、サイケおやじだけでしょうか。

そ~ゆ~思い込みもあるもんですから、サイケおやじはミッシェル・ポルナレフのあれやこれやを捨てきれないのかもしれません。

なにか決定的なアンソロジーとか、出ていたら聴いてみたいものです。
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潮風のマリーの思い出

2017-07-15 20:43:40 | Pops
潮風のマリー / Raymond Lefevre et son Grand Orchestre (Barclay / キングレコード)

今日も朝っから暑苦しいので、何か爽やかなレコードはないかいな……?

という気分で自室の棚を漁って取り出したのが、本日掲載のシングル盤なんですが、まあ、中身よりもジャケットのデザインイメージが、その決め手だった事は皆様ご推察のとおりです。

しかもA面曲タイトルが「潮風のマリー」と表記されていちゃ~、たまりませんよねぇ~~♪

ところが、これは決して爽やかな夏向きイージーリスニングじゃ~なくて、1975年にダリダがディスコアレンジでリバイバルヒットさせた1930年代のシャンソンの人気曲「待ちましょう(潮風のマリー) / J'ATTENDRAI」にして、その本家本元はカンツォーネだったらしいのですが、サイケおやじは後者のオリジナルバージョンは聴いた事がありません。

しかし、ダリダのディスコバージョンは我が国でもそれなりにラジオ等から流れていましたから、さらにフュージョン風味を強めて演奏された、このレーモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラのインストバージョンが、すんなりと耳に入って来た事も自然の摂理!?

というか、実は告白すれば、そのリアルタイムの昭和51(1976)年、船橋市の某ストリップ劇場にて出演していたダンサーが、このレーモン・ルフェーヴルのオーケストラバージョンを踊りで使っていたのを、ちょうどその場に居合わせたサイケおやじが気に入って、思わずこのシングル盤をゲットしてしまったのが真相でして、それゆえにこのインストバージョンを聴く度に、あの夜のステージで踊っていたストリッパーを思い出してしまうという、いやはやなんともの……。

ということで、猛暑は続くし、政治の世界は茶番ばっかりだし、鬱陶しい事が絶え間ない毎日ではありますが、とにかく前を向いていきましょうよっ!

それには楽しい事を作っていくのが人生だと思っている不肖サイケおやじも、自己矛盾はしていないはずと、言い聞かせております。
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本気で聴きたいイーディ・ゴーメ

2017-05-23 20:34:37 | Pops
恋はボサノバ c/w デサフィナード /  Eydie Gorme (Columbia / 日本コロムビア)

掲載したのはアメリカのポピュラー歌手として我が国でも人気が高かったイーディ・ゴーメの代表曲「恋はボサノバ / Blame It on the Bossa Nova」をA面に入れた日本プレスのシングル盤なんですが、実はこれ、先日急逝した叔父の遺品のひとつとして残されていたものでして、それがど~ゆ~経緯からか、かなり厳重に封をされた厚手の紙袋の中から発見されたとあっては、サイケおやじも胸騒ぎを覚えるわけでして、そのまんま遺族の了解を得て、形見分けという事で自宅に持ち帰ったという顛末も、不思議な宿業なのでしょうか。

しかし、まあ、それはそれとして、このイーディ・ゴーメが歌う「恋はボサノバ / Blame It on the Bossa Nova」は、1963年にアメリカで大ヒットしたボサノバというよりはラテンロック、あるいはアメリアッチ調の楽しい歌ですから、当時の日本でもラジオからは流れる事も多く、また金井克子や他の大勢の歌手にカバーされた舶来ポップス歌謡として、これからの季節にはジャストミートの定番洋楽♪♪~♪

ただし、それゆえにジャズ者からは本気にされないという位置づけが彼女にはあるようで、殊更我が国ではウケがイマイチというのは、これ如何に!?

ちなみにイーディ・ゴーメはユダヤ系ではありますが、イタリアやトルコあたりの民族の血筋も濃いそうですから、妙にエキゾチックなムードを滲ませた節回しも納得されるところかもしれません。

個人的には、あんまりジャズっぽくないところが好きなボーカリストのひとりです。

そして、その意味で聴かず嫌いになっているジャズ愛好者の皆々様にお楽しみいただきたいのが、B面に収録された「デサフィナード / Ddsafinado」で、これこそ説明不要という真正ボサノバの聖典曲をソフトロック風味で歌ったという裏傑作♪♪~♪

いゃ~、この柔らかな声質と穏やかな節回しのバランスの良さは絶品ですねぇ~~♪

そこはかとないアンニュイなセクシーボイスが、実にたまりません♪♪~♪

ということで、楽曲そのものは既に私有LPで馴染んでいたとはいえ、シングル盤であらためて聴くと、やっぱり素敵な歌手だなぁ~~、というのがサイケおやじのイーディ・ゴーメへの思いです。

ご存じのとおり、彼女は夫君のスティーブ・ローレンスとのデュエット作品が有名過ぎるわけですが、ソロシンガーとしての魅力だって、本当に素晴らしいと再認識させられた今、ちょいと本気で彼女のレコードを集めたい欲望が沸々と!?!

うむ、これも故人の遺志として、素直に従う道なのかもしれません。

合掌。
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好ましき二番煎じ

2016-11-27 17:50:37 | Pops
Soul And Inspiration / The Righteous Brothers (Verve / 日本グラモフォン)
 
「二番煎じ」はこの世の常、殊更芸能というジャンルでは欠かせない手法であり、例えばライチャス・ブラザースが1966年に大ヒットさせた本日掲載のシングル盤A面曲「Soul And Inspiration」は、そのものスバリ! この白人ソウルデュオが大ブレイクした前年のチャートトップ曲「フラレた気持ち / You've Lost That Lovi'n Feelin'」の焼き直しという現実は否定出来ないと思いますが、いかがなものでしょう。
 
もちろん両曲は、共に作者がバリー・マン&シンシア・ウェイルのコンビが書いたものであり、仕上がったレコードに収められたサウンドの趣にしても、これが見事なフィル・スペクター流儀の「音の壁」なんですから、念が入っています。
 
と書いたのも、皆様ご存じのとおり、前述した「フラレた気持ち / You've Lost That Lovi'n Feelin'」は、御大フィル・スペクターが小さなヒット曲を頼りに地味な活動をしていたライチャス・ブラザースを気に入り、当時所属していたレコード会社から残っていた契約も含めて自らが運営するフィレスに引っこ抜いての仕事だったんですが、やはり売れてしまうと様々なゴタゴタもあったようで、結局は莫大な契約金を提示した大手のMGMに移籍契約!?!
 
そして早速作られたのが、この「Soul And Inspiration」という事ですから、その「音の壁」の再現を筆頭にする「二番煎じ」にも周到な準備と実践があったはずで、これが売れなければヒットチャートの神様からは天誅必至だったでしょう。
 
しかし、後に知ったところでは、これを書いたバリー・マン&シンシア・ウェイルにとってはボツ扱いのネタだったそうですから、二番煎じは両刃の剣!?
 
なにしろ以降のライチャス・ブラザースは、これに味を占めたかのようにフィレス時代に残していた音源と似て非なるが如きレコードを作ったり、ほとんどツキを使い果たしたかのような低迷期に入り、結局は1968年頃に活動停止……。
 
ビル・メドレーはソロに転向、ボビー・ハットフィールドは新メンバーを起用してのニュー・ライチャス・ブラザースを結成しますが、鳴かず飛ばずの後に両者は再結成を果たすものの、ど~しても「Soul And Inspiration」を越えられなかったのですから、現実は厳しいと思うばかりです。
 
ということで、しかしサイケおやじは決して「二番煎じ」が嫌いではありません。
 
実際、映画でもスターシステムに基づくプログラムピクチャーが好きですし、所謂「2」物にも大いに気を惹かれますからっ!
 
うむ、そんなこんなの「二番煎じ」な楽曲だけを集めた私的コンピレーションでも作ろうかなぁ~~、と思っているのでした。
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1971年のシェール復活

2016-10-24 17:46:32 | Pops
悲しきジプシー / Cher (Kapp / 日本ビクター)
 
現在の我が国では洋楽マニアぐらいにしか人気がないソニーとシェールですが、本国アメリカでは絶大な人気があって、それはソニーとシェールをメインレギュラーに、1971年夏から放送がスタートしたテレビのコメディバラエティが爆発的にウケまくったからと云われています。
 
実際、サイケおやじもある幸運から初めてアメリカに行けた1974年に件の番組に接したんですが、その中の台詞の意味は完全に理解出来なくとも、ド派手で悪趣味、そしてトホホでエロっぽい衣装でトンデモ系のアクションや下卑た仕草、さらには多分に風刺を含んだギャグやオチを放っていたと思われるソニーとシェールの存在感は強い印象でしたし、如何にも現実的な夫婦の相克を表現していたとしたら、額に汗も滲みますが、それも当然と思うばかりです。
 
しかし、この夫婦デュオは決して順風満帆であったわけじゃ~なく、最初は大ヒットも出せてはいたものの、1960年代半過ぎ頃からは落ち目の三度笠……。昔の名前でどうにか出ていられたような感じだったのかもしれませんし、ソニー・ボノもシェールも、夫婦になる以前からハリウッドの芸能界ではそれなりに仕事が出来ていたコネがあったことから、ドサ回りのナイトショウ等々ではキワドイ芸を披露していても、それをテレビ向けに改作転用出来るという業界の方針には直ぐに馴染めたのかもしれません。
 
で、そんなこんなの時期にソロシンガーとしても幾つかのレコードを出していたシェールが1971年の秋、ついにカッ飛ばした大ヒットが、掲載のシングル盤A面曲「悲しきジプシー / Gypsys, Tramps and Thieves」で、これは日本でも秋から冬にかけてラジオでもバンバン流されていた、なかなか西部劇調(?)の哀愁メロディーが印象的なエキゾチックポップス&ロック♪♪~♪
 
どうやら歌詞本来の中味は、放浪の旅芸人一座に生まれた女系の宿命らしく思えますが、シェール本人もインディアンの血を引く、ちょっぴりアクの強い美女だけに、レコードよりはテレビやライブステージでこの「悲しきジプシー / Gypsys, Tramps and Thieves」を歌う姿は、素晴らしく「絵」になったんじゃ~ないでしょうかねぇ~~♪
 
おそらくは前述したテレビショウでも頻繁に歌っていたという推察は易いですから、大ヒットになった事も説得力があります。
 
また、我が国でもこの曲がウケたのは、どうにも不思議な魅力の哀愁が感じられるメロディとサウンド作りの妙でしょう。
 
シェールの力強いボーカル、シンプルな8ビートにマイナースケールを多用した曲展開、薄口ながらコクのあるストリングスの存在感も巧みなアレンジで、実はこのシングルに収録されているのはモノラルミックスなんですが、全体として些かチープな雰囲気と濃密な空気感が個人的には好きなところなんですよ♪♪~♪
 
そしてこれが当時の歌謡曲に転用されていった事は言うまでもなく、しかも絶対にモロパクリじゃ~なくて、様々な要素が隠し味的に使われている事は、昭和歌謡曲に親しみ、またシェールの「悲しきジプシー / Gypsys, Tramps and Thieves」を聴かれた皆様であれば、あぁ~、あれねぇ~~♪
 
等々、思い当たるフシが浮かんでしまうはずと僭越ながら推察する次第です。
 
ということで、これ一発で完全にトップスタアに返り咲いたシェールは、以降もシングルヒットを放ち、また女優や芸人タレント(?)として絶大な人気を集めていくのですが、その中でロックファンが忘れていないのがグレッグ・オールマンとの熱愛~結婚の騒動(?)じゃ~ないでしょうか。
 
なにしろ彼女に夢中になったグレッグ・オールマンが自らが率いていたオールマンズでの活動に身が入らくなってのあれやこれやは、オールマンズ解散の要因のひとつだと指摘される事が度々ですから……。
 
う~ん、シェールの美しき怖さは天下一品!?
 
篭絡されていも、悔いは無いと言い切れるのが男の本懐だとしたら、以て瞑すべし……。
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心に滲みる秋のメロディ:洋楽ヒット篇その壱

2016-10-22 17:58:02 | Pops
愛は心に深く / Mac Davis (Columbia / CBSソニー)
 
秋になると自然に心優しい洋楽のラブソングが聴きたくなるのはサイケおやじだけでしょうか?
 
もしかすると、サイケおやじが若かった頃は音楽もラジオで聴くのが普通でしたし、またそういう放送メディアも耳に訴える必要性から季節感を優先する番組作りの中で、時期的な雰囲気を感じさせる楽曲を選んで流していたと推察出来ますから、刷り込まれた条件反射なのかもしれませんが、レコード業界にしても、所謂季節物を毎年プッシュしていたのですから、そんな気分も通常の生活態度(?)なんでしょうねぇ。
 
さて、そこで本日掲載のシングル盤A面曲「愛は心に深く / Baby, Don't Get Hooked On Me」は、1973年の秋にヒットした、これがハートウォームなカントリーソウルバラードとでも申しましょうか、ミディアムテンポでオーケストラやゴスペル風味のコーラスも入った大人っぽいムードが、なかなかおセンチな秋のイメージにジャストミートしていましたですねぇ~~♪
 
ただし、これは日本国内ではウケがイマイチだった印象で、どちらかと言えばラジオでもFENで流れまくっていたというのがサイケおやじの記憶です。
 
そして実はサイケおやじはその頃から、英語の勉強になるからという先輩のアドバイスを素直に聞き入れ、と言えば体裁は良いんですが、本当は少しでも本場アメリカのリアルタイムのヒット曲に接したかったのが主目的でFENを聞いていたんですけど、それはそれとして、とにかくこの「愛は心に深く / Baby, Don't Get Hooked On Me」は個人的に秋の洋楽ヒットのひとつとして大好きなんですよ♪♪~♪
 
しかし、追々に歌詞の中味が分かってみると、これは邦題とは些か主旨がちがっているようで、極端に解釈させていただければ、流れ者のモテ男が、自分に惚れている女の子に、「俺みたいな者に夢中になっちゃ~いけねぇよ」なぁ~んていう、如何にもカッコイィ~、ハードボイルドな我儘を吐露しているという、いゃ~、愛という辛い現実に縛られるよりは、自由でいたいんだよぉ~ん!?!
 
そんな本音も男の憧れの生き様と歌っているんでしょうかねぇ~~~。
 
サイケおやじの上滑りした思考では、そんなふうに思うのが精いっぱいではありますが、マック・デイビスの大らかな節回しと広がりのあるメロディラインは、やっぱり心に滲みるものがあります。
 
ちなみに後で知ったところによると、マック・デイビスはテキサス出身のソングライターで、例えばエルヴィス・プレスリーの「In The Ghetto」等々、様々な歌手に曲を提供していた裏方だったそうですが、当然ながら少年時代からバンド活動をやったり、また音楽業界では宣伝担当の仕事の傍ら、機会があれば自らボーカリストとしてデモテープ作りや所謂ハコバンでの活動もあったと云われています。
 
そして今では有名な逸話として、この「愛は心に深く / Baby, Don't Get Hooked On Me」も最初は未完成のデモ音源を聞いたプロデューサーが瞬時に気に入り、速攻で作者本人、つまりマック・デイビスにレコーディングさせたというのですから、ある種の「閃き」もヒット曲の要件と思うばかり!?!
 
ということで、最近の歌には、こ~した優しいメロディが少なく感じられるサイケおやじですから、結局は往年のヒット曲に安らぎを求めてしまうのでした。
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スプリンターで和む秋

2016-10-10 18:03:48 | Pops
Sun Shine On Me / Splinter (Dark Horse / ワーナーパイオニア)
 
洋楽の世界には、何故か日本寄りのミュージシャンが少なくないんですが、それだけ我が国のマーケットが侮れず、しかも日本で最初に人気を得てから本国や世界中でブレイクした歌手やグループの実績が認められているからでしょう。
 
例えばクイーンやチープ・トリック等々は殊更有名ですから、それに続けとばかりに、それなりのキャリアを有する面々が活路を求めんとするのは十分な説得力があるんじゃ~ないでしょうか。
 
本日掲載したシングル盤の主役たるスプリンターも、今となっては知る人ぞ知る存在かもしれませんが、実は1970年代中頃には鳴り物入りで紹介されていたポップスデュオで、何故ならばジョージ・ハリスンが1974年に自ら設立したダーク・ホース・レーベルの最初の契約発売ミュージシャンだったのが彼等だったんですねぇ~~!?!
 
当然ながら、そのデビューに際してはジョージ・ハリスンの前面的なバッアップがあり、作られたレコードには自らも含めて、コネクション総動員という方針も大きな話題になったんですが、結果的に鳴かず飛ばず……。
 
ちなみにスプリンターはビル・エリオットとボビー・パーヴィスのフォークデュオで、当時ビートルズの現場マネージャーだったマル・エヴァンズに発見されてのダーク・ホース・レーベル契約という幸運がありながら、同じマル・エヴァンズが見出したアイビーズバッドフィンガーのようには売れなかったのは、失礼ながら、やはりそこまでの実力が無かったというのが正解なのでしょう。
 
しかし、スプリンターには好きな人には好きとしかいえない魅力が不思議にもあるんですねぇ~♪
 
不肖サイケおやじも、実はそ~ゆ~性質の持ち主でして、聴いてい安心感に包まれるようなスプリンターのレコードは、密かな愛聴盤になっているほどです。
さて、そこで掲載したシングル盤A面曲「Sun Shine On Me」は、なんとっ! 日本制作のCMタイアップ曲で、それはトヨタの「スプリンター」であったことはジャケ写からも一目瞭然でありましょう。
 
もちろん件の車名と彼等のグループ名が一緒だったという狙いは明らかですし、レコーディングされたのが昭和51(1976)年11月頃、ちょうどスプリンターが東京音楽祭出場で来日した時だったと言われているということは、既にそれが予定の行動だったという推察も易いかもしれません。
 
と同時に、とにかくもジョージ・ハリスンの秘蔵っ子とまで喧伝されていたスプリンターが、なんとかイマイチの現状を打破しようと、我が国の洋楽市場に活路を云々という事情は理解出来るところです。
 
なにしろ出来上がった楽曲「Sun Shine On Me」が作詞:奈良橋陽子&作曲:タケカワユキヒデ、そして編曲:ミッキー吉野ということは、バックの演奏も当然ながらゴダイゴが全面的に担当したそうですから、世界戦略も抜かり無し!
 
ただし、これはゴダイゴが既に演じていた同CM曲「Sprinter Liftback」の改作という真相もあるんですが、それでも英語詞で歌われるゆったりと穏やかなメロディは、スプリンターの安心印のボーカル&ハーモニーがある限り、まさにナチュラルな和みがいっぱいなんですよ♪♪~♪
 
正直、もう少し派手さがあってもOKという気がしないでもなかったんですが、しかし発売された昭和52(1977)年といえばAORポップスが洋楽の世界ではトレンドでしたし、この当たり障りのない音楽世界こそが、スプリンターの魅力のひとつじゃ~ないかと思います。
 
しかし、現実は厳しく、結果的にこの「Sun Shine On Me」は日本だけの独自シングルだったようで、それゆえにビートルズ関連アイテムの難関盤として、世界中のコレクターから狙われていた時期もあったそうですよ、今はど~だか知る由もありませんが。
 
また、実はスプリンターはこれ以前の昭和51(1976)年、自らの代表曲「Lonly Man」の日本語バージョンのシングル盤出して、その作詞は俳優の中村雅俊が書いたとされていますが、さらに驚かされたのは、その中村雅俊が昭和50(1975)年に作詞:喜多條忠&作曲:吉田拓郎からの提供で大ヒットさせた「いつか街で会ったなら」の英語詞バージョンを昭和54(1979)年に制作発売しているという、いゃ~、ここまでやっているんですから、なにか報われないのは運否天賦というやつでしょうか……。
 
でも、そんなところもサイケおやじがスプリンターを憎めないところです。
 
ということで、今日は涼しすぎるというか、ちょっぴり寒いような気がするほどのヒンヤリ感がありましたので、いよいよハートウォームな音楽が必要とされる季節が到来したようです。
 
夏場の暑苦しい時にも、それなりに聴いて心地良いレコードは沢山あるんですが、サイケおやじ的には食欲やスポーツよりは、音楽とエロスの秋でありたいと願っているのでした。
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汚れた世界に秋風の恋はせつなく

2016-09-17 17:17:41 | Pops
秋風の恋 / England Dan & John Ford Coley (Big Tree / ワーナーパイオニア)
 
昨夜は新潟市までプロジェクションマッピング国際コンペのリハーサルを見に行って来ました。
 
未だ準備段階とはいえ、なかなか見応えがあったことは言わずもがな、しかし個人的には「幻燈」という懐かしいアイテムとの関連性に共感するところもあり、必ずしも最新のテクノロジーだけで酔わされたわけではありません。
 
むしろ、江戸川乱歩が十八番にしていた世界、往年の少年探偵団の物語で怪人二十面相がビルの外壁に大きな影絵を投影したような、そうしたワクワクドキドキの幻想性に惹かれてしまいましたですねぇ~~♪
 
ところで、その会場で現地の知り合い数人から仕入れた話ではありますが、新潟県では近々、知事選挙が行われる予定でありながら、自民党や市町村会をバックにした候補者1名だけが出馬表明しているだけで、最初は4期目を目指していた現職の泉田知事が直前でいきなり立候補を取りやめたというのに、民進党や共産党でさえも候補者を出せないという異常事態だとか!?
 
う~ん、県知事選挙で無投票なんてことがあるなんて、しかも新潟県は東京電力の原発が稼働停止中で、現職知事は再稼働に猛烈に反対していたというわけですから、なにやら簡単に推察も易い目論みが感じられてしまいます。
 
まあ、何かと泉田知事にも事情があるみたいなんですが、結局のところ、県内ではそれなりに強い基盤を築いている民進党に恥辱を!?
 
なぁ~んていう狙いがあるんじゃ~ないでしょうかねぇ~。
 
つまり泉田知事だって、自民党に担がれていたわけだし、原発再稼働に反対を貫いたところで、地元経済へのマイナス要因とか諸々を考慮すれば、頑なな国への反逆(?)も官僚出身の泉田知事にしてみれば、なかなか「孝ならんと欲すれば忠ならず」という心境だったのかもしれません。
 
そして、ならば自民党への恩返しというか、それでなくとも党首選挙で揺れまくっている民進党への一撃を画策しても不思議ではないでしょう。
 
結果として、民進党は新潟県知事選挙に独自の候補を擁立出来ないというテイタラクを晒したようですから……。
 
なんだか、とんでもない状況ってのは、日本中にあるもんですねぇ~~~!?
 
そこで本日は、そんなこんなのドロドロやモヤモヤを霧散させるべく、昨夜の帰途にカーステレオから流れてきた秋の洋楽ポップスの人気曲をご紹介致しましょう。
 
それが同ジャンルでは「シーモンの涙 / Simone」のヒットでお馴染みのイングランド・ダンとジョン・フォード・コリーが1976年、ついに本国アメリカで大ブレイクを果した「秋風の恋 / I'd Really Love To See You Tonight」であります。
 
あぁ~~、この爽やかな哀愁が漂うカントリー系AORポップスの心地良さは、フックの効いたサビの展開もニクイばかりですし、主役コンビのボーカル&ハーモニーは、まさに王道路線の黄金律がテンコ盛り♪♪~♪
 
こういう歌こそが、エバーグリーンなスタンダードヒットなのだと実感されると思います。
 
ということで、皆様は三連休をどのようにお過ごしになられるのでしょう。
 
台風も襲来しそうですし、仕事の予定も厳しく、あれやこれやも仕切りがつかず、墓参りも当然ながら、殊更気になるのが大相撲というのも、まあ今は平和の証と思うばかりです。
 
願わくば天変地異やドロドロした権力の話は、もう御免です。
 
最後になりましたが、冒頭に述べた新潟のイベントは19日からが本番だそうですので、よろしくです。
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欲望も安寧への道

2016-06-18 17:46:02 | Pops
あなただけ / Twiggy (Odeon / 東芝)
 
最近、またまた物欲に苛まれて、なかなか自分を抑える事が難しくなっています。
 
もちろん他の欲望も失せる事が無いわけで、しかし一番に欲しているエロ物に関しては、本当に自分の求めているものに出会える確立は極僅か……。
 
これはネットが普及して、世の中の様々な事象に簡単にアクセス出来る環境とは正反対の現実というあたりが、かえって辛いわけでして、振り返れば殊更昭和50年代においては毎月発売されるSM誌の最新号が出る日、そしてロマンポルノ等々の成人映画の新作封切り日のワクワク感は筆舌に尽くし難いものでした。
 
う~ん、それならば自分で作るしかないんだろうなぁ~、という結論は分かっていても、現実的には諸問題から今は絶対に無理という状況ではストレスも増幅されるばかりで、加えて仕事諸々での重圧とか、全く開放感が無い日常生活の積み重ねがあっては、この先の自分の寿命が少ないわけですから、残されているは物欲だけという言い訳も成り立ちましょうか?
 
ちなみに食欲については、昔っから美食志向ではないので、特別に味覚を可愛がるという事には惹かれず、それはそれで不幸な事なのかもしれませんが、だからこそ物欲!?
 
具体的に言えば、この頃に限って、前から探索していたレコードがオークションや中古屋に出ている事が多く、ネットで漁っていても、驚くほどヒットしてしまうという現実が悲喜こもごもなんですよ。
 
そして当然ながら、片っ端からゲットしていくには経済的環境が厳しく、さらにど~にか入手が叶ったブツにしても、それを楽しむ時間が無いもんですから、中には未だ梱包されたまんまの獲物も少なくありません。
 
しかし、それでも入手したという「安心感」には充足を覚えしまうんですねぇ~~♪
 
それこそが物欲の本質という気もしているほどです。
 
ということで、本日の欲望の対象となったのは掲載した、ツイッギーが1967年に出した「あなただけ / When I Think Of You」の日本盤シングル♪♪~♪
 
正直、件の楽曲は如何にもお気楽なトホホ系ブリティッシュポップスと言えばミもフタもありませんが、サイケおやじにとっては、それほどの面白味はありません。
 
しかし、このジャケ写のキュートな佇まいは最高ぉ~~でしょう~♪
 
モロにスウィンギング・ロンドンしてるじゃ~ないですかぁ~~♪
 
このジャケ写を壁に飾るという行為こそが、サイケおやじの大切な安寧なのでした。
コメント (2)
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